藤原進之介です。このページでは関西大学2013年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2013年度の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔I〕接線が切り取る2つの面積の比
放物線 C : y = x² + 1 の点 (a, a² + 1)(a > 0)における接線を l とします。
(1) l と y 軸の交点の y 座標が負になる a の範囲
y’ = 2x なので、接線の方程式は
l : y = 2a(x − a) + a² + 1 = 2ax − a² + 1
y 軸との交点の y 座標は ya = −a² + 1。これが負になる条件は
−a² + 1 < 0 ⇔ a² > 1、a > 0 より
(2) 面積比が 2 : 1 になる a
l と x 軸の交点は 2ax − a² + 1 = 0 より x = (a² − 1)/(2a)。a > 1 なのでこれは正です。
S₁(放物線 C、接線 l、y 軸で囲まれた部分)は、0 から a までの放物線の下側の面積から、三角形の面積を引いて求めます。
S₁ = ∫₀ᵃ (x² + 1)dx − (1/2)·{a − (a²−1)/(2a)}·(a² + 1)
a − (a²−1)/(2a) = (2a² − a² + 1)/(2a) = (a² + 1)/(2a) なので
S₁ = (1/3)a³ + a − (a² + 1)²/(4a)
S₂(接線 l、x 軸、y 軸で囲まれた三角形)は、直角をはさむ2辺が (a²−1)/(2a) と |−a²+1| = a² − 1 なので
S₂ = (1/2)·{(a²−1)/(2a)}·(a² − 1) = (a² − 1)²/(4a)
S₁ : S₂ = 2 : 1 すなわち S₁ = 2S₂ を解きます。両辺を 12a 倍して
4a⁴ + 12a² − 3(a² + 1)² = 6(a² − 1)²
左辺 = 4a⁴ + 12a² − 3a⁴ − 6a² − 3 = a⁴ + 6a² − 3、右辺 = 6a⁴ − 12a² + 6 なので
5a⁴ − 18a² + 9 = 0 ⇔ (5a² − 3)(a² − 3) = 0
a > 1 より a² = 3/5 は不適。
a² を1つの文字と見れば複2次式は2次方程式です。因数分解 (5a²−3)(a²−3) は、定数項 9 = 3×3、a⁴ の係数 5 = 5×1 から組み合わせを試せば見つかります。
〔II〕階乗が出てくる漸化式
a₁ = 1/100、an+1 = n·an + n² − 2(n ≧ 1)で定まる数列を扱います。
(1) bn = an + pn + q が bn+1 = n·bn を満たす p, q
bn+1 = an+1 + p(n+1) + q、n·bn = n·an + pn² + qn なので、bn+1 = n·bn は
an+1 − n·an = pn² + (−p + q)n − (p + q)
左辺は漸化式より n² − 2 です。したがって
(p − 1)n² + (−p + q)n + (−p − q + 2) = 0
これがすべての自然数 n について成り立つには、各係数が 0 でなければなりません。
p − 1 = 0、−p + q = 0、−p − q + 2 = 0 を同時に満たすのは p = q = 1。3本目も −1 − 1 + 2 = 0 で確かに成立します。
2次式が恒等的に 0 になる条件は「すべての係数が 0」です。n に具体的な値を3つ代入して連立してもよいのですが、そのときは逆に十分性を確認する必要があります。
(2) an の一般項
bn = an + n + 1 で bn+1 = n·bn。n ≧ 2 のとき繰り返し使うと
bn = (n−1)bn−1 = (n−1)(n−2)bn−2 = … = (n−1)! · b₁
b₁ = a₁ + 1 + 1 = a₁ + 2 = 1/100 + 2 = 201/100 なので
an + n + 1 = (n−1)!·(201/100)
(3) an が整数となる最小の n
−n − 1 は必ず整数なので、(201/100)(n−1)! が整数になればよいことになります。
201 = 3 × 67 と 100 = 2²×5² は互いに素なので、(n−1)! が 100 の倍数であることが必要十分です。
1 から n−1 までの積が 5² を約数にもつには、5 の倍数が2つ必要です。つまり n − 1 ≧ 10、すなわち n ≧ 11。
n = 11 のとき 10! は 5·10 から 5² を、2·4 などから 2² を含むので 100 の倍数になります。
階乗が 100 の倍数になる条件は、素因数 5 のほうが厳しい(2 は 5 より頻繁に現れる)ため、5 の個数だけ数えれば十分です。この考え方は「n! の末尾に並ぶ 0 の個数」の問題と同じです。
〔III〕円と、点と直線の距離
円 C : x² + y² = 50 と点 P(4, 3) を考えます。Pを通り直線OPに垂直な直線とCの交点をA, Bとします。
①② 直線ABの方程式
直線OPの傾きは 3/4 なので、垂直な直線の傾きは −4/3(傾きの積が −1)。
AB : y = −(4/3)(x − 4) + 3 = −(4/3)x + 25/3
③④ A, B の座標
x² + {−(4/3)x + 25/3}² = 50 の両辺を9倍して
9x² + (25 − 4x)² = 450 ⇔ 25x² − 200x + 175 = 0 ⇔ x² − 8x + 7 = 0 ⇔ (x−1)(x−7) = 0
x = 1 のとき y = −4/3 + 25/3 = 7、x = 7 のとき y = −28/3 + 25/3 = −1。
⑤⑥ 三角形ABDの面積が50となる、C上の点Dのx座標
AB = √{(7−1)² + (−1−7)²} = √(36 + 64) = 10。面積が50なので、DとABの距離を h とすると
(1/2)·10·h = 50 ⇔ h = 10
Dを通りABに平行な直線を m とすると、m は 4x + 3y + p = 0 の形(AB は 4x + 3y − 25 = 0)。
m が円Cと交点をもつ条件は、中心Oとの距離が半径 5√2 以下であること。
|p|/√(4² + 3²) ≦ 5√2 ⇔ |p| ≦ 25√2 ≒ 35.4 …(※)
一方、m と点Pの距離が 10 なので
|4·4 + 3·3 + p|/5 = 10 ⇔ |p + 25| = 50 ⇔ p = 25 または p = −75
(※) より p = −75 は不適で p = 25。したがって m : y = −(4/3)x − 25/3。
これを x² + y² = 50 に代入すると 25x² + 200x + 175 = 0 ⇔ (x + 1)(x + 7) = 0。
p = −75 を捨てる根拠が (※) です。この吟味を省くと、円の外側にあってDが存在しない直線まで答えに含めてしまいます。存在条件を先に出しておくのが安全な手順です。
この年の学習ポイント
3題すべてで「候補を出したあと、条件に合うものだけを残す」という吟味が問われました。〔I〕では a > 1、〔II〕では n が自然数、〔III〕では m が円と交わること。答えを出して終わりにせず、問題文のどの条件をまだ使っていないかを最後に確認する習慣をつけてください。
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関西大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち3年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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