大学受験

関西学院大学 2023年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは関西学院大学2023年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
次の問いに答えなさい。
(1)  を正の実数とし、2次関数 における最大値を 、最小値を とする。
(i)  のとき、 である。
(ii)  であるとき、 の取りうる値の範囲は である。
(iii)  のとき、 である。
(2)  個のさいころを同時に1回投げ、出た目の数の和について、その一の位の数を 、出た目の数の積について、その一の位の数を とする。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

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📊 2023年度 関西学院大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全14問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2023年度の全14問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ区間つき2次関数の最大最小とさいころの和と積標準約20分2次関数
解説へ円と直線・領域/等差数列と余りの数列やや難約20分図形と方程式(座標)
解説へ3次関数の決定と面積が等しい条件やや難約25分積分法(数II)
解説へ4次式の因数分解・対数方程式と不等式・約数と確率標準約20分指数・対数
解説へx軸と直線に接する円・三角形の内接円と外接円やや難約20分図形と方程式(座標)
解説へ指数関数×三角関数の積分と回転体の体積やや難約20分積分法(計算)
解説へ複素数平面上の漸化式と回転拡大やや難約25分複素数平面
解説へ2次関数の解の配置とじゃんけんの確率標準約20分確率
解説へ三角方程式の解の個数と平行六面体のベクトルやや難約20分三角関数
解説へ平行移動した放物線への共通接線と面積比標準約20分接線と法線
解説へ順列・空間の点と三角形・複素数の極形式標準約20分場合の数
解説へ等差・等比数列の和と倍数の個数やや難約20分数列の和の全型
解説へ三角関数の合成と置き換えた変数の対応やや難約20分最大・最小の全型
解説へ分数関数の極値・面積・回転体の体積やや難約25分積分法(体積・弧長)

💡 どこで差がつくか:空所補充が中心で、各日程とも最後の1題だけが記述式という構成です。全学部日程A(文系)〔2〕には「定点を通る直線が領域と共有点をもつ条件」、学部個別日程B(文系)〔2〕には「置き換えた文字1つに、もとの解が何個対応するか」という設問があり、どちらも図と対応表を先に書いてから計算に入ると見通しが立ちます。理系は指数関数×三角関数の積分で、誘導どおり原始関数を置いて微分し、係数比較で係数を決める流れになっています。 この冊子14問の目標時間の合計は約295分(数強塾の見立て)。

「型が出てこなかった問題」が2問以上あった人へ。それは演習量の不足ではなく、単元の型の抜けが原因であることがほとんどです。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導。実際にあなたが解いた過去問の答案を見ながら、どの型が抜けているかを特定し、関西学院大学の出題に合わせて埋めていきます。関西学院大学の過去問まとめ(全年度+傾向)で他の年度も確認できます。

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2023年度入学試験問題(全学部日程 A・文系)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2023年度 関西学院大学 全学部日程A(文系)数学の傾向
  • 60分で大問3題。〔1〕〔2〕は答えのみを書く空所補充(各7か所)、〔3〕だけが記述式です。時間配分は空所補充に35分、記述に25分が目安。
  • 分野は2次関数の最大最小・確率・図形と方程式・等差数列・3次関数と面積。関学文系の頻出がひととおり並んだ、標準的な構成です。
  • 差がつくのは〔2〕(1)(ii) の「直線が領域と共有点をもつ条件」と〔3〕(3) の「2つの面積が等しい」。どちらも図をかいて端点・境界を押さえれば一本道になります。全3問14小問を解説します。

〔1〕 2次関数の最大最小・さいころの和と積

分野:2次関数/確率 難易度:標準 形式:空所補充(ア〜キ) 目標時間:20分

【問題】

(1)  を正の実数とし、2次関数 における最大値を 、最小値を とする。

 (i)  のとき、 である。

 (ii)  であるとき、 の取りうる値の範囲は である。

 (iii)  のとき、 である。

(2)  個のさいころを同時に1回投げ、出た目の数の和について、その一の位の数を 、出た目の数の積について、その一の位の数を とする。

 (i)  とする。 となる確率は であり、 となる確率は である。

 (ii)  とする。 となる確率は である。 であったとき、 である条件付き確率は である。

【解答】

 / イ  / ウ

 / オ  / カ  / キ

(1)(i) 区間 に頂点が入る

【問題(再掲)】

における最大値を 、最小値を とする。 のときの を求めよ。

【型】区間つき2次関数:まず平方完成、次に「頂点が区間に入るか」

【なぜこうするか】2次関数の最大最小は頂点の位置と区間の位置関係だけで決まります。上に凸なら「頂点が区間内なら最大は頂点、最小は区間の端で頂点から遠いほう」。これを機械的に当てはめます。

とおく。グラフは上に凸で、頂点は である。

のとき区間は 。頂点 はこの区間に含まれるので

最小値は区間の端点のうち頂点から遠いほうでとる。 で等距離なので 。よって

【定石】上に凸の2次関数では最大=頂点(区間内なら)、最小=軸から遠いほうの端点。軸からの距離を比べるだけで端点の比較が終わる。

(1)(ii)  になるのはどんなときかを考える

【問題(再掲)】

であるとき、 の取りうる値の範囲を求めよ()。

【型】余事象で攻める(「」より「」のほうが条件が単純)

【なぜこうするか】 を場合分けで直接調べると3通りに分かれて面倒です。しかし となる だけ。だから「区間が に完全にはみ出したときだけ という一言で終わります。

より、

なので区間 の側にある。この区間の中に となる点が1つでもあれば である。

区間の左端が だから、 であれば となり 。逆に なら区間全体が にあり、そこでは なので

【定石】「最大値が 」は「区間内に となる点が存在する」と読み替える。存在条件は端点1つで判定できることが多い。

(1)(iii)  は大きすぎるので、頂点は区間の外

【問題(再掲)】

のとき、 の値を求めよ。

【型】値の大きさから場合分けを1つに絞り込む型

【なぜこうするか】愚直に3通り場合分けしてもよいのですが、 が12にもなるのはどんなときか」を先に考えると一気に絞れます。区間が に収まっていると の値は から の間しか動かないので 。12には届きません。

絞り込み。(すなわち )のとき、区間は に含まれるので 、したがって 。よって となるのは 、すなわち のときに限る。

のとき。区間 は軸 の右側にあるので は減少。したがって

より

をみたすのは )のみ。

【よくあるミス】 を落とさずに書いてしまう答案。負の数なので の条件で除外されます。2次方程式を解いたら必ず定義域で吟味する

【定石】場合分けの前に「その値は取りうるのか」を評価で確かめる。上限・下限を押さえると場合分けが1つに減ることが多い。

(2)(i)  は「5と偶数」、 は余事象

【問題(再掲)】

さいころ2個を1回投げる。出た目の和の一の位を 、積の一の位を とするとき、 となる確率と となる確率を求めよ。

【型】「一の位が 」=「10の倍数」=「 の倍数かつ の倍数」型

【なぜこうするか】一の位を扱う問題は、「一の位が 」を「 で割り切れる」に翻訳するのが第一歩。さらに と分解すると、さいころの目で の倍数を作れるのは だけ、という強い制約が出ます。 のほうは、該当する和が多いので余事象で数えます。

について。積の一の位が とは、積が の倍数、すなわち の倍数かつ の倍数ということ。さいころの目 の倍数は だけだから、少なくとも一方が でなければならない。さらに偶数も必要なので、他方は のいずれか。(両方 だと積 で一の位は 。)

目の組合せは 通り。

について。。一の位 は、 なら なら 。したがって

または

となる( はいずれも なので該当しない)。目の組合せは

の5通り /  の4通り

合わせて9通りだから

【よくあるミス】 を「和が 以下」と読み違える誤り。一の位なので、和が のときも となり条件をみたします。ここが本問最大のワナです。

【定石】一の位は 「一の位が 」=「 でも でも割り切れる」と素因数に分けて考える。

(2)(ii)  は「和が または

【問題(再掲)】

さいころ3個を1回投げる。和の一の位 となる確率と、 であったとき積の一の位 である条件付き確率を求めよ。

【型】条件付き確率 (同様に確からしいので個数の比)型

【なぜこうするか】3個の和は なので、一の位が になるのは の2通りだけ。まず組合せ(数の集合)を書き出し、次に並べ方を掛けるのが数え漏れを防ぐ手順です。条件付き確率は分母も分子も同じ土俵( 通り)なので、場合の数の比で計算できます。

となる確率。 なので、 となるのは または 。目の組合せ(順序を考えない)を書き出すと

 / 

それぞれの並べ方は、 通り、 通りずつ、 通りずつ。合計は

通り

条件付き確率。上の22通りのうち 、すなわち積が の倍数になるのは、(i) と同様に を含み、かつ偶数を含む」ものである。

なし ✗ /  なし ✗ /  と偶数あり ✓ /  なし ✗ / :偶数なし ✗ /  と偶数あり ✓

該当する並べ方は 通り、 通りで合計 通り。よって

【定石】条件付き確率は「条件のほうを新しい全体集合と思って数え直す」。全事象が同様に確からしいなら、確率でなく場合の数の比で計算するのが速い。

〔2〕 円と直線・領域/等差数列と余りの数列

分野:図形と方程式/数列 難易度:標準〜やや難 形式:空所補充(ア〜キ) 目標時間:20分

【問題】

(1)  を正の実数とし、座標平面において の表す円を 、直線 とする。円 の半径は で、円 が直線 から切り取る線分の長さは であるとする。

 (i)  である。

 (ii)  を実数とする。直線 は、連立不等式 の表す領域と共有点をもつとする。このとき、 の最大値は である。

(2) 等差数列 について、その初項から第 項までの和を とおく。数列 と和 は、 を満たしているとする。

 (i) 数列 の一般項は であり、 である。

 (ii)  である。

 (iii) 自然数 に対して、 で割った余りを とするとき、 である。

【解答】

 / イ  / ウ

 / オ  / カ  / キ

(1)(i) 半径から 、弦の長さから

【問題(再掲)】

の半径が 、直線 が切り取る線分の長さが であるとき、正の実数 を求めよ。

【型】弦の長さは「半径・中心と直線の距離・弦の半分」の直角三角形型

【なぜこうするか】円の弦の問題は、中心から弦に下ろした垂線が弦を二等分することを使い、「(半径)2=(中心と直線の距離)2+(弦の半分)2」という三平方の関係に持ち込むのが唯一の道です。半径には が入っていないので、先に が決まります。

を求める。平方完成して

半径が だから 、すなわち より 。このとき中心は

を求める。弦の長さが なので、その半分は 。中心と直線の距離を とすると三平方の定理より

一方 だから、点と直線の距離の公式より

よって から 、すなわち より

【定石】弦の長さ 、半径 、中心と直線の距離 の関係は この1本で弦の問題はすべて処理できる

(1)(ii) 定点 を通る直線を回転させて考える

【問題(再掲)】

直線 が連立不等式 の表す領域と共有点をもつとき、 の最大値を求めよ。

【型】「定点を通る直線と領域が交わる条件」=端点・接点で決まる型

【なぜこうするか】 によらず定点 を通る直線です。この点を軸に直線を回転させ、領域から離れる直前の位置を探せばよい。候補は「円に接するとき」か「領域の角(円と直線 の交点)を通るとき」の2つで、図をかけばどちらかがすぐ分かります。

領域の形をつかむ。不等式は「中心 、半径 の円の内部および周」と「直線 の下側」の共通部分。中心 の下側にある( のとき 上の点の 座標は )ので、領域は円のうち大きいほうの弓形である。

境界の交点を求める。 より 。これを円の式 に代入すると

よって すなわち交点は 。(このとき で、(i) の条件と整合します。)

最大の を決める。直線は定点 を通る。傾きを大きくしていくと直線は上へ回転していき、領域の右上の角である を通るときが最後になる。

なお、この定点から円に引いた接線の傾きは より 、すなわち だが、 の接点は の上側にあり、領域に含まれない。したがって最大値を与えるのは接線ではなく を通る場合である。

【よくあるミス】円だけを見て接線の傾き を答えてしまう誤り。領域は直線 で切られているので、接点が切り落とされていないかを必ず確認すること。

【定石】定点を通る直線と領域の共有条件は「図をかいて、回転の限界を与える点(接点か角)を特定する」。候補が複数あるときは、その点が本当に領域内かを検算する。

(2)(i) 条件2つから公差と初項を決める

【問題(再掲)】

等差数列 をみたすとき、 を求めよ。

【型】等差数列は「初項 と公差 の2文字」型

【なぜこうするか】等差数列は初項と公差の2文字だけで決まります。条件が2つ与えられているので連立方程式です。 は初項が消えて公差だけの式になるので、先に が出ます。

初項を 、公差を とすると

また より 。したがって

【検算】 なので ✓。 なので ✓。

【定石】2項の差は初項が消えて公差だけになるので、まずここから を出す。

(2)(ii)  は部分分数分解で telescoping

【問題(再掲)】

のとき を求めよ。

【型】部分分数分解+途中が消える和(telescoping sum)型

【なぜこうするか】分母が の形なので、 と分けると、 つずらして引き算するので前2項と後ろ2項だけが残ります。差が なので「消え残りが2個ずつ」になる点に注意。

したがって

共通部分 が消えて

【検算】 を直接足すと で一致します。

【定石】ずれ幅 だけ、前後に 項ずつ残る

(2)(iii)  で割った余りは の繰り返し

【問題(再掲)】

で割った余りとするとき、 を求めよ()。

【型】周期数列は「1周期分をまとめて 」型

【なぜこうするか】 で割った余りだけで決まるので周期 の数列。しかも値は しかないので、この和は の倍数でない についての の和」にすぎません。上端が とちょうど周期の整数倍なので、 個ずつのかたまりに区切って で足すのが最短です。

を求める。 なら で余りは なら で余りは なら で余りは 。よって

の倍数でないとき の倍数のとき

和を計算する。 個ずつまとめると、各かたまりから だけが残る。 より

したがって

【検算】 のとき、 なので和は 。公式は ✓。 のとき が加わり なので和は 。公式は ✓。

【定石】 しかとらない数列が掛かっている和は「残る項だけの和」に読み替える。周期 なら 個ずつまとめて の式にする。

〔3〕 3次関数の決定と面積が等しい条件(記述式)

分野:微分積分(3次関数・面積) 難易度:やや難 形式:記述式 目標時間:25分

【問題】

を実数とし、 とする。関数 は、 を満たしているとする。また、 を正の実数とし、2つの曲線 は異なる3個の共有点をもつとする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 関数 を求めよ。

(2)  の取りうる値の範囲を求めよ。

(3)

 (i) 2つの曲線 で囲まれた2つの部分の面積が等しいとき、 の値を求めよ。

 (ii) (i) の条件が満たされるとき、2つの曲線 の3個の共有点の 座標をすべて求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(3)(i)  (ii) 

(1) 3条件を の連立1次方程式に落とす

【問題(再掲)】

をみたすとき、 を求めよ。

【型】未知係数は「条件の個数だけ方程式を作る」型

【なぜこうするか】未知数が の3つ、条件も3つ。すべて の1次式になるので、機械的に連立するだけです。積分条件も、先に積分してしまえば1次式になります。

より

より

また

これが だから

①より 。③に代入して

これと② の差をとると 、すなわち 。よって

【定石】係数決定は条件の個数=未知数の個数を確認してから連立。積分条件は先に積分して1次式に直す。

(2) 共有点の個数は「差の関数の実数解の個数」

【問題(再掲)】

)が異なる3個の共有点をもつような の範囲を求めよ。

【型】共有点は「引き算した方程式の実数解」型。因数分解できるなら即分解

【なぜこうするか】共有点の 座標は の解。引き算した3次式が でくくれるので、残りの2次方程式が「 と異なる相異なる2実解」をもてばよい、と条件が簡単になります。3次関数の増減を調べる必要はありません。

共有点の 座標は次の方程式の実数解である。

はつねに解。よって異なる3個の共有点をもつ 以外の異なる2つの実数解をもつ

なので、 の解は自動的に と異なる。したがって条件は判別式が正であること。

 すなわち  または

と合わせて

【定石】3次と2次の共有点は差をとって因数分解。共通因子 が出たら「残りの2次方程式が重解や にならない条件」に翻訳する。

(3)(i) 「2つの面積が等しい」=「差の積分が全体で

【問題(再掲)】

で囲まれた2つの部分の面積が等しいとき、 の値を求めよ。

【型】面積が等しい 差の関数の定積分が (符号つき面積の相殺)型

【なぜこうするか】2つの部分では上下が入れ替わるので、差 の符号も入れ替わります。面積が等しいことは、符号つきで足したら になることと同値。だから絶対値を外して2つに分けず、端から端まで1回で積分して とおけます。これが計算量を劇的に減らします。

の2解を とすると、解と係数の関係より

よって 。共有点の 座標は である。

2つの部分の面積が等しいことは、 について

と同値である。計算すると

なので で割り、さらに12倍して

ここで の解だから 、すなわち 。これを代入すると

より 。したがって から

【検算】 なので (2) の条件をみたします。

【よくあるミス】 の値を求めるために4次方程式を解こうとして詰まる答案。 をみたすことを使って次数を下げるのが定石です。

【定石】「2つの部分の面積が等しい」は「左端から右端まで(上の式-下の式)を1回で積分して 。絶対値で場合分けせず、符号つきで1回積分する。

(3)(ii) 解と係数の関係でもう一方の解を出す

【問題(再掲)】

(i) の条件が満たされるとき、 の3個の共有点の 座標をすべて求めよ。

【型】積 が既知なら、片方から他方が出る型

【なぜこうするか】2次方程式を解き直す必要はありません。解と係数の関係 から と一発で出ます。忘れがちですが も共有点です。

(3)(i) より 。解と係数の関係 から

共有点の 座標は だったから

【検算】 となり、(3)(i) で求めた と一致します。

【定石】2次方程式の2解のうち一方が分かったら、解の積(または和)でもう一方を出す。解の公式に戻らない。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 〔1〕(1):区間つき2次関数(頂点が区間内か)/余事象で範囲を出す/評価で場合分けを絞る
  • 〔1〕(2):一の位は 、「一の位が 」=「 かつ の倍数」/条件付き確率は場合の数の比
  • 〔2〕(1):弦の長さ /定点を通る直線と領域の共有条件
  • 〔2〕(2):/部分分数分解で消える和/周期数列は1周期分をまとめる
  • 〔3〕:係数決定の連立/共有点は差の因数分解/面積が等しい 差の積分が /解と係数の関係

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2023年度入学試験問題(全学部日程 A・理系)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2023年度 関西学院大学 全学部日程A(理系)数学の傾向
  • 大問4題。〔1〕〔2〕〔3〕は答えのみの空所補充(各10か所)、〔4〕が記述式です。空所が30個あるので、1問あたりの処理速度がそのまま得点になります。
  • 分野は整式の因数分解・対数・整数と確率・円と三角形・ 型の微積分・複素数平面の漸化式。理系標準〜やや難のセットです。
  • 山場は〔3〕の (部分積分を2回する代わりに「 を微分して係数比較」という誘導が付いている)と、〔4〕の複素数平面。誘導に乗れば計算量は激減します。全4問13小問を解説します。

〔1〕 4次式の因数分解・対数方程式と不等式・2023の約数と確率

分野:式と証明/対数/整数・確率 難易度:標準 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

(1) 整式 と表せるような定数 の値は であり、 を実数の範囲で因数分解すると となる。

(2) 方程式 の解は であり、不等式 を満たす の値の範囲は である。また、関数 における最小値は である。

(3)  から までの数が1つずつ書かれた 個の玉が入った袋から1個の玉を取り出す。取り出した玉に書かれた数が で割り切れる確率は のいずれでも割り切れる確率は または のいずれか一方で割り切れてもう片方では割り切れない確率は であり、 と互いに素である確率は である。

【解答】

 / イ  / ウ

 / オ  / カ

 / ク  / ケ  / コ

(1)  の形を作って和と差の積に

【問題(再掲)】

と表し、実数の範囲で因数分解せよ。

【型】複2次式に近い4次式は「平方の差 」を作る型

【なぜこうするか】4次式は普通の因数定理( となる を探す)では歯が立たないことが多い。そこで を含む平方から、余りを平方で引く形を作ります。 にすれば一撃で2つの2次式の積になります。この問題は形を与えてくれているので、あとは係数比較だけです。

右辺を展開すると

と係数を比較して

第1式より 、第2式より 。第3式は で確かに成立する。よって

なお の判別式は の判別式は なので、これ以上は実数の範囲で分解できない。

【定石】4次式は「平方の差を作る」 型なら 。1次の項があっても、この問題のように を引く形にできることがある。

(2) 対数は「底をそろえる」「真数条件を先に書く」

【問題(再掲)】

方程式 を解け。不等式 を解け。関数 における最小値を求めよ。

【型】(a) 底の変換 → 真数比較 (b) 底が 未満なら不等号が反転 (c) 置き換えて2次関数

【なぜこうするか】対数の問題は「真数条件」「底をそろえる」「底と の大小」の3点セットで機械的に処理できます。とくに(b)は底が なので不等号の向きが逆になるのが最大の注意点です。

方程式(エ)。真数条件より かつ 、すなわち 。底を にそろえると だから、与式を2倍して

より

不等式(オ)。真数条件より 、すなわち 。右辺を対数の形にすると だから)。底 より小さいので不等号の向きが逆になり

と合わせて

最小値(カ)。 とおく。 だから

に対応する。頂点 はこの範囲に含まれるので、最小値は

【よくあるミス】底が より小さい対数で不等号をそのままにしてしまう誤り。底が より大きく より小さいときは必ず反転。答えの範囲を1つ代入して検算する習慣をつけるとよいです。

【定石】対数は①真数条件を先に書く ②底をそろえる ③底と の大小で不等号の向きを決める の2次式は置き換えて2次関数。

(3)  の素因数分解がすべて

【問題(再掲)】

から までの数から1個選ぶとき、 で割り切れる確率、 のいずれでも割り切れる確率、 または のいずれか一方だけで割り切れる確率、 と互いに素である確率をそれぞれ求めよ。

【型】倍数の個数は /「互いに素」は余事象+包除原理

【なぜこうするか】 という数がそのまま個数の上限になっているので、まず素因数分解すればすべての倍数が割り切れて数えやすくなります。 と分かれば、 の倍数はちょうど 個、 の倍数はちょうど 個、と端数なしで数えられます。

素因数分解。

キ。 の倍数は 個。

ク。 は互いに素なので「どちらでも割り切れる」=「 の倍数」。個数は 個。

ケ。 の倍数は 個。「いずれか一方だけ」は

コ。 と互いに素とは、 でも でも割り切れないということ。包除原理より、割り切れる数は 個。したがって

【検算】「一方だけ 」+「両方 」=「少なくとも一方 」。互いに素な確率 と足すと となり、つじつまが合います。

【定石】 以下で と互いに素な数の個数」はオイラー関数 。この問題なら と一発で出る。

〔2〕  軸と直線に接する円・三角形の内接円と外接円

分野:図形と方程式・三角比 難易度:やや難 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

平面において、直線 とし、円 は定数、)を とする。このとき、円 の中心から 軸までの距離を を用いて表すと であり、円 の中心から直線 までの距離を を用いて表すと である。したがって、円 軸と直線 のどちらにも接しているとき、 の値は であり、円 の半径は である。

次に、 とし、 軸上の点 、原点 、直線 上の点 の3点を頂点とする の内接円が円 であるとする。このとき、直線 の方程式は であり、直線 と円 の接点の座標は であり、点 の座標は である。また、 の面積は であり、 の外接円の半径は である。

【解答】

 / イ  / ウ  / エ  / オ

 / キ  / ク  / ケ  / コ

前半(ア〜オ) 2つの「接する」を距離=半径で書く

【問題(再掲)】

)が 軸と直線 の両方に接するとき、中心から 軸・ までの距離を で表し、 と半径を求めよ。

【型】接する=「中心と直線の距離=半径」型

【なぜこうするか】接するという条件は、判別式ではなく距離=半径で書くのが圧倒的に速い。ここでは接する直線が2本あるので、2つの距離が等しいことから が決まり、その共通の値が半径になります。半径の式に が入っているので は最後に出ます。

平方完成すると

中心は より 軸()までの距離は

までの距離は

両方に接するので、どちらの距離も半径に等しい。したがって

このとき半径は 。半径の式と比べて

【定石】 軸に接する」=中心の 座標の絶対値が半径。座標軸への接触は距離公式を使わずに書ける。

後半(カ〜コ) 内接円の半径を使って直線ABを決める

【問題(再掲)】

、原点 上の点 を頂点とする の内接円が (中心 、半径 )であるとき、直線 、その接点、、面積、外接円の半径を求めよ。

【型】内接円 → 「3辺すべてに距離=」/面積は /外接円は正弦定理

【なぜこうするか】 の3辺のうち、辺 軸、辺 で、どちらも前半で接することを確認済み。残るのは辺 だけなので、「 を通り、中心との距離が の直線」として一発で決まります。

直線 (カ)。 軸と異なるので 、すなわち とおける。中心 との距離が だから

接点(キ)。。中心 から下ろした垂線の足を求める。中心を代入すると 、また なので、足は

(ク)。 の交点。 の両辺を 倍して

面積(ケ)。底辺を 軸上の 、高さを 座標の絶対値 とみて

【検算】 なので周は 、半周 。内接円の半径 と合わせて となり一致します。

外接円の半径(コ)。 軸の正の向きと のなす角。 より

正弦定理より、 の対辺 を使って

【定石】三角形の面積は=内接円の半径、=半周)、外接円は。内接円が絡んだら を必ず検算に使う。

〔3〕  の積分と回転体の体積

分野:微分積分(指数×三角関数) 難易度:やや難 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

関数 を考える。

(1)  である。また、 が成り立つような定数 の値は である。

(2)  とおく。このとき、 であり、 の式で表すと である。また、 で割った値である。

(3)  は積分定数)が成り立つような定数 の値は である。

(4)  軸と曲線 で囲まれる部分を 軸の周りに1回転させてできる立体の体積は である。

【解答】

 / イ  / ウ

 / オ  / カ

 / ク  / ケ  / コ

(1) 「原始関数を の形で探す」という発想

【問題(再掲)】

について、 を求めよ。また となる定数 を求めよ。

【型】 の積分は「 を微分して係数比較」型(未定係数法)

【なぜこうするか】 は部分積分を2回して「同じ式が出てくる」やり方でも解けますが、計算が重く符号ミスが起きます。 を微分しても の組合せから出ない——この閉じた性質を使えば、 が原始関数だと当たりをつけて係数比較で決めるほうが速く確実です。この小問はその手順を誘導しています。

積の微分法より

したがって

これが に等しいので

第2式より 。第1式に代入して 、すなわち

(この結果から、 が得られます。)

【定石】 型の積分は未定係数法:原始関数を とおいて微分し係数比較。部分積分2回より速い。

(2)  は区間ごとに符号が一定、 は等比数列

【問題(再掲)】

について、 を求めよ。

【型】 の周期区間ごとの積分は、平行移動して等比数列になる型

【なぜこうするか】区間 では の符号は一定なので絶対値は外せます。さらに 平行移動すると、 から が定数として外に出て、残る積分は によらない同じ形になります。つまり 公比 の等比数列。無限和は等比級数の公式で終わりです。

では なので絶対値が外れ、(1) の原始関数を使って

と置換すると だから

無限和。初項 、公比 )の等比級数だから収束し

【定石】周期関数×指数関数の「山ごとの面積」は平行移動で等比数列になる。無限和は等比級数。

(3)  は半角公式で に直す

【問題(再掲)】

となる定数 を求めよ。

【型】次数下げ(半角公式)+未定係数法(微分して係数比較)

【なぜこうするか】 のままでは扱えないので、半角公式 に直します。すると の2つになり、これはまさに問題文が用意した の組合せ。あとは(1)と同じく右辺を微分して係数比較するだけです。

右辺の各項を微分すると

よって

一方、左辺の被積分関数は

係数を比較して

第1式より 。第2式より 。第3式に代入して 、すなわち

【定石】三角関数の2乗は半角公式で次数を下げるのが第一手。積分の形が与えられていたら微分して係数比較(逆算のほうが必ず楽)。

(4) 回転体の体積は 、(3) がそのまま使える

【問題(再掲)】

軸と曲線 で囲まれる部分を 軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

【型】 軸まわりの回転体は

【なぜこうするか】回転体の体積は断面(半径 の円)の面積を積むので 。ここで必要な は (3) で求め済み。誘導は必ず次で使うということです。

だから、 での値は での値は 。よって

【定石】 軸まわりの回転体は 直前の小問で作った原始関数は、次の小問で必ず使うと思ってよい。

〔4〕 複素数平面上の漸化式(記述式)

分野:複素数平面・数列 難易度:やや難 形式:記述式 目標時間:25分

【問題】

複素数平面上に点 がある。 である。また

が成り立っている。複素数 を満たすとする。次の問いに答えよ。

(1)  および の値を求めよ。また、 の値を求めよ。

(2)  の値を求めよ。

(3)  とおくとき、数列 が満たす漸化式を導き、 の一般項を求めよ。

(4) 複素数 の偏角 とするとき、 を求めよ。また、3点 を頂点とする三角形の面積を とする。数列 の一般項を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(3) 

(4) 

(1)  は「不動点」、 は極形式

【問題(再掲)】

のとき、 を求めよ。

【型】 の不動点/複素数のべき乗は極形式(ド・モアブル)

【なぜこうするか】 は漸化式の不動点で、これを引くと という純粋な等比型になります。以降の小問はすべてこの形を使うので、 は最重要。 のような高いべきは、必ず極形式にしてド・モアブルです。

、したがって

より 、すなわち

だからド・モアブルの定理より

【定石】不動点 を引いて等比型に。複素数の20乗などは必ず極形式。

(2) 隣接2項の差もまた等比数列

【問題(再掲)】

の値を求めよ。

【型】漸化式の「差をとる」と公比が保存される型+等比級数

【なぜこうするか】漸化式を で書いて辺々引くと定数項 が消え、 となります。絶対値をとれば公比 の等比数列。 なので級数は収束します。

において

絶対値をとると だから

すなわち は公比 の等比数列。初項は だから

【定石】 では階差 も公比 の等比数列。定数項が消えるので不動点を求めなくても差だけは扱える。

(3) 不動点を引いた形の絶対値をとる

【問題(再掲)】

の満たす漸化式を導き、一般項を求めよ。

【型】 の絶対値をとる型

【なぜこうするか】(1) で を不動点として求めた意味がここで効きます。漸化式から不動点の式を引くと定数項が消えて純粋な等比型になり、絶対値は積を分けられる()ので、そのまま実数の等比数列になります。

与えられた2式を辺々引くと

絶対値をとって

初項は だから

を使って指数を1つずらしました。)

【定石】複素数の漸化式は不動点を引く。絶対値をとれば実数の等比数列、偏角をとれば等差数列になる。

(4)  を中心とする回転と縮小

【問題(再掲)】

を求めよ。また3点 を頂点とする三角形の面積 の一般項を求めよ。

【型】 は「 を中心に を回転・拡大して にする複素数」型

【なぜこうするか】この比は (3) で見たとおり という定数。つまり を中心に 回転し 倍に縮めた点です。すると三角形は2辺の長さ()と挟む角(がすべて分かるので、面積公式 に代入するだけになります。

(3) より

よって

三角形 の頂点 における2辺の長さは で、挟む角は 。したがって

【検算】 のとき、3点は 。すなわち を頂点とする三角形で、面積は 。公式の と一致します。

【定石】 を中心に に写す回転拡大の複素数」。絶対値が拡大率、偏角が回転角。面積は

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 〔1〕:4次式は平方の差 /対数は真数条件・底そろえ・底と の大小/ と包除原理
  • 〔2〕:接する=距離=半径/ 軸への接触は中心の 座標//正弦定理
  • 〔3〕: は未定係数法/周期区間ごとの積分は等比数列/半角公式で次数下げ/
  • 〔4〕: は不動点を引く/階差も等比/ は回転拡大/面積

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2023年度入学試験問題(学部個別日程 B・文系)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2023年度 関西学院大学 学部個別日程B(文系)数学の傾向
  • 大問3題。〔1〕〔2〕が空所補充(各7か所)、〔3〕が記述式という、全学部日程Aと同じ構成です。
  • 分野は2次関数と解の配置・じゃんけんの確率・三角方程式の解の個数・空間ベクトル・放物線と共通接線の面積
  • 山場は〔2〕(1)(iii) の「解の個数がちょうど3個」。置き換えた の1つの値に対して が何個対応するかを先に整理しないと絶対に合いません。ここが本冊子最大の分岐点です。全3問13小問を解説します。

〔1〕 2次関数の解の配置・じゃんけんの確率

分野:2次関数/確率 難易度:標準 形式:空所補充(ア〜キ) 目標時間:20分

【問題】

(1)  を実数とし、座標平面上の放物線 を考える。この放物線は異なる2点 軸と交わっているとする。

 (i)  の取りうる値の範囲は である。

 (ii) 2点 のうち、一方の 座標が負であり、もう一方が原点に一致するとき、 である。また、2点 座標がともに 以上であるとき、 の取りうる値の範囲は である。

(2)  または とし、 人で1回じゃんけんをする。ただし、じゃんけんには、グー、チョキ、パーの3種類の手の出し方がある。参加者は同時にいずれか1つの手を出し、勝敗を決める。グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つものとする。どの参加者もグー、チョキ、パーを出す確率はそれぞれ とする。また、参加者全員が1種類の同じ手を出す、または参加者の出した手がグー、チョキ、パーの3種類あり、勝者が決まらないことを「あいこ」と呼ぶ。

 (i)  のとき、あいこになる確率は である。

 (ii)  とする。2人だけが勝つ確率は である。また、あいこになる確率は である。あいこになったとき、全員が同じ手を出している条件付き確率は である。

【解答】

 / イ  / ウ

 / オ  / カ  / キ

(1)(i) 異なる2点で交わる=判別式が正

【問題(再掲)】

放物線 軸と異なる2点で交わるような の範囲を求めよ。

【型】 軸との共有点の個数は判別式の符号で決まる型

【なぜこうするか】 軸と異なる2点で交わる」は「2次方程式が異なる2実解をもつ」と同じ。判別式 の1本で終わりです。

とおく。 の判別式を とすると

より の解は だから

【定石】共有点の個数は判別式。「異なる2点」なら 、「接する」なら 、「共有点なし」なら

(1)(ii) 「原点を通る」+「解の配置」

【問題(再掲)】

一方の 座標が負でもう一方が原点に一致するときの を求めよ。また、2つの 座標がともに 以上となる の範囲を求めよ。

【型】解の配置は「判別式・軸の位置・端点の符号」の3点セット

【なぜこうするか】前半は から の候補を出し、もう一方の解が負かを確かめるだけ。後半の「2解がともに 以上」は、グラフを思い浮かべれば(2解ある)②軸が より右③ の3条件に必ず分解できます。この3点セットが解の配置の全てです。

前半(イ)。原点が交点だから 、すなわち より

より解は 。もう一方が正なので不適。

より解は 。もう一方が負なので適する。

よって

後半(ウ)。軸は 。2解がともに 以上である条件は

それぞれ計算すると、、第2式は 、第3式は

より または 。3つを合わせると

【検算】 のとき 。解は でともに 以上 ✓(等号が入ることが確認できます)。

【よくあるミス】「軸が より右」を落として だけで答える誤り。それだと「2解が をまたぐ」場合まで入ってしまいます。解の配置は必ず3条件

【定石】「2解がともに 以上」= かつ 軸 かつ の係数)。グラフを描いて3条件を書き出す。

(2)(i)  のあいこは「全員同じ」+「3種類そろう」

【問題(再掲)】

3人で1回じゃんけんをするとき、あいこになる確率を求めよ。

【型】あいこ=「1種類だけ」または「3種類そろう」に分解する型

【なぜこうするか】じゃんけんで勝負がつくのはちょうど2種類の手が出たときだけ。だから「あいこ」は「1種類」と「3種類」の和で数えられます。この分解を最初に書いてしまえば、あとは数えるだけです。

3人の手の出し方は 通りで、どれも同様に確からしい。

全員同じ手: 通り / 3種類がそろう: 通り

【定石】じゃんけんは「出た手の種類数」で分類する。2種類なら必ず勝負がつき、1種類・3種類ならあいこ。

(2)(ii) :勝者の人数と手を選ぶ

【問題(再掲)】

4人で1回じゃんけんをするとき、2人だけが勝つ確率、あいこになる確率、あいこのとき全員が同じ手である条件付き確率を求めよ。

【型】「誰が勝つか」×「勝つ手は何か」に分けて数える型

【なぜこうするか】勝負がつく場合は勝者の集合と勝ち手を決めれば全員の手が確定します(負ける側の手は自動的に決まる)。だから「勝者の選び方 × 勝ち手の選び方」で数えれば漏れません。あいこは (i) と同じ分解です。

4人の手の出し方は 通り。

2人だけが勝つ(オ)。勝者2人の選び方は 通り、勝ち手は 通り(残り2人の手は自動的に決まる)。

あいこ(カ)。全員同じ手が 通り。3種類がそろう場合は、4人のうち「2人が同じ手、残り2人が別々の手」となるので、2人組が出す手の種類を選んで 通り、人の分け方は 通り。

条件付き確率(キ)。あいこ 通りのうち全員同じ手は 通りだから

【検算】勝負がつく場合は「1人だけ勝つ」、「2人が勝つ」、「3人が勝つ」 で計 通り。あいこ と合わせて となり、全体と一致します。

【定石】じゃんけんの決着は「勝者の組合せ 勝ち手3通り」で数える。あいこは全体から引いてもよい。

〔2〕 三角方程式の解の個数・平行六面体のベクトル

分野:三角関数/空間ベクトル 難易度:やや難 形式:空所補充(ア〜キ) 目標時間:20分

【問題】

(1)  を実数とする。 の方程式

を考える。

 (i)  とおく。 のとき、 の取りうる値の範囲は である。また、 の式で表すと である。

 (ii)  のとき、方程式 ① の実数解は である。

 (iii) 方程式 ① が異なる実数解をちょうど3個もつとき、 の取りうる値の範囲は である。

(2) 下の図のような平行六面体 を考える。 とおく。線分 の中点を 、直線 と平面 の交点を とする。

 (i)  を用いて表すと、 である。

 (ii) 直線 と平面 の交点を とすると、 である。

【解答】

 / イ  / ウ  / エ

 / カ  / キ

(1)(i) 合成で の範囲、2乗で を作る

【問題(再掲)】

の範囲を求め、 で表せ。

【型】 の置き換え(対称式)型

【なぜこうするか】2乗すると となり、 で書けます。これが「和(差)と積はセットで置き換える」という対称式の定石。 の範囲は三角関数の合成で出します。

範囲(ア)。合成すると

より 。この範囲で から までの値をとるので

式の変形(イ)。 より 。また 。よって

【定石】 とおいたら必ず2乗して を作る。範囲は合成 などで求める。

(1)(ii)  の方程式を解いてから に戻す

【問題(再掲)】

のとき、方程式 の実数解を求めよ。

【型】置き換えたら「置き換えた文字の範囲」で解を選別する型

【なぜこうするか】置き換えて出てきた の解のうち、(i) で求めた範囲 に入るものだけが意味をもちます。ここを飛ばすと余計な解が混ざります。

① は を代入すると

をみたすのは のみ。このとき

【定石】置き換えたら「新しい文字の変域」を必ず持ち歩く。解の選別はそこで行う。

(1)(iii)  1個に が何個対応するかを先に整理する

【問題(再掲)】

方程式 ① が異なる実数解をちょうど3個もつときの の範囲を求めよ。

【型】置き換えの「多価性」を数える型( の個数と の個数は一致しない)

【なぜこうするか】これがこの冊子の最重要ポイントです。1つの に対して が1個のときと2個のときがある。だから「 が3個」は「 が3個」ではありません。まず の値ごとの の個数を場合分けして表にするのが正しい順序です。

準備: に対する の個数。 とおくと を境に減少から増加に変わるので

のみ)… 1個 / 2個 / 1個

の2つが対応します。)

の方程式。① は 、すなわち

が3個になるのは、「2個を生む 」が1つと「1個を生む 」が1つあるときに限る。放物線 が軸なので、 のとき2解は

小さいほう に、大きいほう にあればよい。

また 、すなわち で、これは自動的にみたされる。 より 。以上より

【検算】 とすると より大きい)で は2個、 は1個、合計3個 ✓。一方 だと となり範囲外、 は1個しか出ません。

【よくあるミス】 の2次方程式が異なる2解をもてば も2個」と考えてしまう誤り。置き換えは1対1とは限らない。三角関数の置き換えでは必ず対応表を作ること。

【定石】置き換え型の「解の個数」問題は①置き換えた文字の値ごとに元の解の個数を表にする ②新しい方程式のグラフで、どの区間にいくつ解が要るかを決めるの2段構え。

(2)(i) 平面上の点は「係数の和が1」

【問題(再掲)】

平行六面体 の中点を 、直線 と平面 の交点を とするとき、 を求めよ。

【型】直線上=1文字の倍/平面 上=

【なぜこうするか】平面 は、 を始点にすると の終点3つを通る平面。この平面上の点は係数の和がちょうど になります(これが平面のベクトル方程式)。直線 上の点は と1文字で書けるので、係数の和が という条件から が即決まります。

ABCDEFGH

(オ)。 で、 の中点だから

(カ)。 は直線 上なので、実数 を用いて

と書ける。 は平面 の終点を通る平面)上にあるので、係数の和が

【定石】3点 を通る平面上の点は、 を始点として 。「直線上(1文字)+平面上(係数和1)」で交点は必ず1発。

(2)(ii) 平面 上は「 の係数が

【問題(再掲)】

直線 と平面 の交点を とするとき、 を求めよ。

【型】「その平面上にある」を係数の条件に翻訳する型

【なぜこうするか】平面 を通り が張る平面なので、その上の点は の成分がゼロ。直線 を1文字で書いて、 の係数 とおくだけで交点が出ます。

は直線 上なので、実数 を用いて

が平面 上にあるので の係数が

したがって

これは の係数の和が なので、 は線分 上にあり、 に内分する点である。すなわち だから

【定石】基本ベクトル で書いたら、「平面 上= の係数が 」「線分 上= の係数の和が のように、位置条件はすべて係数の条件になる。

〔3〕 平行移動した放物線への共通接線と面積比(記述式)

分野:微分積分(放物線・接線・面積) 難易度:標準 形式:記述式 目標時間:20分

【問題】

座標平面上の放物線 とする。 を正の実数とし、放物線 軸方向に 軸方向に だけ平行移動した放物線を とし、2つの曲線 の共有点を とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 点 の座標を求めよ。

(2)

 (i) 放物線 上の点 における接線 の方程式を求めよ。

 (ii) (i) の直線 が放物線 にも接しているとき、 の式で表せ。さらに、2つの曲線 および直線 で囲まれた部分の面積 の式で表せ。

(3)  は (2)(ii) で求めた直線であるとする。このとき、点 を通り直線 に平行な直線 と放物線 で囲まれた部分の面積を とする。 の値を求めよ。

【解答】

(1) 

(2)(i)  (ii) 

(3) 

(1) 平行移動した式を作って連立する

【問題(再掲)】

方向に 方向に 平行移動した放物線を とする。 の共有点 の座標を求めよ。

【型】平行移動は「」型

【なぜこうするか】平行移動の式は移動量を引くのが鉄則(符号を逆にしない)。連立すると が消えて1次方程式になるので、交点は1個です。

の方程式は 、すなわち

と連立すると

このとき だから

【定石】放物線どうし( の係数が同じ)の共有点は必ず1個 が消えて1次方程式になるため。

(2)(i)(ii) 共通接線は判別式ゼロ、面積は の積分

【問題(再掲)】

上の点 における接線 を求めよ。 にも接するときの と、 で囲まれた部分の面積 で表せ。

【型】接する=判別式 /接する2次式の差は ( − 接点)の2乗 になる型

【なぜこうするか】面積計算の山場は「上の関数-下の関数」を作るところですが、放物線と接線の差は必ず ( − 接点)の2乗 という完全平方になります。これを知っていれば展開も因数分解も不要で、 で一撃です。

接線(i)。 より 。点 での接線は

の決定(ii 前半)。 を連立すると

接する条件は判別式 だから

より 。このとき

面積(ii 後半)。 の接点は より の接点は より 。また の交点は

したがって、囲まれた部分は では の間、 では の間である。

【定石】放物線 と接線 の差は − 接点)の2乗。面積は で機械的に出る。

(3)  公式で一撃、比は が消える

【問題(再掲)】

を通り に平行な直線 と放物線 で囲まれた部分の面積を とするとき、 を求めよ。

【型】放物線と直線で囲む面積は (6分の1公式)

【なぜこうするか】放物線と直線で囲まれた面積は交点の差だけで決まるという6分の1公式があります。交点さえ出せば積分計算は不要。最後に比をとると が約分されて数値になります。

は傾き を通るから

の交点は

より 。6分の1公式( の係数は )から

したがって

【意味】 が消えて定数 になるのは、 を変えても図形全体が相似(縮尺が変わるだけ)だからです。面積比は縮尺によらないので、答えが を含まないのは自然な結果です。

【定石】6分の1公式 面積比を問われたら文字が消えることが多いので、消えなければ計算ミスを疑う。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 〔1〕:判別式で共有点の個数/解の配置は「判別式・軸・端点の符号」の3点セット/じゃんけんは手の種類数で分類
  • 〔2〕: の置き換えと2乗/置き換えの多価性 1個に が1個か2個か)/平面上は係数の和が 上は の係数が
  • 〔3〕:平行移動は移動量を引く/接する=判別式 /放物線と接線の差は完全平方/6分の1公式/相似なら面積比は定数

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2023年度入学試験問題(学部個別日程 B・理系)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子には大学公表の解答が付いていないため、すべての答えを「式変形による解答」と「数値計算(数値積分・具体値の代入)による独立検算」の2通りで確認しています。

2023年度 関西学院大学 学部個別日程B(理系)数学の傾向
  • 大問4題。〔1〕〔2〕〔3〕が空所補充(各10か所)、〔4〕が記述式で、全学部日程A(理系)と同じ構成です。
  • 分野は順列・空間ベクトル・複素数の極形式・数列(部分分数分解と有理化)・整数の倍数条件・三角関数の合成・分数関数の微積分。理系の主要分野をほぼ網羅しています。
  • 差がつくのは〔2〕(3) の「 で割り切れる個数」(剰余で周期を作る)と、〔3〕(3) の「解が2個」( の対応が1対1かどうか)。全4問14小問を解説します。

〔1〕 順列・空間の点と三角形・複素数の極形式

分野:場合の数/空間ベクトル/複素数平面 難易度:標準 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

(1) 数字 とアルファベット の7文字を使って順列を作る。数字が隣り合う順列は 通り、数字の間にちょうど4文字並ぶ順列は 通り、両端ともアルファベットである順列は 通り、少なくとも一方の端が数字である順列は 通りある。

(2) 座標空間に2点 をとる。 である。2点 から等距離にある 軸上の点 の座標は である。三角形 の面積は である。

(3) 複素数 を極形式 )で表すと、 である。複素数 が実数になるような自然数 のうち、最も小さいものは である。このとき、 である。

【解答】

 / イ  / ウ  / エ

 / カ  / キ

 / ケ  / コ

(1) 隣り合う=かたまり、離れる=位置を先に決める、端の条件=余事象

【問題(再掲)】

数字 とアルファベット の7文字の順列について、①数字が隣り合うもの ②数字の間にちょうど4文字並ぶもの ③両端ともアルファベットのもの ④少なくとも一方の端が数字であるもの、の個数をそれぞれ求めよ。

【型】隣り合う=1つに束ねる/位置指定=先に位置を決める/「少なくとも」=余事象

【なぜこうするか】順列の条件は3種類の道具で全部処理できます。「隣り合う」は束ねて1文字と見る「離れ方が決まっている」は先に位置の組を数える「少なくとも」は全体から引く。どの道具を使うかを最初に決めれば、あとは掛け算だけです。

ア(数字が隣り合う)。 を1つのかたまりとみると、かたまり+アルファベット5文字の 個の順列で 通り。かたまりの中で の並びが 通りだから

イ(数字の間にちょうど4文字)。数字の位置を とすると、間に4文字入るので でこれを満たすのは の2組。それぞれに数字の並べ方が 通り、残り5か所にアルファベット5文字を並べて 通り。

ウ(両端ともアルファベット)。左端と右端に入るアルファベットの選び方(順序つき)が 通り、残り5か所に残りの5文字(アルファベット3文字と数字2文字)を並べて 通り。

エ(少なくとも一方の端が数字)。全体 通りから、ウ の「両端ともアルファベット」を引く。

【定石】「少なくとも〜」はほぼ必ず余事象。「一方の端が数字」を直接数えると「両端とも数字」を二重に数えて事故る。

(2) 等距離条件は「距離の2乗の差=0」で1次方程式に

【問題(再掲)】

について から等距離にある 軸上の点 、三角形 の面積を求めよ。

【型】等距離は「2乗して引く」(根号が消える)/三角形の面積は

【なぜこうするか】距離が等しいという条件は根号のまま扱わず2乗して差をとると、2次の項が消えて1次方程式になります。空間の三角形の面積は2辺のベクトルの長さと内積だけで出る公式を使うのが最短です( を経由しない)。

オ。 だから

カ。 軸上の点を とおく。

より 、すなわち 。よって

キ。 より

【検算】 で確かに等距離です。

【定石】空間の三角形の面積は 成分から一直線で出るので角度を求めてはいけない。

(3) まず の形に直してから極形式

【問題(再掲)】

の偏角 が実数となる最小の自然数 、そのときの を求めよ。

【型】分母の実数化 → 極形式 → ド・モアブル

【なぜこうするか】分数のままでは偏角が見えないので、分母に共役複素数を掛けて の形にします。「 が実数」は偏角が の整数倍ということ。極形式にすればこの条件が の1次方程式になります。

ク。分母を実数化すると

よって 。点 は第2象限で だから

ケ。ド・モアブルの定理より 。これが実数になるのは虚部が 、すなわち のとき。つまり が整数であればよく、 は互いに素だから の倍数。最小の自然数は

コ。

【検算】直接計算すると 、よって ✓。

【定石】 が実数」=偏角が の整数倍、「純虚数」=。極形式にすれば整数条件に翻訳できる。

〔2〕 等差・等比数列と、 の倍数条件

分野:数列・整数 難易度:やや難 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

を初項 、公差 の等差数列とし、 を初項 、公比 の等比数列とする。

(1)  の一般項は であり、 とすると である。また

であり、

である。

(2)  の一般項は である。 とすると であり、 である。

(3)  とすると、 である。 の中で、 で割り切れるものは 個あり、 で割り切れるものは 個ある。

【解答】

 / イ  / ウ  / エ

 / カ  / キ

 / ケ  / コ

(1) 部分分数分解と「分母の有理化」の2種類の telescoping

【問題(再掲)】

、公差 の等差数列について、一般項・和 を求めよ。

【型】どちらも「差の形に直して途中を消す」型(部分分数分解/分母の有理化)

【なぜこうするか】2つの和は見た目が違いますが発想は同じです。 は部分分数分解で の定数倍に、 は分母を有理化して の定数倍になります。どちらも「隣どうしの差」を作れば途中が全部消えるのが本質。

一般項と和。

ウ。公差が なので 。したがって

よって途中がすべて消えて

エ。分母を有理化すると

したがって

【定石】等差数列(公差 )では 。どちらも「差を作って消す」。

(2) 等比数列の和と極限

【問題(再掲)】

、公比 の等比数列について、一般項・和 を求めよ。

【型】等比数列の和 なら無限等比級数は

【なぜこうするか】公式に当てはめるだけですが、 を確認してから極限をとることが大切です(そうでないと発散します)。

より だから

【定石】無限等比級数は「初項 ÷(1 − 公比)」(公比の絶対値が より小さいとき)。収束条件の明記を忘れない。

(3)  を因数分解してから、余りで周期を作る

【問題(再掲)】

を求め、 のうち で割り切れるもの、 で割り切れるものの個数を求めよ。

【型】 公式で閉じた式にする → 因数分解 → 剰余で周期を見つける

【なぜこうするか】「割り切れる個数」を数えるには、まず 因数分解された形にするのが決定的です。積の形になれば「どの因数が の倍数か」で場合分けでき、 の剰余に関する条件になります。剰余の条件は周期的なので、 から までの個数は割り算で数えられます。

ク。 の公式を使って

【検算】。直接計算では ✓。。直接では ✓。

ケ( で割り切れる個数)。 であり、 は互いに素なので

の倍数 の倍数

は素数だから、3つの因数のいずれかが の倍数であればよい。

 / (両辺に を掛けた) /  (すべて

したがって での個数は

個 /  個 / 

コ( で割り切れる個数)。 の倍数 の倍数。ここで つねに奇数なので、 の個数は だけで決まる。一方だけが偶数(差が奇数だから)なので、その偶数のほうが の倍数である必要がある。

が偶数のとき:、すなわち

が奇数のとき:、すなわち

での個数は、 個、 個。

【検算】 の倍数 ✓。 ✓。 の倍数でない ✓(条件どおり)。

【よくあるミス】 の分母の を忘れて「 の倍数 積が の倍数」としてしまう誤り。分母の の分だけ、積には を要求する必要があります。

【定石】倍数の個数は①因数分解 ② の条件に翻訳 ③周期で数える の冪を数えるときは、偶奇の分かれ方(連続とは限らない)に注目する。

〔3〕 三角関数の合成と、置き換えた変数の対応

分野:三角関数 難易度:やや難 形式:空所補充(ア〜コ) 目標時間:20分

【問題】

とし、 とする。

(1)  を満たす定数)の形に書き直すと、 である。 のとりうる値の範囲は である。

(2)  のとき最小値をとり、 のとき最大値 をとる。また、関数 となる場合に限って考えると、 のとき最小値をとる。

(3)  とする。 の式で表すと であり、 のとき最小値 をとる。 は実数の定数とするとき、 を満たす が2個存在するような の値の範囲は である。

【解答】

 / イ

 / エ  / オ  / カ

 / ク  / ケ  / コ

(1) 合成して、動く角の範囲で値域を出す

【問題(再掲)】

の形にし、 の値域を求めよ。

【型】三角関数の合成

【なぜこうするか】 が混ざっていると値域が見えません。合成して 1本にすると、あとは「中の角がどこからどこまで動くか」を見るだけになります。値域の求め方は「中の角の範囲 → の値域 → 倍」の3手順です。

より 。この範囲で 単調増加(右端 より小さい)だから

なので

【定石】合成したら「中の角の範囲」を必ず書く。そこが単調区間かどうかで、端点だけ見ればよいか、最大値 を通るかが決まる。

(2)  は「 が最大のとき最大」、 は相加相乗

【問題(再掲)】

の最小・最大を与える と最大値を求めよ。また で考えたときの最小を与える を求めよ。

【型】 の最大は の最大/ 型は相加相乗

【なぜこうするか】 が大きいほど大きい。 の値域は左端が 、右端が なので右端のほうが絶対値が大きい——この比較が (2) の急所です。 のほうは とおけば で相加相乗が使えます。

ウ・エ・オ。 の最小は のとき より

最大は が最大のとき。 なので右端のほうが大きい。すなわち のときで

カ。 とおくと 。相加平均・相乗平均の関係より

等号は 、すなわち )のとき。 だから

なので は範囲外。)よって

【検算】 の値域 に入っており、確かに実現可能です。

【定石】 の最大最小は の値域の両端の絶対値を比べる は相加相乗で最小値

(3)  の言い換え、解の個数は の符号で決まる

【問題(再掲)】

で表せ。 の最小値と、 を満たす が2個存在する の範囲を求めよ。

【型】2倍角は「置いた文字の2乗」に化ける/解の個数は の対応で数える

【なぜこうするか】 を2乗すると が出てきて、2倍角の式そのものになります。だから は必ず で書けます。最後の「解が2個」は、 が単調なので は1つに決まり、そこから の2つが両方とも値域に入るかという問題に帰着します。

キ。 を展開すると

右辺の がちょうど だから

ク・ケ。 なので 。したがって

について単調増加だから、最小は 、すなわち のとき。このとき

コ。 の増加関数なので、 の値を1つに決める。その値を とすると、 の個数は が値域に入る個数に等しい。ここで について狭義単調増加(中の角が が単調増加)なので、値域内の各値に対して はちょうど1個対応する。

の値域は で、 である。したがって

が2個 の両方が値域に入り、かつ

このとき 、すなわち の増加関数だから

【検算】 のとき で、)と より )の2個 ✓。 を超えると が値域から外れて1個だけになります。 のときは の1個だけです。

【よくあるミス】 の解を2個もつ範囲」を求めてしまう誤り。 は単調なので の解はつねに1個。数えるべきは から へ戻すときの個数です。

【定石】置き換えの解の個数は「新しい文字の解の個数」×「1つの値に戻る元の解の個数」。合成した が単調かどうかを最初に確認する。

〔4〕 分数関数の極値・面積・回転体の体積(記述式)

分野:微分積分(分数関数) 難易度:やや難 形式:記述式 目標時間:25分

【問題】

関数 で極値をとるとする。曲線 と直線 を考える。次の問いに答えよ。

(1) 定数 の値を定めよ。

(2) 関数 の極値をすべて求めよ。

(3) 曲線 と直線 のすべての交点の 座標を求めよ。

(4) 曲線 と直線 で囲まれた部分の面積 を求めよ。

(5) 曲線 と直線 で囲まれた部分を直線 の周りに1回転させてできる立体の体積 を求めよ。

【解答】

(1)  (2)  で極大値 で極小値

(3)  (4)  (5) 

(1) 極値をとる 導関数がそこで

【問題(再掲)】

で極値をとるとき、 を求めよ。

【型】商の微分法 →

【なぜこうするか】極値の必要条件は 。分数関数なので商の微分法で導関数を作り、 を代入するだけです。分母は 乗なので符号に影響せず、符号は分子だけで決まるのもポイント。

より 、すなわち

このとき分子は となり、 の前後で符号が変わるので、確かに極値をとる。

【定石】分数関数の増減は分子の符号だけで決まる(分母が2乗のとき)。 は必要条件なので、符号変化まで確認して極値であることを言う。

(2) 増減表をつくる( は定義域外)

【問題(再掲)】

の極値をすべて求めよ。

【型】分数関数の増減表(定義域から除かれる点に注意)

【なぜこうするか】 は分母が 定義域から外れるので、増減表を で区切る必要があります。ここを忘れると「 で極大なのに値が で極小より小さい」という一見おかしな結果に戸惑うことになります(漸近線をまたいでいるので矛盾ではありません)。

なので、 の符号は の符号に一致する。

(増加) / (減少) / (減少) / (増加)

よって で極大、 で極小。値は

したがって極大値 )、極小値

【よくあるミス】「極大値 より極小値 のほうが大きいのはおかしい」と考えて計算を疑うこと。漸近線 をはさんでいるので、大小が逆転していても正しいのが分数関数の特徴です。

【定石】分数関数では「極大値 極小値」が普通に起きる。増減表は定義域から外れる点で必ず区切る。

(3) 分母を払って2次方程式に

【問題(再掲)】

曲線 と直線 の交点の 座標を求めよ。

【型】分数式の方程式は「分母 を確認して払う」

【なぜこうするか】分母を払うと普通の2次方程式になります。払ったあとに が混ざっていないかだけ確認すればよい(今回は混ざりません)。

いずれも なので適する。

【定石】分数方程式は分母を払ってから、除外点をチェック

(4) 帯分数式(多項式+真分数)に直してから積分

【問題(再掲)】

曲線 と直線 で囲まれた部分の面積 を求めよ。

【型】分数関数の積分は「割り算して の形を作る」型

【なぜこうするか】分子の次数が分母以上のときは、そのままでは積分できません。割り算して「多項式+(定数)」の形にすれば、後半が になって一気に片づきます。これが分数関数の積分の第一手です。

では

(分子は負、分母は正)なので、直線のほうが上にある。したがって

ここで割り算により だから

よって

を用いた。)

【独立検算】数値積分(シンプソン法、区間 を12等分)で 。一方 で一致します。

【定石】(2次式)÷(1次式)は必ず割り算して「1次式+(定数)÷(1次式)」に が出るのはこの形から。

(5) 回転軸が なので、半径は

【問題(再掲)】

曲線 と直線 で囲まれた部分を の周りに1回転させてできる立体の体積 を求めよ。

【型】 のまわりの回転体は

【なぜこうするか】回転軸が 軸でなくても考え方は同じで、半径は「軸までの距離」すなわち 。あとは (4) で作った を2乗して積分するだけです。2乗を展開したとき が出ますが、これも割り算して に直せば、すべて積分できる形になります。

回転軸までの距離は だから

2乗を展開する。 を用いると

各項を から まで積分すると

合計して

【独立検算】数値積分で 。一方 で一致します(シンプソン法の誤差の範囲)。また の最大値は より なので、。得られた はこの範囲に収まっています。

【定石】 のまわりの回転は半径 の積分は ではなく (ここを間違えやすい)。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 〔1〕:隣り合う=束ねる/位置指定は先に位置/「少なくとも」は余事象/等距離は2乗して引く/空間の三角形の面積公式/極形式とド・モアブル
  • 〔2〕:部分分数分解と分母の有理化はどちらも「差を作って消す」/無限等比級数/因数分解 → → 周期で数える
  • 〔3〕:三角関数の合成と中の角の範囲/ は値域の端の絶対値比較/相加相乗/置き換えの解の個数は元に戻すときに数える
  • 〔4〕:分数関数は分子の符号で増減/漸近線で増減表を区切る/割り算して を作る/ まわりの回転は半径

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