立命館大学 数学|原本PDF照合版
2018年度の実際の大問を全文掲載・条件整理・解法解説
実際に出題された大問を省略せずテキスト化し、条件の意味、最初の一手、途中式、検算、典型的な失点原因まで順に整理しています。冊子全体は原本PDFでも確認できます。
- 問題冊子
- 3冊
- 問題ページ
- 22ページ
- 本ページの深掘り
- 1大問+公開解答3冊
同じ年度には日程・方式の異なる冊子が複数あります。従来の「問1・問2…」というリンク名は大問番号ではなく冊子番号だったため、本欄では冊子名と大問番号を分けて表記します。
問題・解答PDFと掲載済み解説
藤原進之介です。このページでは立命館大学2018年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
問題
解答
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2018年度 大問別の詳しい解説
2018年度③ I
大問 I
問題文(全文)
次のI、II、IIIの設問について解答せよ。ただし、I、IIについては問題文中の空欄にあてはまる適当なものを、解答用紙の所定の欄に記入せよ。なお解答が分数になる場合は、すべて既約分数で答えること。
I
[1] \(0<x<1\)とする。\(x^4+1/x^4=7\)のとき、\(x^6+1/x^6=【ア】\)、\(x+1/x=【イ】\)、\(x^2-1/x^2=【ウ】\)となる。
[2] \(k\)を正の整数、\(n\)を2以上の正の整数とする。連立不等式\[x>0,\qquad y>0,\qquad x+y<n\tag{1}\]を満たす整数の組\((x,y)\)について考える。連立不等式(1)を満たす\(x=k\)に対して、\(y\)のとりうる値は【エ】個ある。したがって、連立不等式(1)を満たす整数の組\((x,y)\)は【オ】組ある。また、連立不等式(1)を満たす【オ】組の\(x\)と\(y\)の値をすべて足し合わせると、【カ】となる。
[3] 点\((x,y)\)が連立不等式\[x+y\ge2,\qquad x^2+y^2\le4\]の表す領域\(D\)を動くとき、次の問いに答えよ。
(a) \(-2x+y\)の最大値は【キ】、最小値は【ク】である。
(b) \(2x+y\)の最大値は【ケ】、最小値は【コ】である。
(c) \(x^2+y^2-2x\)の最大値は【サ】、最小値は【シ】である。
条件を一つずつ読む
- [1]は\(0<x<1\)なので、平方根を取るときの正負が決まる。特に\(x^2-1/x^2<0\)。
- [2]の\(x,y\)は正の整数であり、0は含まない。不等号\(x+y<n\)も厳密不等号。
- [3]の領域\(D\)は半径2の円板と半平面\(x+y\ge2\)の共通部分で、境界の弦は\((0,2)\)と\((2,0)\)を結ぶ。
問題の構造
- [1]は\(x^m+x^{-m}\)の対称式を低い次数から順に作る。最後だけ差の式なので符号判定が必要。
- [2]は格子点を\(x=k\)ごとの縦列で数え、その後に対称性\(x\leftrightarrow y\)を使って総和を求める。
- [3](a)(b)は線形関数の等高線を領域に接触させる問題。(c)は\((x-1)^2+y^2-1\)として点\((1,0)\)からの距離に読み替える。
最初の一手と、その理由
- [1]では\((x^2+x^{-2})^2=x^4+2+x^{-4}\)を作る。
- [2]では固定した\(x=k\)に対し\(1\le y\le n-k-1\)と書く。
- [3]では領域を円弧と線分\(x+y=2\)の2つの境界に分け、各境界で候補を調べる。
解答・途中式
[1]
- \((x^2+x^{-2})^2=x^4+2+x^{-4}=9\)。\(x>0\)より\(x^2+x^{-2}=3\)。
- 恒等式\(a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)\)を\(a=x^2,b=x^{-2}\)に使うと、\(x^6+x^{-6}=3^3-3\cdot1\cdot3=18\)。
- \((x+x^{-1})^2=x^2+2+x^{-2}=5\)で、正だから\(x+x^{-1}=\sqrt5\)。
- \((x^2-x^{-2})^2=(x^2+x^{-2})^2-4=5\)。\(0<x<1\)では\(x^2<x^{-2}\)なので\(x^2-x^{-2}=-\sqrt5\)。
結論:ア=18、イ=\(\sqrt5\)、ウ=\(-\sqrt5\)
[2]
- \(x=k\)を固定すると\(y>0,k+y<n\)より\(y=1,2,\ldots,n-k-1\)。したがって\(n-k-1\)個。ただし\(k=1,\ldots,n-2\)。
- 組数は\(\sum_{k=1}^{n-2}(n-k-1)=1+2+\cdots+(n-2)=(n-1)(n-2)/2\)。
- 領域は\(x,y\)を交換しても同じなので、全組にわたる\(x\)の総和と\(y\)の総和は等しい。
- \(x\)の総和は\(\sum_{k=1}^{n-2}k(n-k-1)=n(n-1)(n-2)/6\)。したがって\(x+y\)の総和はその2倍で\(n(n-1)(n-2)/3\)。
結論:エ=\(n-k-1\)、オ=\((n-1)(n-2)/2\)、カ=\(n(n-1)(n-2)/3\)
[3](a)
- 線分境界\(y=2-x,0\le x\le2\)では\(-2x+y=2-3x\)なので、最大2、最小-4。
- 円弧を\((x,y)=(2\cos\theta,2\sin\theta),0\le\theta\le\pi/2\)とすると値は\(-4\cos\theta+2\sin\theta\)。導関数\(4\sin\theta+2\cos\theta>0\)なので-4から2まで単調増加。
- 両境界を合わせても最大2、最小-4。
結論:キ=2、ク=-4
[3](b)
- 円全体でコーシー・シュワルツより\(2x+y\le\sqrt{2^2+1^2}\sqrt{x^2+y^2}\le2\sqrt5\)。等号点\((4/\sqrt5,2/\sqrt5)\)は\(x+y>2\)を満たすので最大\(2\sqrt5\)。
- 線分\(y=2-x\)上では\(2x+y=x+2\)で最小2。円弧上も端点\((0,2)\)で2となり、それ未満にはならない。
結論:ケ=\(2\sqrt5\)、コ=2
[3](c)
- \(x^2+y^2-2x=(x-1)^2+y^2-1\)。最大は円弧上で\(x^2+y^2=4\)とすると\(4-2x\)だから、\((0,2)\)で4。
- 線分\(y=2-x\)上では\(2x^2-6x+4=2(x-3/2)^2-1/2\)。よって\((3/2,1/2)\)で最小\(-1/2\)。
- 円弧上の最小は0なので、領域全体の最小は\(-1/2\)。
結論:サ=4、シ=-1/2
最終答案
- ア
- 18
- イ
- \sqrt5
- ウ
- -\sqrt5
- エ
- n-k-1
- オ
- (n-1)(n-2)/2
- カ
- n(n-1)(n-2)/3
- キ
- 2
- ク
- -4
- ケ
- 2\sqrt5
- コ
- 2
- サ
- 4
- シ
- -1/2
検算・別角度からの確認
- [1]は\(x^2+x^{-2}=3\)から\((x^2-x^{-2})^2=5\)を再計算し、条件\(x<1\)で負号を確定。
- [2]は例として\(n=4\)なら組は\((1,1),(1,2),(2,1)\)の3組。公式は組数3、全\(x+y\)総和8となり直接列挙と一致する。
- [3]の各候補点\((0,2),(2,0),(4/\sqrt5,2/\sqrt5),(3/2,1/2)\)はいずれも2本の不等式を満たす。
よくある失点
- \(x^2-1/x^2\)を\(x-1/x\)と読み違える。
- 平方根の符号を条件\(0<x<1\)で決めず、ウを\(+\sqrt5\)にする。
- 格子点で\(x=0,y=0\)を含める、または\(x+y=n\)を含める。
- 線形関数の最大最小を円全体だけで求め、半平面条件を確認しない。
- 二次式の最小候補が領域内にあるかを確認しない。
復習する単元
- 対称式
- 格子点・数列の和
- 対称性を用いた総和
- 連立不等式の表す領域
- 線形関数の最大最小
- 平方完成と距離
問題PDF2〜3ページ、対応解答PDFを原本画像で照合済み。
