藤原進之介です。このページでは関西大学2009年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2009年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
〔II〕不等式が表す領域と、直線を動かして最大・最小を求める
(x² + y² − 4y)(x² + y² − 10y + 24) ≦ 0 が表す領域を考えます。
(1) 領域の図示
積が0以下なので、2つの因数の符号は「一方が0以上・他方が0以下」です。
[A] x² + y² − 4y ≧ 0 かつ x² + y² − 10y + 24 ≦ 0
[B] x² + y² − 4y ≦ 0 かつ x² + y² − 10y + 24 ≧ 0
それぞれ平方完成すると
x² + y² − 4y = x² + (y − 2)² − 4 → 中心 (0, 2)、半径 2 の円
x² + y² − 10y + 24 = x² + (y − 5)² − 1 → 中心 (0, 5)、半径 1 の円
2円の中心間距離は 3、半径の和も 2 + 1 = 3 なので、この2円は点 (0, 4) で外接しています。
したがって小円は大円の外部にあり、[A] は「小円の内部」、[B] は「大円の内部」に一致します。
外接していることに気づかないと、[A][B] の共通部分・和集合の判定で混乱します。まず2円の位置関係(中心間距離と半径の和・差)を確認するのが定石です。
(2) x + y の最大値・最小値
x + y = k とおくと、これは傾き −1 の直線群です。この直線が領域と共有点をもつような k の範囲を求めます。
k が最大になるのは、直線が小円の右上側に接するときです。中心 (0, 5) と直線 x + y − k = 0 の距離が半径1に等しいので
|0 + 5 − k|/√(1² + 1²) = 1 ⇔ |5 − k| = √2 ⇔ k = 5 ± √2
最大を考えているので k = 5 + √2。
k が最小になるのは、直線が大円の左下側に接するときです。中心 (0, 2) との距離が半径2に等しいので
|2 − k|/√2 = 2 ⇔ |2 − k| = 2√2 ⇔ k = 2 ± 2√2
最小を考えているので k = 2 − 2√2。
領域が2つの円の和集合なので、最大は上側の小円、最小は下側の大円が担当します。どちらの円が端を決めるかを図で確認してから計算に入ってください。実際 5 + √2 ≒ 6.41 は 2 + 2√2 ≒ 4.83 より大きく、2 − 2√2 ≒ −0.83 は 5 − √2 ≒ 3.59 より小さいので、この割り当てで正しいことが確認できます。
〔III〕対数の置換と、解と係数の関係
b > 0 とし、t = log₂b とおきます。
(1) log₄(b³/2) を t で表す
log₄(b³/2) = log₄b³ − log₄2
底の変換公式で底を2にそろえます。log₄b³ = log₂b³/log₂4 = 3log₂b/2 = (3/2)t、log₄2 = 1/2 なので
(2) x² + ax + 5 − a = 0 の2解が t と (3/2)t − 1/2 であるときの a, b
解と係数の関係より
t + {(3/2)t − 1/2} = −a …① / t{(3/2)t − 1/2} = 5 − a …②
①より a = 1/2 − (5/2)t。これを②に代入して a を消去します。
t{(3/2)t − 1/2} = 5 − {1/2 − (5/2)t} = 9/2 + (5/2)t
両辺を2倍して 3t² − t = 9 + 5t、すなわち 3t² − 6t − 9 = 0。3で割って
t² − 2t − 3 = 0 ⇔ (t − 3)(t + 1) = 0 ⇔ t = 3, −1
t = 3 のとき:①より a = 1/2 − 15/2 = −7。t = log₂b より b = 2³ = 8。
t = −1 のとき:①より a = 1/2 + 5/2 = 3。t = log₂b より b = 2⁻¹ = 1/2。
検算:a = −7 のとき x² − 7x + 12 = 0 の解は 3 と 4。t = 3、(3/2)(3) − 1/2 = 4 で確かに一致します。a = 3 のとき x² + 3x + 2 = 0 の解は −1 と −2。t = −1、(3/2)(−1) − 1/2 = −2 で一致します。出した答えを元の方程式に戻すこの一手間で、符号ミスはほぼ防げます。
この年の学習ポイント
〔II〕の「積が0以下 ⇒ 因数の符号で場合分け」は、領域の問題の入口です。そのあと各因数を平方完成して円の形に直すところまでを、ひとつながりの手順として練習してください。
〔III〕は対数と2次方程式の融合ですが、t = log₂b と置いた瞬間にただの2次方程式の問題になります。置換して、最後に元の文字に戻すという往復を丁寧に行うことが得点につながります。
〔I〕については、当塾で公開している解答PDFが解答の数値のみを掲載しており、途中の考え方を確認できる資料が手元にありません。裏づけのないまま推測で解説を作ることはしていません。資料が確認でき次第、追加いたします。
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