藤原進之介です。このページでは関西学院大学2009年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西学院大学2009年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔3〕放物線と直線が囲む面積の最小値
放物線 C : y = x(x − 1) と直線 l : y = kx を考えます。
(1) 交点の x 座標が 0 と 1 の間にある k の範囲
連立して x(x − 1) = kx ⇔ x(x − 1 − k) = 0 ⇔ x = 0, k + 1。
原点以外の交点の x 座標 k + 1 が 0 と 1 の間にあればよいので
0 < k + 1 < 1
(2) 0 ≦ x ≦ 1 で C と l が囲む面積 S
−1 < k < 0 のとき、0 < x < k+1 では直線が上、k+1 < x < 1 では放物線が上になります。したがって
S = ∫₀^(k+1) {kx − x(x−1)}dx + ∫_(k+1)^1 {x(x−1) − kx}dx
被積分関数は kx − x² + x = −x{x − (k+1)} なので、前半は6分の1公式がそのまま使えます。
∫₀^(k+1) −x{x − (k+1)}dx = (1/6)(k + 1)³
後半は u = x − (k+1) と置換すると、被積分関数が u² + (k+1)u になり、積分区間は 0 から −k。
[u³/3 + (k+1)u²/2]₀^(−k) = −k³/3 + (k+1)k²/2
足し合わせて整理します。(k+1)³/6 = k³/6 + k²/2 + k/2 + 1/6、−k³/3 + k³/2 + k²/2 = k³/6 + k²/2 なので
検算:k → −1 では交点が原点に重なり、S は 0 と 1 の間で放物線と x 軸が囲む面積 1/6 に近づくはずです。式に k = −1 を代入すると −1/3 + 1 − 1/2 + 1/6 = 1/3。これは k = −1 のとき直線 y = −x が放物線と原点で接する状況に対応し、面積が 1/3 になることと整合します。
(3) S を最小にする k と、そのときの最小値
f(k) = (1/3)k³ + k² + (1/2)k + 1/6 とおくと
f'(k) = k² + 2k + 1/2 = (1/2)(2k² + 4k + 1)
f'(k) = 0 ⇔ 2k² + 4k + 1 = 0 ⇔ k = (−2 ± √2)/2
(−2 + √2)/2 ≒ −0.293 は −1 < k < 0 に含まれ、(−2 − √2)/2 ≒ −1.71 は範囲外です。
増減表より、k = (−2 + √2)/2 の前後で f’ の符号が負から正に変わるので、そこで最小になります。
最小値の計算にはうまい手があります。k₀ = (−2+√2)/2 は 2k₀² + 4k₀ + 1 = 0 を満たすので k₀² = −2k₀ − 1/2。これを使って f(k₀) から k₀² と k₀³ を消していくと
k₀³ = k₀·k₀² = k₀(−2k₀ − 1/2) = −2k₀² − k₀/2 = (7/2)k₀ + 1
f(k₀) = {(7/2)k₀ + 1}/3 + (−2k₀ − 1/2) + k₀/2 + 1/6
k₀ の係数は 7/6 − 2 + 1/2 = −1/3、定数項は 1/3 − 1/2 + 1/6 = 0。したがって f(k₀) = −k₀/3。
無理数を直接3乗して代入すると計算が破綻しがちです。k₀ が満たす2次方程式を使って次数を下げると、割り切れた形で最小値が出ます。これは〔II〕型の「余りを使った代入」と同じ考え方です。
この年の学習ポイント
面積を k の関数として表し、微分して最小を求める — という流れ自体は標準的です。差がつくのは(3) の代入計算で、k₀ = (−2+√2)/2 をそのまま3乗する人と、2k₀² + 4k₀ + 1 = 0 を使って次数を下げる人とで、所要時間と正答率が大きく変わります。
「解が満たす方程式を、代入の道具として使う」という発想は、複素数・整式の剰余・数列など幅広い分野で使えます。ぜひ習慣にしてください。
〔1〕〔2〕については、当塾で公開している解答PDFが解答の数値のみを掲載しており、問題文と途中の考え方を確認できる資料が手元にありません。裏づけのないまま推測で解説を作ることはしていません。資料が確認でき次第、追加いたします。
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関西学院大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち2年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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