立命館大学 数学|原本PDF照合版
2017年度の実際の大問を全文掲載・条件整理・解法解説
実際に出題された大問を省略せずテキスト化し、条件の意味、最初の一手、途中式、検算、典型的な失点原因まで順に整理しています。冊子全体は原本PDFでも確認できます。
- 問題冊子
- 3冊
- 問題ページ
- 23ページ
- 本ページの深掘り
- 1大問+公開解答3冊
同じ年度には日程・方式の異なる冊子が複数あります。従来の「問1・問2…」というリンク名は大問番号ではなく冊子番号だったため、本欄では冊子名と大問番号を分けて表記します。
問題・解答PDFと掲載済み解説
藤原進之介です。このページでは立命館大学2017年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
問題
解答
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2017年度 大問別の詳しい解説
2017年度③ I
大問 I
問題文(全文)
次のI、II、IIIの設問について解答せよ。ただし、I、IIについては問題文中の空欄にあてはまる適当なものを、解答用紙の所定の欄に記入せよ。なお解答が分数になる場合は、すべて既約分数で答えること。
I
[1] 点\((x,y)\)が、円\(x^2+y^2=1\)の周と内部を動くとき、点\((x+y,x-y)\)が動く範囲の面積を求める。まず、\(p=x+y,q=x-y\)とおき、\(x,y\)を\(p,q\)を用いて表すと、\(x=【ア】,y=【イ】\)となる。次に、点\((x,y)\)が円\(x^2+y^2=1\)の周と内部を動くという条件を、\(p,q\)を用いて表すと、\(p^2+q^2\le【ウ】\)となる。よって、点\((x+y,x-y)\)が動く範囲の面積は【エ】となる。
[2] 関数\(y=4^x+2^x+1/2^x+1/4^x\)について、\(t=2^x+2^{-x}\)とおくとき、\(y\)を\(t\)を用いて表すと、\(y=【オ】\)となる。ここで、\(t\)のとりうる値の範囲は、\(【カ】\le t\)となるので、\(y\)は、\(x=【キ】\)のとき最小値【ク】をとる。
[3] 1つのさいころを4回投げるとき、出る目の数を順に、\(a_1,a_2,a_3,a_4\)とする。このとき、次の問いに答えよ。
(a) \(a_1<a_2<a_3<a_4\)となる確率は【ケ】であり、\(a_1\le a_2\le a_3\le a_4\)となる確率は【コ】である。
(b) \(a_1+a_2=a_3+a_4=7\)となる確率は【サ】である。
(c) 出る目の数の最大値が4となる確率は【シ】である。
条件を一つずつ読む
- [1]の元の領域は円周だけでなく内部を含む閉円板である。線形変換後も境界を含む。
- [2]は\(2^x>0\)なので\(2^x\)と\(2^{-x}\)の積が1。
- [3]は4回の出目を順序付きで扱い、全事象は\(6^4\)通りで等確率。
問題の構造
- [1]は座標の線形変換。逆変換を作って円の式に代入すると、像が半径\(\sqrt2\)の円板だと分かる。
- [2]は\(u+u^{-1}\)型の置換。4乗項を\(t^2-2\)にまとめる。
- [3](a)は組合せ・重複組合せ、(b)は和7の順序対、(c)は『すべて4以下』から『すべて3以下』を引く補集合。
最初の一手と、その理由
- [1]は\(p+q=2x,p-q=2y\)を作る。
- [2]は\(4^x+4^{-x}=(2^x+2^{-x})^2-2\)と変形する。
- [3]は全事象\(6^4=1296\)を最初に固定する。
解答・途中式
[1]
- \(p=x+y,q=x-y\)を加減すると\(x=(p+q)/2,y=(p-q)/2\)。
- 代入すると\(x^2+y^2=((p+q)^2+(p-q)^2)/4=(p^2+q^2)/2\)。
- したがって元の条件は\(p^2+q^2\le2\)。像は半径\(\sqrt2\)の円板で、面積は\(\pi(\sqrt2)^2=2\pi\)。
結論:ア=\((p+q)/2\)、イ=\((p-q)/2\)、ウ=2、エ=\(2\pi\)
[2]
- \(t=2^x+2^{-x}\)より\(4^x+4^{-x}=t^2-2\)。ゆえに\(y=t^2+t-2\)。
- 相加相乗平均より\(t\ge2\)。等号は\(2^x=2^{-x}\)、すなわち\(x=0\)で成立。
- \(t\ge2\)で\(t^2+t-2\)は増加するから、最小値は\(2^2+2-2=4\)。
結論:オ=\(t^2+t-2\)、カ=2、キ=0、ク=4
[3](a)
- 狭義増加なら1〜6から異なる4個を選べば並び順は一意。\(\binom64=15\)通りなので確率\(15/6^4=5/432\)。
- 広義増加は1〜6から重複を許して4個を選ぶ重複組合せ。\({}_6H_4=\binom94=126\)通りなので\(126/1296=7/72\)。
結論:ケ=5/432、コ=7/72
[3](b)
- 和が7の順序対は\((1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1)\)の6通り。
- 前半2回と後半2回は独立なので有利事象は\(6\times6=36\)通り。確率\(36/1296=1/36\)。
結論:サ=1/36
[3](c)
- 最大値が4とは、4回とも4以下で、かつ4が少なくとも1回出ること。
- すべて4以下の\(4^4\)通りから、すべて3以下の\(3^4\)通りを引き、\((4^4-3^4)/6^4=175/1296\)。
結論:シ=175/1296
最終答案
- ア
- (p+q)/2
- イ
- (p-q)/2
- ウ
- 2
- エ
- 2\pi
- オ
- t^2+t-2
- カ
- 2
- キ
- 0
- ク
- 4
- ケ
- 5/432
- コ
- 7/72
- サ
- 1/36
- シ
- 175/1296
検算・別角度からの確認
- [1]の変換行列\(\begin{pmatrix}1&1\\1&-1\end{pmatrix}\)の行列式の絶対値は2なので、元の円板面積\(\pi\)の2倍\(2\pi\)になることでも確認できる。
- [2]に\(x=0\)を代入すると\(1+1+1+1=4\)。
- [3](a)では広義増加の126通りが全1296通りより小さく、確率約0.0972。狭義増加15通りより大きいことも整合する。
- [3](c)は\(P(\max\le4)-P(\max\le3)=(4/6)^4-(3/6)^4\)でも同値。
よくある失点
- [1]で\(x^2+y^2\)を\(p^2+q^2\)として係数1/2を落とす。
- [2]で\(t\)の下限2を出さず、二次式の頂点をそのまま使う。
- 狭義増加で選んだ4個をさらに\(4!\)通り並べ、過大計数する。
- 最大値4を『4が1回だけ出る』と読み違える。
復習する単元
- 線形変換と領域
- 円の面積
- 相加相乗平均
- 指数関数の置換
- 組合せ・重複組合せ
- 独立試行・補集合
問題PDF2〜3ページ、対応解答PDFを原本画像で照合済み。