藤原進之介です。このページでは関西大学2018年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2018年度の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
出題構成
| 大問 | 分野 | 要点 |
|---|---|---|
| 〔I〕 | 2次関数・積分 | 判別式で共有点を判定し、接する場合の面積を求める |
| 〔II〕 | 三角関数 | 2倍角と合成で1つの sin にまとめ、2乗の値域を扱う |
| 〔III〕 | 数列・対数 | 対数をとって指数の漸化式を線形化し、さらに2段階の置換 |
〔I〕2つの放物線の位置関係と、接するときの面積
C₁ : y = −x² − 1/8、C₂ : y = x² + (a−2)x とします。
(1) 共有点をもたない a の範囲
y を消去して −x² − 1/8 = x² + (a−2)x、整理すると
2x² + (a−2)x + 1/8 = 0 …①
共有点をもたない ⇔ ①が実数解をもたない ⇔ 判別式 D < 0。
D = (a−2)² − 4·2·(1/8) = (a−2)² − 1
D < 0 ⇔ (a−2)² < 1 ⇔ −1 < a − 2 < 1
(2) a = 1 のときのグラフ
C₂ : y = x² − x = (x − 1/2)² − 1/4。①は 2x² − x + 1/8 = 0 で、これは 2(x − 1/4)² = 0 と変形できます。
重解 x = 1/4 をもつので、2つの放物線は x = 1/4 で接します(上に凸の C₁ と下に凸の C₂ が1点で接する形)。
(1) の境界値 a = 1 は D = 0 のときですから、接するのは当然といえます。判別式の値と図形的な意味(0本・1本・2本の交点)を必ず対応づけて覚えてください。
(3) 囲まれた部分の面積
0 ≦ x ≦ 1/4 で、C₂ と C₁ と y 軸で囲まれた部分を考えます。この区間では C₂ が上、C₁ が下です。
(x² − x) − (−x² − 1/8) = 2x² − x + 1/8 = 2(x − 1/4)²
差がきれいな平方の形になるのが接する場合の特徴で、積分がそのまま実行できます。
∫₀^(1/4) 2(x − 1/4)² dx = [ (2/3)(x − 1/4)³ ]₀^(1/4) = 0 − (2/3)(−1/4)³ = (2/3)·(1/64)
〔II〕2倍角と合成で1つの sin にまとめる
y = 8sin²θ − 4√3 sin2θ + 4 について、5π/6 ≦ θ ≦ 4π/3 における最大値・最小値を求めます。
①〜④ 平方の形に直す
2倍角の公式 sin2θ = 2sinθcosθ と、定数 4 を 4(sin²θ + cos²θ) と書き換えるのがポイントです。
y = 8sin²θ − 8√3 sinθcosθ + 4(sin²θ + cos²θ) = 12sin²θ − 8√3 sinθcosθ + 4cos²θ
これは完全平方です。
y = (2√3 sinθ − 2 cosθ)²
定数項を sin² + cos² に化けさせて次数をそろえる(同次化する)のは、三角関数を扱いやすくする常套手段です。全項が2次になれば平方completion や合成が使えます。
⑤ 合成する
√{(2√3)² + 2²} = √16 = 4 なので
2√3 sinθ − 2cosθ = 4{ (√3/2)sinθ − (1/2)cosθ } = 4 sin(θ + 11π/6)
したがって y = 16 sin²(θ + 11π/6) です。
⑥⑦ 最大値・最小値
5π/6 ≦ θ ≦ 4π/3 のとき
8π/3 ≦ θ + 11π/6 ≦ 19π/6、すなわち 2π + 2π/3 ≦ θ + 11π/6 ≦ 2π + 7π/6
2π を引いた [2π/3, 7π/6] で sin を見ると、左端 2π/3 で最大 √3/2、右端 7π/6 で最小 −1/2。
−1/2 ≦ sin(θ + 11π/6) ≦ √3/2 ⇔ −2 ≦ 4sin(θ + 11π/6) ≦ 2√3
この範囲は0をまたぐので、2乗したときの最小値は 0 です。最大値は |−2| = 2 と 2√3 の大きいほうを2乗して (2√3)² = 12。
2乗の最大・最小は「元の範囲が0をまたぐかどうか」で決まります。−2 ≦ u ≦ 2√3 を機械的に2乗して 4 ≦ u² ≦ 12 としてしまうのが典型的な誤答です。
〔III〕対数をとって指数の漸化式を線形化する
a₁ = 16、an+1 = 2^(3^(n+1)) · (an)⁵ で定まる数列を扱います。
①② 対数をとる
bn = log₂an とおくと b₁ = log₂16 = 4。
漸化式の両辺で2を底とする対数をとると
log₂an+1 = 3n+1 + 5 log₂an すなわち bn+1 = 5bn + 3n+1
積が和に、指数が係数に変わる — 対数の役割そのものです。指数の肩に n が乗っている漸化式を見たら、まず対数をとることを検討してください。
③④⑤ 3ⁿ で割ってもう一段変形
cn = bn/3ⁿ とおくと c₁ = 4/3(③)。
bn+1 = 5bn + 3n+1 の両辺を 3n+1 で割ると
cn+1 = (5/3)cn + 1
⑥ cn の一般項
特性方程式 x = (5/3)x + 1 の解は x = −3/2。よって
cn+1 + 3/2 = (5/3)(cn + 3/2)
c₁ + 3/2 = 4/3 + 3/2 = 17/6 なので
⑦ bn の一般項
bn = 3ⁿ cn = 3ⁿ{(17/6)(5/3)n−1 − 3/2}
3ⁿ·(5/3)n−1 = 3·5n−1 なので、第1項は (17/6)·3·5n−1 = (17/2)5n−1。第2項は (3/2)·3ⁿ = 3n+1/2。
この年の学習ポイント
〔III〕は置換を2回重ねる構成でした。対数で指数を降ろし(a → b)、3ⁿ で割って定数係数の形にし(b → c)、最後に特性方程式で解く。1回の置換で終わらない問題では、誘導の空欄が「次に何をおくか」を教えてくれるので、空欄の形をよく見ることが突破口になります。
〔I〕の「接するとき差が平方になる」、〔II〕の「同次化してから合成する」も、それぞれ独立に使える定石です。
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