藤原進之介です。このページでは関西大学2019年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
未掲載の解答は順次公開中です。急ぎで解説が必要な問題はLINEでリクエストしてください。 解説をリクエスト
関西大学2019年度の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
出題構成
| 大問 | 分野 | 要点 |
|---|---|---|
| 〔I〕 | 図形と方程式・三角比 | 直角の条件を円に翻訳し、tanの加法定理で角をつなぐ |
| 〔II〕 | 複素数 | 実部・虚部の比較と、次数下げによる高次式の計算 |
| 〔III〕 | 指数関数 | t = 2ˣ の置換と、t > 0 という範囲の扱い |
〔I〕直角条件を円に、角の和を tan の加法定理に
1辺 a の正方形 OABC を、O(0,0)、A(a,0)、B(a,a)、C(0,a) と座標におきます。内部の点 P(x, y) について三角形 OAP が直角三角形になる場合を考え、Pから辺CBに下ろした点をD(x, a)、辺OAに下ろした点をE(x, 0) とします。
① Pの満たす関係式
Pは正方形の内部にあるので、直角になれるのは ∠OPA = 90° の場合だけです(∠POA と ∠OAP は正方形の内部の点では直角になりません)。
∠OPA = 90° ⇔ Pは OA を直径とする円周上、すなわち中心 (a/2, 0)・半径 a/2 の円周上。
(x − a/2)² + y² = a²/4 ⇔ x² + y² = ax すなわち ① ax(x² + y² = ax)
「直角 ⇔ 直径に対する円周角」の言い換えは頻出です。ベクトルで OP・AP = 0 として展開しても同じ式 x² + y² = ax が出ます。
②③ 2つの角の tan
直角三角形 DEO で、DE = a(Dのy座標 a とEのy座標 0 の差)、OE = x なので
tan∠EDO = OE/DE = x/a
直角三角形 DEA で AE = a − x なので
tan∠EDA = AE/DE = (a − x)/a
④ tan∠ADO を y で表す
∠ADO = ∠EDO + ∠EDA なので、加法定理より
tan∠ADO = (x/a + (a−x)/a) / (1 − (x/a)·((a−x)/a)) = 1 / (1 − (ax − x²)/a²)
ここで①の x² + y² = ax より ax − x² = y²。したがって
tan∠ADO = 1 / (1 − y²/a²)
分子が x/a + (a−x)/a = a/a = 1 ときれいに消えるのが仕掛けです。分子に x が残らないので、あとは分母だけを追えばよくなります。
⑤⑥⑦ 最大値
tan∠ADO は 1 − y²/a² が小さいほど大きくなるので、y² が最大のときに最大です。
Pは円 (x − a/2)² + y² = a²/4 上にあるので y² = a²/4 − (x − a/2)²。これは x = a/2 のとき最大で、最大値は y² = a²/4。このとき y²/a² は最大値 1/4 をとります。
よって 1 < tan∠ADO ≦ 1/(1 − 1/4) = 4/3。
〔II〕複素数の相等条件と、次数下げ
a, b を実数として (a + bi)³ = −1 を満たす a, b を求め、続いて z = 1/2 + (√3/2)i についていくつかの式の値を求めます。
①② 実部と虚部
(a + bi)³ = a³ + 3a²bi + 3a(bi)² + (bi)³ = a³ + 3a²bi − 3ab² − b³i
実部は a³ − 3ab²、虚部は 3a²b − b³ です。
③④ a, b を求める
a, b が実数なので、複素数の相等条件から
a³ − 3ab² = −1 …(i) / 3a²b − b³ = 0 …(ii)
(ii) は b(3a² − b²) = 0 なので b = 0 または b² = 3a²。
b = 0 のとき:(i) は a³ = −1、すなわち (a+1)(a² − a + 1) = 0。a² − a + 1 = 0 は実数解を持たない(判別式 −3 < 0)ので a = −1。
b ≠ 0 のとき:b² = 3a² を (i) に代入して a³ − 9a³ = −1、−8a³ = −1、a³ = 1/8。(a − 1/2)(a² + a/2 + 1/4) = 0 で、後半は実数解を持たないので a = 1/2。このとき b² = 3/4 より b = ±√3/2。
⑤⑥⑦ 次数下げで高次式を処理する
z = 1/2 + (√3/2)i とすると z³ = −1。したがって (z + 1)(z² − z + 1) = 0 で、z ≠ −1 なので
z² − z + 1 = 0 …(★)
あとは z³ = −1 を使って次数を下げ、(★)の形に持ち込むだけです。
z⁴ + z² + 1 = z³·z + z² + 1 = −z + z² + 1 = z² − z + 1 = 0
z¹² + z⁸ + z⁴ + 1 = (z³)⁴ + (z³)²·z² + z³·z + 1 = 1 + z² − z + 1 = (z² − z + 1) + 1 = 1
z¹⁰ + 1/z¹⁰ + 10:z¹⁰ = (z³)³·z = −z、1/z¹⁰ = z²/(z³)⁴ = z²/1 = z² なので
= −z + z² + 10 = (z² − z + 1) + 9 = 9
z = cos60° + i sin60° と見て極形式で処理してもかまいませんが、z² = z − 1 という1本の式を用意して機械的に次数を下げるほうが計算ミスが出ません。指数が10や12でも同じ手順で片づきます。
〔III〕指数関数の置換と、t > 0 の扱い
y = 4ˣ − 2x+3 + 15 について考えます。
(1) t = 2ˣ で書き換える
4ˣ = (2²)ˣ = (2ˣ)² = t²、2x+3 = 2³·2ˣ = 8t なので
(2) 最小値
x が実数全体を動くとき t = 2ˣ は t > 0 の実数すべてをとります。
y = (t − 4)² − 1 で、頂点 t = 4 は t > 0 に含まれるので、t = 4 すなわち 2ˣ = 4、x = 2 のとき最小です。
(3) y = 0 となる x
t² − 8t + 15 = 0 ⇔ (t − 3)(t − 5) = 0 ⇔ t = 3, 5。どちらも t > 0 を満たすので有効です。
2ˣ = 3 または 2ˣ = 5、すなわち x = log₂3, log₂5。(2) で求めた x = 2 = log₂4 より大きいのは log₂5 のほうです。
置換したら必ず t の動く範囲を書くこと。この問題では t > 0 が「解がどちらも有効」の根拠になっており、もし t ≦ 0 の解が出ていれば捨てなければなりません。
この年の学習ポイント
3題に共通するのは「与えられた条件を、扱いやすい1本の関係式に変換する」ことです。〔I〕では直角条件を x² + y² = ax に、〔II〕では z³ = −1 を z² − z + 1 = 0 に、〔III〕では指数式を t の2次式に変換しました。
特に〔II〕の次数下げは、複素数だけでなく整式の剰余の問題にもそのまま使える強力な道具です。「余りの形の式を1本作り、それを繰り返し代入する」という発想を身につけてください。
関西大学 数学 過去問|他の年度を見る
関西大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち3年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
- 2025年度
- 2024年度
- 2023年度
- 2022年度
- 2021年度
- 2020年度
- 2019年度
- 2018年度
- 2017年度
- 2016年度
- 2015年度
- 2014年度
- 2013年度
- 2012年度
- 2011年度
- 2010年度
- 2009年度
- 2008年度
- 2007年度
- 2006年度
- 2005年度
- 2004年度
- 2003年度
- 2002年度
- 2001年度
- 1999年度
- 1998年度
- 1997年度
- 1996年度
- 1995年度
「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。

