藤原進之介です。このページでは関西大学2017年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2017年度の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
出題構成
| 大問 | 分野 | 要点 |
|---|---|---|
| 〔I〕 | 三角関数 | 合成した2式を連立方程式として扱う |
| 〔II〕 | ベクトル・図形 | 外心を内積の連立で決める |
| 〔III〕 | 微分・対数 | 増減表と、対数の単調性による大小比較 |
〔I〕合成した2式を「連立方程式」として使う
0 ≦ θ ≦ π に対し、s = √3 sinθ + cosθ、t = √3 cosθ − sinθ とします。
(1) s² + t² の値
s² = 3sin²θ + 2√3 sinθcosθ + cos²θ、t² = 3cos²θ − 2√3 sinθcosθ + sin²θ。
足すと sinθcosθ の項が打ち消し合い
s² + t² = 4(sin²θ + cos²θ) = 4
s と t は「同じベクトルを直交する2方向に分解した成分」の関係にあり、その長さの2乗の和が θ によらず一定になります。
(2) s, t のとりうる値の範囲
s = 2{(√3/2)sinθ + (1/2)cosθ} = 2sin(θ + π/6)、t = 2{(√3/2)cosθ − (1/2)sinθ} = 2cos(θ + π/6)。
0 ≦ θ ≦ π ⇔ π/6 ≦ θ + π/6 ≦ 7π/6 です。この区間で
sin は 最小 −1/2(右端 7π/6)、最大 1(π/2 を通る)→ −1/2 ≦ sin ≦ 1
cos は 最小 −1(π を通る)、最大 √3/2(左端 π/6)→ −1 ≦ cos ≦ √3/2
s² + t² = 4 から「s と t は独立に動けない」ことに注意。それぞれ単独の範囲を聞かれている点を読み違えないでください。
(3) s = −1/2 のときの t と cosθ
sin(θ + π/6) = s/2 = −1/4。
これが負であることと π/6 ≦ θ + π/6 ≦ 7π/6 から、θ + π/6 は π を超えた側(π < θ + π/6 ≦ 7π/6)にあります。そこでは cos(θ + π/6) < 0。
cos²(θ + π/6) = 1 − 1/16 = 15/16 なので cos(θ + π/6) = −√15/4、よって t = 2cos(θ + π/6) = −√15/2。
次に cosθ を求めます。s と t の定義式を連立します。
s + √3 t = (√3 sinθ + cosθ) + √3(√3 cosθ − sinθ) = 4cosθ(sinθ が消える)
4cosθ = −1/2 + √3·(−√15/2) = −1/2 − 3√5/2 = −(3√5 + 1)/2
s と t を「sinθ と cosθ についての連立1次方程式」と見るのがこの問題の核心です。s + √3t で sinθ が、√3s − t で cosθ が消えます。
〔II〕外心をベクトルの内積で決める
AB = 5、BC = 6、CA = 4 の三角形ABCの外接円の中心を P とします。
① AB・AC
余弦定理より cos∠CAB = (CA² + AB² − BC²)/(2·CA·AB) = (16 + 25 − 36)/(2·4·5) = 1/8。
AB・AC = |AB||AC|cos∠CAB = 5·4·(1/8) = 5/2
②③ AP・AB と AP・AC
P は外心なので PA = PB = PC。三角形PABは PA = PB の二等辺三角形なので、P から AB に下ろした垂線の足 H₁ は AB の中点です。
したがって AP・AB = |AB||AP|cos∠PAB = |AB|·(AH₁) = |AB|·(|AB|/2) = |AB|²/2 = 25/2。
同様に AP・AC = |AC|²/2 = 16/2 = 8。
「|AP|cos∠PAB は AP の AB 方向への正射影の長さ=AH₁」という見方が使えると、|AP| を求めずに内積が出せます。外心の問題での定番テクニックです。
④⑤ AP を AB, AC で表す
AP = sAB + tAC とおいて、上の2つの内積をとります。
AP・AB = s|AB|² + t(AB・AC) = 25s + (5/2)t = 25/2
AP・AC = s(AB・AC) + t|AC|² = (5/2)s + 16t = 8
第1式を2倍して 50s + 5t = 25、すなわち t = 5 − 10s。第2式を2倍した 5s + 32t = 16 に代入すると
5s + 32(5 − 10s) = 16 ⇔ −315s = −144 ⇔ s = 16/35、t = 5 − 32/7 = 3/7
⑥ OP を OA, OB, OC で表す
OP = OA + AP = OA + (16/35)(OB − OA) + (3/7)(OC − OA)
OA の係数は 1 − 16/35 − 15/35 = 4/35。
3つの係数の和 4/35 + 16/35 + 15/35 = 1 になっているかを検算に使えます。同一平面上の点を表す係数は必ず和が1です。
〔III〕増減表と、対数の単調性を使った大小比較
f(x) = x(x−1)(x−2)、g(x) = log₂₇ f(x)(0 < x < 1)とします。
①② g(2/5) を求める
f(2/5) = (2/5)(2/5 − 1)(2/5 − 2) = (2/5)(−3/5)(−8/5) = 48/125
底の変換で g(x) = log₃f(x)/log₃27 = (1/3)log₃f(x) なので
g(2/5) = (1/3)log₃(48/125) = (1/3)(log₃3 + 4log₃2 − 3log₃5) = 1/3 + (4/3)log₃2 − log₃5
③④ f(x) の極値を与える x
f(x) = x³ − 3x² + 2x を微分して f'(x) = 3x² − 6x + 2。
f'(x) = 0 ⇔ x = (6 ± √(36 − 24))/6 = (6 ± 2√3)/6 = (3 ± √3)/3
増減表より x = (3 − √3)/3 で極大、x = (3 + √3)/3 で極小です。
0 < √3 < 3 なので 0 < (3−√3)/3 < 1 < (3+√3)/3。したがって考えている区間 0 < x < 1 に入るのは極大のほうだけです。
⑤ g(x) の最大値 M
y = log₂₇x は x > 0 で単調増加なので、g が最大になるのは f が最大になるときです。
f((3−√3)/3) = {(3−√3)/3}·(−√3/3)·{(−3−√3)/3} = 2√3/9
M = (1/3)log₃(2√3/9) = (1/3)(log₃2 + 1/2 − 2) = (1/3)log₃2 − 1/2
⑥ 3数の大小比較
M > g(2/5) を整理します。
(1/3)log₃2 − 1/2 > 1/3 + (4/3)log₃2 − log₃5 ⇔ log₃(5/2) > 5/6 ⇔ 5/2 > 3^(5/6) …(i)
次に 5/2 と √6 を比べます。差を有理化すると
5/2 − √6 = (25/4 − 6)/(5/2 + √6) = (1/4)/(5/2 + √6) > 0 ⇔ 5/2 > √6 …(ii)
(i)(ii) より √6、3^(5/6)、5/2 のうち最も大きいのは
無理数どうしの比較は、2乗するか、差を有理化して符号を見るのが基本です。(ii) では 25/4 − 6 = 1/4 と、わずかな差であることまで分かります。
この年の学習ポイント
〔I〕と〔II〕はどちらも「2本の式を連立させて未知数を決める」構造でした。〔I〕は sinθ と cosθ、〔II〕は s と t が未知数です。式を1本ずつ眺めるのではなく、2本そろえてから消去する方向を探す習慣をつけてください。
〔III〕は増減表そのものより、対数が単調増加だから中身の最大と外側の最大が一致するという論理を書けるかが差になります。
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