藤原進之介です。このページでは関西大学2012年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2012年度の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔I〕指数の連立方程式を、置換で1次に落とす
次の連立方程式を解きます。
3x+2y + 24x+2y−3 = 97/3 …①
3x+2y+2 − 42x+y−2 = −13 …②
(1) X = 3x+2y、Y = 24x+2y とおく
指数法則で、ずれている肩を X, Y に揃えます。
24x+2y−3 = 24x+2y/2³ = Y/8
3x+2y+2 = 3²·3x+2y = 9X
42x+y−2 = 42x+y/4² = (1/16)(2²)2x+y = (1/16)·24x+2y = Y/16
したがって①②は
X + Y/8 = 97/3 …③ / 9X − Y/16 = −13 …④
③ + ④×2 で Y が消えます(Y/8 − Y/8 = 0)。
19X = 97/3 − 26 = 97/3 − 78/3 = 19/3 ⇒ X = 1/3
③に戻して Y/8 = 97/3 − 1/3 = 96/3 = 32、Y = 256。
42x+y を 24x+2y に書き換える箇所が最大の関門です。底を2にそろえると、一見ばらばらの3つの指数が同じ Y で表せることが見えます。
(2) x, y を求める
3x+2y = 1/3 の両辺で3を底とする対数をとると
x + 2y = log₃(1/3) = −1 …⑤
24x+2y = 256 = 2⁸ より
4x + 2y = 8 …⑥
⑥ − ⑤ で 3x = 9、x = 3。⑤に代入して 3 + 2y = −1、y = −2。
〔II〕二重の絶対値をはずす
y = ||x − 2| + 2x − 3| のグラフを考えます。
(1) 絶対値をはずして場合分けする
内側からはずします。
[1] x > 2 のとき:|x−2| = x−2 なので中身は (x−2) + 2x − 3 = 3x − 5。x > 2 のとき 3x − 5 > 1 > 0 なので絶対値はそのまま外れて y = 3x − 5。
[2] x ≦ 2 のとき:|x−2| = 2−x なので中身は (2−x) + 2x − 3 = x − 1。よって y = |x − 1| で、さらに 1 を境に分かれます。
1 < x ≦ 2 のとき y = x − 1、x ≦ 1 のとき y = −x + 1。
| x の範囲 | y |
|---|---|
| x ≦ 1 | −x + 1 |
| 1 < x ≦ 2 | x − 1 |
| 2 < x | 3x − 5 |
x = 2 で x−1 = 1、3x−5 = 1 と値が一致するので、グラフはつながっています(折れ曲がるだけ)。境目で値が合うかどうかの確認は、場合分けのミスを見つける最良の検算です。
(2) 直線 y = 4 との交点と、囲まれた部分の面積
各区間で y = 4 とおきます。
x ≦ 1:−x + 1 = 4 ⇒ x = −3(範囲を満たす)
1 < x ≦ 2:x − 1 = 4 ⇒ x = 5(範囲外なので不適)
2 < x:3x − 5 = 4 ⇒ x = 3(範囲を満たす)
よって交点の x 座標は −3 と 3 です。囲まれた部分の面積は ∫−33{4 − f(x)}dx を3区間に分けて計算します。
| 区間 | 4 − f(x) | 積分値 |
|---|---|---|
| −3 ≦ x ≦ 1 | x + 3 | 8 |
| 1 ≦ x ≦ 2 | 5 − x | 7/2 |
| 2 ≦ x ≦ 3 | 9 − 3x | 3/2 |
この図形は台形と三角形の組み合わせなので、積分せず面積公式でも出せます。−3 ≦ x ≦ 1 の部分は底辺4・高さ4の直角三角形で面積8。検算に使ってください。
〔III〕接する条件から係数を決め、区間積分の最小を求める
放物線 y = ax² + bx + c は頂点の x 座標が 11/12 で、x = 1 において直線 y = x/3 + 1 に接するとします。
①②③ a, b, c を決める
平方完成すると頂点の x 座標は −b/(2a) なので
−b/(2a) = 11/12 ⇔ 11a + 6b = 0 …(i)
x = 1 で接するとは「その点を通る」かつ「傾きが一致する」の2条件です。
通る:a + b + c = 1/3 + 1 = 4/3 …(ii)
傾き:y’ = 2ax + b より 2a + b = 1/3、すなわち 6a + 3b = 1 …(iii)
(iii)×2 − (i):12a + 6b − 11a − 6b = 2 − 0 ⇒ a = 2
(iii)に代入して 12 + 3b = 1 ⇒ b = −11/3
(ii)に代入して 2 − 11/3 + c = 4/3 ⇒ c = 3
④⑤⑥ F(t) を求める
問題の関数 f(x) は x ≦ 1 で放物線、x > 1 で接線に切り替わる形です。
f(x) = 2x² − (11/3)x + 3(x ≦ 1)、f(x) = x/3 + 1(x > 1)
F(t) = ∫tt+1 f(x)dx を、x = 1 で分割して計算します(0 ≦ t ≦ 1 なので t ≦ 1 ≦ t+1)。
F(t) = ∫t1{2x² − (11/3)x + 3}dx + ∫1t+1(x/3 + 1)dx
それぞれ原始関数 (2/3)x³ − (11/6)x² + 3x と x²/6 + x を代入して整理すると
⑦ F(t) が最小となる t
F'(t) = −2t² + 4t − 5/3。F'(t) = 0 を解くと 6t² − 12t + 5 = 0 より
t = (12 ± √(144 − 120))/12 = (12 ± 2√6)/12 = (6 ± √6)/6
(6 − √6)/6 ≒ 0.59、(6 + √6)/6 ≒ 1.41 なので、0 ≦ t ≦ 1 に入るのは小さいほうだけです。
F’ の符号は t < (6−√6)/6 で負、そのあと正。したがってそこが最小です。
積分区間の幅が1で固定され、区間そのものが動く「移動区間の積分」です。F'(t) = f(t+1) − f(t) という関係(微積分学の基本定理)を使うと、積分を実行せずに F’ を書けることも覚えておくと検算になります。
この年の学習ポイント
〔I〕の「底をそろえる」、〔II〕の「内側の絶対値からはずす」、〔III〕の「接する=通る+傾きが等しい」。いずれも手順が決まっている定型処理で、迷いなく手が動くかどうかがそのまま得点差になります。
特に〔III〕の接する条件を「判別式 = 0」で処理しようとすると、この問題では放物線と直線の交点が1つという情報しか得られず、接点の x 座標が1であることを別途使う必要が出て遠回りになります。接点が指定されているときは「通る+傾き」の2式が最短です。
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