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関西大学 2025年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは関西大学2025年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
を正の定数とし、曲線 とおく。点 から へ引いた接線のうち、傾きが正のものを とおく。次の問いに答えよ。
(1) の方程式を求めよ。
(2) の接点を Q とおく。Q の座標を求めよ。
(3) および 軸で囲まれた図形の面積 を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

問題

解答

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📊 2025年度 関西大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全38問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2025年度の全38問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】放物線の外の点から引いた接線と、囲む面積標準約15分積分法(数II)
解説へ〔Ⅱ〕4次の相反方程式( を塊と見る置き換え)標準約15分式と証明
解説へ〔Ⅲ〕 と は逆数/相加相乗と値域やや難約20分指数・対数
解説へ〔Ⅰ〕原点を通る直線への距離と、三角関数の合成による最小値標準約20分三角関数
解説へ〔Ⅱ〕内分・外分と交点の位置ベクトル、そして整数問題へやや難約20分整数
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】部分分数分解と打ち消しの和やや難約20分数列・漸化式
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】 の凹凸と、面積の極限標準約20分極限
解説へ〔Ⅱ〕赤玉・白玉から2個/確率が 以上になる条件標準約15分確率
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】角に内接する円の無限列と面積の総和やや難約25分数列・漸化式
解説へ〔Ⅳ〕小問集合(複素数の3乗根/角の二等分線とベクトル/ の微分/奇関数条件やや難約25分複素数平面
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】円に内接する長方形とベクトル標準約20分ベクトルの図形への応用
解説へ〔Ⅱ〕 の置き換えと3次関数の最大最小やや難約20分微分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕3の倍数・5の倍数の集合/個数と和、そして差が2の組やや難約20分整数
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】絶対値つき三角関数の最大・最小やや難約20分微分法(数II)
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】 の桁数・最高位と、 で割った余り標準約15分合同式と余り
解説へ〔Ⅲ〕さいころ3回と対数の大小()やや難約20分確率
解説へ〔Ⅳ〕整数条件つきの線形計画法(3つの時間制約)やや難約20分整数
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】「共有点が0または1」を判別式で領域に翻訳するやや難約25分図形と方程式(座標)
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】積型・和型の漸化式と、区間の共通部分やや難約25分漸化式の全型
解説へ〔Ⅲ〕1以上100以下の自然数(倍数・合同式・互いに素・2進法)標準約15分合同式と余り
解説へ〔Ⅳ〕3次方程式の対称式(ニュートンの公式)やや難約20分式と証明
解説へ〔Ⅰ〕3次関数の極値と、 の置き換えによる解の個数やや難約25分微分法(数II)
解説へ〔Ⅱ〕2円の交わりと交線(引き算で1次式にする)やや難約20分図形と方程式(座標)
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】交互に投げるさいころゲーム(順序の管理)やや難約20分確率
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】 と の交わり・線分の長さ・面積やや難約30分積分法(数II)
解説へ〔Ⅱ〕数表の一般項と、部分分数分解による和やや難約25分整数
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】四面体の垂線の足とベクトルやや難約30分空間ベクトル
解説へ〔Ⅳ〕小問集合(定点を通る円・内接円・複素数の 乗・極限)やや難約30分複素数平面
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】2つの円で決まる領域と の最大最小やや難約20分図形と方程式(座標)
解説へ〔Ⅱ〕3次関数の接線と、囲まれた図形の面積標準約20分積分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕方べきの定理と接弦角(円の外部の点からの接線と割線)やや難約20分図形の性質
解説へ〔Ⅰ〕2次方程式の2解と、 型の数列標準約15分数列・漸化式
解説へ〔Ⅱ〕絶対値つき方程式の実数解の個数やや難約25分2次関数
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】正三角形の条件と、放物線・直線が囲む面積やや難約25分ベクトルの図形への応用
解説へ〔Ⅰ〕【記述式】 が実数となる条件と、その値域やや難約25分複素数平面
解説へ〔Ⅱ〕 の置き換えと、 軸との共有点の個数やや難約25分積分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】四面体の4点が同一平面上にある条件と体積やや難約30分積分法(体積・弧長)
解説へ〔Ⅳ〕小問集合(対数不等式・極限・既約分数の和・複素数列・条件付き確率)やや難約30分条件付き確率・独立・反復試行

💡 どこで差がつくか:この年度は全38問で、数強塾の見立てでは標準が10問・やや難が28問です。扱う型は19種類にわたり、同じ型が複数の大問で顔を出すため、そこを固めると得点が動きやすくなります。やや難以上が28問あるので、まず標準の問題を確実に取り切る練習から入るほうが結果につながります。目標時間の合計は約830分(過去問演習での目安)。 この冊子38問の目標時間の合計は約830分(数強塾の見立て)。

「型が出てこなかった問題」が2問以上あった人へ。それは演習量の不足ではなく、単元の型の抜けが原因であることがほとんどです。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導。実際にあなたが解いた過去問の答案を見ながら、どの型が抜けているかを特定し、関西大学の出題に合わせて埋めていきます。関西大学の過去問まとめ(全年度+傾向)で他の年度も確認できます。

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※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題(数D問)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕は面積を2通りの積分で計算、〔Ⅱ〕は数式処理による因数分解と解の代入、〔Ⅲ〕は40万組の乱数による到達範囲の実測で、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(数D問)の傾向
  • 60分・大問3題。〔Ⅰ〕が記述式、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕が誘導つきの空所補充という構成です。時間に対して分量は多くありませんが、誘導の意図を読む力が問われます。
  • 分野は放物線の接線と面積・4次の相反方程式・対数の置き換えと値域。数学IIまでの範囲でまとまっています。
  • 〔Ⅰ〕は典型問題。「曲線外の点から引いた接線」は接点を文字でおくのが唯一の入口です。「傾きが正のもの」という条件で2本のうち1本に絞られます。
  • 〔Ⅱ〕は相反方程式(係数が左右対称)の変形。そのままでは対称ではないのに、 を1つの塊と見ると と対称になる、という仕掛けです。誘導に乗るだけで解けますが、なぜ なのかを理解しておくと初見でも自力で発想できます。
  • 〔Ⅲ〕は が逆数という関係が全体を支配します。 の形になるので相加平均・相乗平均、そして の動ける範囲が変われば の範囲も変わる」という値域の問題に化けます。最後の⑦は 増加区間に入っていることに気づけるかが分かれ目。

〔Ⅰ〕【記述式】放物線の外の点から引いた接線と、囲む面積

分野:微分積分(数学II) 難易度:標準 目標時間:15分

【問題】

を正の定数とし、曲線 とおく。点 から へ引いた接線のうち、傾きが正のものを とおく。次の問いに答えよ。

(1) の方程式を求めよ。

(2) の接点を Q とおく。Q の座標を求めよ。

(3) および 軸で囲まれた図形の面積 を求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3)

〔Ⅰ〕(1) 接線 の方程式

【問題(再掲)】

から へ引いた接線のうち傾きが正のものを とする。 の方程式を求めよ。

【型】曲線外の点から引く接線は「接点を文字でおく」(点を通る条件を後から使う)

【なぜこうするか】
P は 上の点ではありません()。接線は「接点」で決まるので、まず接点を とおき、そこでの接線を書いてから「P を通る」という条件を の方程式にするという二段構えになります。
「P を通るように傾きを決める」と考えると失敗します。傾きから始めると接することの判定に判別式が必要になり、遠回りです。

解答。 より、接点 における接線は

これが を通るから

傾きはそれぞれ だから傾きが正なのは の方。よって

検算。 が P を通ること: ✓。また すなわち 重解 をもつので、たしかに接している ✓。

【定石】曲線外の点から引く接線は「接点を でおく → 接線を書く → 通る点を代入」の3手順。放物線 での接線は と、定数項が になるのを覚えておくと速い。

【よくあるミス】P が曲線上にあると思い込んで としてしまうこと。 座標は ではありません。また「傾きが正」の判定で、 という条件を使い忘れて2本とも答えてしまうミスも多い。

〔Ⅰ〕(2) 接点 Q の座標

【問題(再掲)】

の接点 Q の座標を求めよ。

【型】(1) で置いた がそのまま答え(置き方が答えに直結する設計)

【なぜこうするか】
(1) の解き方で接点の 座標を とおいたのだから、 がそのまま接点の 座標です。「置いた文字が問われている」タイプの誘導なので、(1) を正しい型で解いていれば追加の計算はゼロ。
もし「傾きから」解いていたら、ここで改めて接点を求め直す羽目になります。(1) の解法選択が (2) の手数を決めているわけです。

解答。(1) より接点の 座標は 座標は 。よって

検算。Q が 上: ✓。Q が 上: ✓。両方をみたすので接点として正しい ✓。

【定石】接点は「 の両方の式をみたすか」で必ず検算する。2つの式に代入して同じ値になれば安全です。放物線と直線が接するときは と完全平方になるので、そこから読み取ることもできます。

【よくあるミス】もう一方の接点 を答えてしまうこと。問われているのは(傾きが正)の接点です。

〔Ⅰ〕(3)  軸で囲む面積

【問題(再掲)】

軸で囲まれた図形の面積 を求めよ。

【型】3本の線で囲む面積は「頂点を全部出して図を描く → 引き算で組み立てる」

【なぜこうするか】
まず3つの頂点を確定させます。

  • 軸の交点 … 原点 は原点で 軸に接する)
  • 軸の交点 … より
  • の接点 …

図にすると、上side が放物線、右下 side が接線、下 side が という「つめ」のような領域になります。これは

(放物線と 軸が囲む の部分)(接線の下の三角形)

引き算で組むのが最短です。三角形は底辺 、高さ と即座に出ます。

解答。

接線 軸、直線 で囲む三角形の面積は

よって

検算(別ルートの積分で二重確認)。領域を で左右に切って直接積分すると

第2項の被積分関数は 完全平方になるので

一致 ✓。さらに として数式処理で計算すると ✓(左右の面積がちょうど半分ずつになるのも面白い性質です)。

【定石】「曲線と接線の差」は必ず完全平方 になる(接点で重解だから)。これを使うと積分が で一撃です。面積は「大きい図形 三角形」と「直接積分」の2通りで検算する習慣をつけましょう。

【よくあるミス】 としてしまうこと。区間 では接線が 軸より下にあるので、下の境界は接線ではなく 軸です。境界がどこで切り替わるかを図で確認してから積分を組むこと。

〔Ⅱ〕4次の相反方程式( を塊と見る置き換え)

分野:方程式・式と証明 難易度:標準 目標時間:15分

【問題】

4次方程式

を解く。次の[ ]をうめよ。ただし、[①]以外は数値でうめよ。

の解にならないので、

とおく。 を用いて表すと

となる。次に、

と変形できることにより、 についての2次方程式 にかきかえられる。これを解くと となる。これを に代入すると の解は となる。ただし、[⑤][⑥]とする。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥:

〔Ⅱ〕①  で表す

【問題(再掲)】

のとき、 で表せ。

【型】 なら (2乗して積の項を引く)

【なぜこうするか】
と書くと 。両辺を2乗すると

真ん中の項が によらず必ず になるのがこの型の核心です( の積が1だから)。だから を引けば戻ります。「和が分かれば2乗の和も分かる」=対称式の基本です。

解答。

検算。 とすると 。左辺 、右辺 ✓。数式処理でも を確認 ✓。

【定石】 のとき 。3乗の方も頻出なので合わせて覚えます()。

【よくあるミス】 としてしまうこと。2乗したときに余分に出る を「引く」のが正しい向きです。 など具体値を1つ入れれば即座に判別できます。

〔Ⅱ〕②③  を塊と見て相反形に直す

【問題(再掲)】

となる②③を求めよ。

【型】 と平行移動して係数が左右対称(相反形)になるかを見る

【なぜこうするか】
相反方程式(係数が のように左右対称)は で割って の式に直すと次数が半分になります。ところが の係数は 左右対称ではありません
そこで「平行移動すれば対称になるのでは?」と考えるのが本問の発想です。定数項が の係数が なので、対称の中心は 付近……という当たりの付け方もありますが、問題文が と教えてくれているので素直に代入します。
実際に を代入すると

係数 が見事に左右対称になります。

解答。)を代入して展開します。

これらと を足すと、各次数の係数は

定数項は

よって となり

検算。数式処理で を展開すると ✓。また定数項が になることは を元の式に代入した値)と一致し、これが問題文の「 は解にならない」という前置きの意味です(もし なら で割れなくなる)✓。

【定石】係数が対称でない相反形もどきは「平行移動 で対称になるか」を試す。判断材料は定数項が平方数か の係数と の係数の比。そして平行移動しても解の個数や重解の構造は変わらないので安全に使えます。

【よくあるミス】展開の途中で符号を落とすこと。特に の展開で を全項に配るのを忘れがちです。検算は を入れて定数項」「 を入れて係数の和」の2点でチェックすると速い( なら 、元の式に を入れると ✓)。

〔Ⅱ〕④  の2次方程式に直す

【問題(再掲)】

にかきかえられるとき、④を求めよ。

【型】相反形は で割って の式にする(次数が半分になる)

【なぜこうするか】
)だから、両辺を で割ってよい。すると

ここで両端どうし、内側どうしを組むのがコツです。

①で作った を使えば、4次が2次に落ちます。これが相反方程式の置き換えの威力です。

解答。 を代入して

よって[④]

検算。 に入れると ✓。重解になっていることも意味があり、これは元の4次式が 2乗の形であることに対応します(数式処理で確認:)✓。

【定石】相反方程式は で割って の式に が重解になったら、元の方程式は「2次式の2乗」である可能性が高い、と読み取れます。

【よくあるミス】 で割る前に の確認を書かないこと。問題文が冒頭で「 は解にならない」と述べているのはまさにこの確認のためです。記述式なら必ず一言添えます。

〔Ⅱ〕⑤⑥  から を復元する

【問題(再掲)】

に代入して の解[⑤][⑥]を求めよ。

【型】置き換えを戻すときは「分母を払って2次方程式」

【なぜこうするか】
の両辺に を掛ければ というただの2次方程式になります。 を求めたら 1を足して戻すのを忘れないこと。
なお が1つしか出なかったので は2個( の2解)だけ。もともと4次方程式なのでそれぞれが重解になっているわけです。

解答。 として

よって より

検算(数式処理と直接代入)。 と因数分解できるので、解は すなわち (それぞれ重解)✓。数値では で、両方を元の4次式に代入した値は厳密に ✓。
(余談:この2数は で、和が 、積が という美しい組です。黄金比 の親戚で、正五角形の対角線比に現れる数でもあります。)

【定石】置き換えは必ず「戻す」ところまでが1セット で答えを止めない。検算は元の式に代入が最強ですが、本問のように因数分解の形()が見えると一瞬です。

【よくあるミス】 をそのまま答えにして を忘れること。もう一つは⑤⑥の大小を逆に書くこと( の方が小さい)。

〔Ⅲ〕 は逆数/相加相乗と値域

分野:指数・対数関数 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

を1でない正の実数とし

とおく。次の[ ]をうめよ。

のとき、 の値は[①]となる。また、 のとき、 の値をすべて求めると[②]となる。

についての2次方程式 の解である。このことから、 として1でない正の実数全体を考えたとき、 のとりうる値の範囲は 、または、[⑤] となる。 となる範囲に制限したときの のとりうる値の範囲は[⑥]である。さらに、 となる範囲に制限したときの のとりうる値の範囲は[⑦]である。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅲ〕①  のときの

【問題(再掲)】

のとき、 の値を求めよ。

【型】 は互いに逆数(底の変換公式)→ 1文字にまとめる

【なぜこうするか】
底の変換公式から

なのでこの2つは逆数です。つまり とおけば で、

という1文字の式に化けます。ここまで来れば「 型」の見慣れた問題です。、すなわち を保証するための条件です。

解答。 とおくと より

よって 。求めるのは だから

検算。 のとき ✓。具体例では とすれば ✓( はともに1でない正の実数)。

【定石】。2つの対数が「底と真数を入れ替えた関係」なら、迷わず一方を 、他方を とおく。これで 型に持ち込めます。

【よくあるミス】 を答えて と書いてしまうこと。問われているのは です(②では逆に が問われており、意図的に入れ替えてあるので要注意)。

〔Ⅲ〕②  のときの をすべて

【問題(再掲)】

のとき、 の値をすべて求めよ。

【型】「すべて求めよ」は解が複数ある合図(2次方程式の2解)

【なぜこうするか】
①では で重解だったので値が1つでした。今回は 判別式が正になるので2つ出ます。「すべて求めると」という問題文はこの差を意識させるための書き方です。
さらに、この2解は の組になっています()。この「積が9で一定」という構造が、次の③の答えそのものです。

解答。 より

よって

検算。 の場合で、 ✓( など、 をみたす例がある)。 の場合で、 だから ✓。

【定石】 の2解は「積が 」の組。片方が求まればもう片方は で即座に出ます( なら相手は )。

【よくあるミス】 を「 だから不適」と除外してしまうこと。条件は が1でない正の実数であり、 は禁止されていません。

〔Ⅲ〕③ 2解の積=③

【問題(再掲)】

の2解であるとき、③を求めよ。

【型】2数を解とする2次方程式は「(和)(積)

【なぜこうするか】
2数 を解にもつ2次方程式は 。ここで

  • の定義そのもの。だから の形になっている)
  • 逆数の積は1

つまり③は「逆数の積が1」から出る定数9です。ここが分かると、次の④⑤の「判別式」の話にそのままつながります。この一手が問題全体の設計の中心です。

解答。 より積は 。よって

検算。②の場合で確かめます。 のとき2解は で、積は ✓、和は ✓。①の場合は で2解がともに 、積は ✓、和は ✓。

【定石】「2数が2次方程式の解」と言われたら和と積を作る。逆数どうしの積は必ず1なので、係数が付いていればその係数がそのまま積になる なら積は9)。

【よくあるミス】積を のように係数を二重に掛けること。9が付いているのは一方だけです。

〔Ⅲ〕④⑤  のとりうる値の範囲(全体)

【問題(再掲)】

として1でない正の実数全体を考えたとき、 のとりうる値の範囲 または[⑤] を求めよ。

【型】「実数解をもつ条件=判別式 」/または相加相乗を正負で場合分け

【なぜこうするか】
③で 実数解をもつことが分かっています( は実数だから)。よって

相加平均・相乗平均で考えても同じ結論が出ます。 なら

(等号は )。 なら に相加相乗を使って 、つまり が全ての0でない実数を動ける を1でない正の数に固定すれば が任意の で作れる)ので、この範囲はすべて実際に到達します

解答。

すなわち[④]、[⑤]

検算(40万組の乱数による実測)。 をそれぞれ の一様乱数として を作り()、 を40万組計算しました。結果、負の値の最大は 正の値の最小は で、 の値は1つも現れませんでした ✓。①②で見た )と )が実際に達成されることも確認済み ✓。

【定石】 の値域」は で分けて相加相乗。結果は または という「中抜け」型になります。判別式ルートでも同じ答えに着きますが、「その が本当に到達可能か」の確認は判別式だけでは足りないので、 の動く範囲を必ず押さえること。

【よくあるミス】相加平均・相乗平均を にそのまま適用して だけを答えること。相加相乗は正の数にしか使えません。負のときは に対して使い、符号を戻します。

〔Ⅲ〕⑥  に制限したとき

【問題(再掲)】

に制限したときの のとりうる値の範囲を求めよ。

【型】条件は「 の範囲」に翻訳してから値域を考える

【なぜこうするか】
の条件を直接扱うのではなく、すべて の条件に翻訳するのがこの問題の勝ち筋です。 のとき 単調増加なので

つまり の側だけ」という意味。④⑤で見たとおり では相加相乗から で、等号は 、たとえば )で成立します。制限が の符号を固定するだけなので、中抜けの片側が丸ごと残るという構図です。

解答。 より 。相加平均・相乗平均より

等号は のとき。よって

検算(乱数による実測)。40万組のうち かつ をみたすものだけを抜き出すと、 の最小値は 負の値は1つも現れないという結果でした ✓。 では と、等号が実際に達成されます ✓。

【定石】底が1より大きければ対数は単調増加、1より小さければ単調減少。条件を の不等式に翻訳するときは底の大小で不等号の向きが変わるので、 が与えられていることを必ず使うこと。

【よくあるミス】 だから 「1より大きい」を対数の値にまでスライドさせること。正しくは です(例: なら )。

〔Ⅲ〕⑦  に制限したとき

【問題(再掲)】

に制限したときの のとりうる値の範囲を求めよ。

【型】 の範囲が「増加区間の内側」に入ったら、端点の値が境界になる(相加相乗は使えない)

【なぜこうするか】
条件を翻訳します。 なので は増加、よって

ここが本問最大の勘所です。最小点は ですが、 はその右側。つまり相加平均・相乗平均の等号が成立しないので とは書けません。

で正なので、単調増加。したがって値域は での値より大きい」と決まります。含まれないので不等号は です。

解答。 で単調増加だから、 において

また となり、 は連続なので より大きい値はすべてとれる。よって

検算(乱数による実測)。40万組のうち かつ をみたすものを抜き出すと、 の最小は をわずかに上回り、 未満の値は1つも現れませんでした ✓。境界に近い例として をとると に上から近づきます(等号にはならない)✓。

【定石】相加平均・相乗平均は「等号が成立する値が定義域に入っているか」を必ず確認。入っていなければ微分(または単調性)で端点の値を境界にする。そして端点が含まれるかどうかで を書き分ける——⑥は 、⑦は 意図的に対比されています。

【よくあるミス】⑦でも相加相乗を使って と答えること。等号成立の の外なので使えません。この「等号が使えるかの確認」は、相加相乗を使う問題すべてに共通する最重要チェックです。もう一つは と等号を付けてしまうミス( で、条件は 厳密な不等号)。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 曲線外の点から引く接線は「接点を でおく → 接線を書く → 通る点を代入」
  • 曲線と接線の差は必ず完全平方 /面積は2通りの組み立てで検算
  • なら (対称式の基本)
  • 係数が対称でない相反形もどきは平行移動 を試す
  • 相反方程式は で割って次数を半分にする の確認を書く)
  • → 一方を 、他方を とおく
  • 2数を解とする2次方程式は (和)(積)
  • の値域は正負で分けて相加相乗(中抜け型になる)
  • 相加相乗は「等号成立値が定義域に入るか」を確認/入らなければ単調性で端点
  • 条件は のままでなく の不等式に翻訳する

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※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕は を400万分割した数値最小の探索、〔Ⅱ〕は の総当たり、〔Ⅲ〕は分数のまま和を直接計算した実測値との突き合わせで、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問3題。〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕が空所補充、〔Ⅲ〕が記述式という構成です。
  • 分野は点と直線の距離+三角関数の合成・平面ベクトルと内分外分・部分分数分解と telescoping(差の形にして打ち消す和)
  • 〔Ⅰ〕は原点を通る直線の距離公式が「」と分母1で書けることに気づくと一気に軽くなります。最後は 合成で最小値。
  • 〔Ⅱ〕は「交点の位置ベクトルは係数の和が1」という一点で決まります。最後の⑤は整数問題に化けるのが関西大らしい設計で、 から約数で絞る流れです。
  • 〔Ⅲ〕は4連続積の逆数の和。(2) が (3) のための誘導になっており、誘導を読めば (3) は計算ゼロで書けます。最後の を求める部分は「上限に届かない」ことの評価で、 で崩れるところまで確認する必要があります。

〔Ⅰ〕原点を通る直線への距離と、三角関数の合成による最小値

分野:図形と方程式/三角関数 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

次の[ ]を数値でうめよ。

とする。座標平面において、原点と点 を通る直線を とおく。点 の距離を とおくと、

である。また、点 の距離を とおくと、

である。よって、

となる。さらに、 の範囲を動くとき、 の最小値は[⑦]である。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅰ〕① 点 の距離

【問題(再掲)】

原点と を通る直線 について、点 との距離 となる①を求めよ。

【型】原点と を通る直線は (分母が1になる)

【なぜこうするか】
直線の式を と書くと で破綻します。方向ベクトルが なので、法線ベクトルは 。原点を通るから

この形の何がありがたいかというと、点と直線の距離公式の分母が になること。つまり

絶対値だけで距離が書けます。しかも を問われているので絶対値も外れます。単位ベクトルを法線にとると分母が消える——これがこの問題の設計思想です。

解答。 より

よって[①]

検算。 のとき 軸で、点 との距離は 。式では ✓。 のとき 軸で距離 、式でも ✓。数式処理でも を確認 ✓。

【定石】原点を通り傾き角 の直線は と書く( は縦線で破綻するので避ける)。法線ベクトルを単位ベクトルにとれば距離公式の分母が1になります。

【よくあるミス】 すなわち として距離を と書いてしまうこと。結果は同じですが が扱えず、場合分けが必要になります。 には が含まれているので致命的です。

〔Ⅰ〕②③ 点 の距離

【問題(再掲)】

の距離 について、 の②③を求めよ。

【型】同じ距離公式に代入して、 を展開するだけ

【なぜこうするか】
①で作った をそのまま使います。 なのでマイナスとマイナスで符号が反転して になる、ここだけが注意点。

あとは2乗して展開するだけ。問題文が という形を指定してくれているので、答え合わせもしやすい形です。

解答。

よって[②]、[③]

検算。 のとき 軸、点 との距離は 。式では ✓。 のとき 軸、距離は 。式では ✓。数式処理による展開も一致 ✓。

【定石】複数の点について同じ直線への距離を問われたら、距離公式を「一度だけ」立てて代入を繰り返す。①で作った が使い回せます。

【よくあるミス】 の符号処理で としてしまうこと。 なので です。この符号ミスは②が になって現れるので、 を代入して になるかで必ず確かめましょう。

〔Ⅰ〕④⑤⑥ 2倍角でまとめる

【問題(再掲)】

の④⑤⑥を求めよ。

【型】 の1次結合は「次数下げ」で の1次式になる

【なぜこうするか】
2次式。三角関数の2次式は必ず2倍角で1次式に落ちます。使う公式は3つだけ。

なぜ落としたいかというと、1次式にすれば合成 が使えて、最大最小が一撃で出るからです。⑦への布石になっています。

解答。。次数を下げて

よって[④]、[⑤]、[⑥]

検算。:左辺 、右辺 ✓。:左辺 、右辺 ✓。:左辺 、右辺 ✓。数式処理で差を計算すると恒等的に ✓。

【定石】 は必ず になる。この公式を覚えておくと今回は 暗算で③つ同時に出ます。

【よくあるミス】 を足し忘れて だけで計算すること(⑤が 、⑥が になってしまう)。また の係数を 向きを逆に覚えているミス。 を代入すれば即座に判別できます。

〔Ⅰ〕⑦  の最小値

【問題(再掲)】

において の最小値を求めよ。

【型】合成して 。定義域が1周期分あれば から まで全部とる

【なぜこうするか】
を合成すると振幅は

よって 。ここで大事なのは「その端の値に本当に到達できるか」の確認です。
なので ちょうど1周期分(半開区間で長さ を動きます。半開でも長さが1周期あれば の値は をすべて1回はとるので、最小値 は到達可能。したがって

〔2〕のような「半開区間で最小値が存在しない」型とここが決定的に違う点です(今回は1周期まるごと入っているので端が欠けても損をしない)。

解答。 をみたす角とすると

より は長さ の区間を動くので をとる。よって

であり、最小値は

検算(400万分割の数値探索)。 を400万分割して を直接計算すると、最小値 )となりました。理論値 と一致 ✓。ついでに最大値は と一致 ✓。

【定石】 の値域は 。ただし の動く範囲が1周期あるか」を必ず確認する。1周期未満なら端点の値を調べる必要があり、答えが変わります。

【よくあるミス】 の範囲を確認せずに と即答すること(本問は結果的に正しいが、範囲が狭い問題では誤答になります)。また ではなく としてしまう初歩的なミスも。

〔Ⅱ〕内分・外分と交点の位置ベクトル、そして整数問題へ

分野:平面ベクトル/整数の性質 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

を実数とし、 とする。 において、辺 OA を に内分する点を P とし、辺 OB を に外分する点を Q とする。線分 PQ と辺 AB の交点を R とする。 とする。次の[ ]をうめよ。

を用いて表すと となる。 を用いて表すと となる。 を用いて表すと

となる。

となる のなかで、 が2以上の整数の逆数で、 が整数となるものをすべて求めると となる。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤:

〔Ⅱ〕① 内分点 P

【問題(再掲)】

辺 OA を に内分する点 P について、 で表せ。

【型】 内分なら「O 側からの割合」は

【なぜこうするか】
なので、比の和が という親切な設定になっています。したがって

比の和が1になるように問題が作られているのは、後の計算(③④)で分母を だけに揃えるためです。出題者の設計を読み取ると安心して進めます。

解答。[①]。すなわち

検算。 なら で P は A に一致し、式でも ✓。 なら P は O に近づき、式でも ✓。 なら中点で ✓。

【定石】線分を に内分する点の位置ベクトルは「始点側に 、終点側に を掛けて で割る」。始点が O なら と簡単になります。 の極限で妥当性を確認する癖をつけると符号ミスが減ります。

【よくあるミス】 と答えてしまうこと。前が O 側なので、O からの割合は です。

〔Ⅱ〕② 外分点 Q

【問題(再掲)】

辺 OB を に外分する点 Q について、 で表せ。

【型】外分は「内分の比の一方を負にする」=

【なぜこうするか】
の外分なので

ここも分母が と1になる親切設計。 なので 、つまりQ は B より外側(O から見て B の先)にあります。図を描くと、P は辺 OA の内部、Q は辺 OB の延長上にあるので、線分 PQ が辺 AB を横切るという配置が納得できます。

解答。[②]。すなわち

検算。 なら Q は B に一致し、式でも ✓。 なら の外分で 、式でも ✓(B が OQ の中点になる)。

【定石】外分点は なら終点の外側。 の極限で B に一致するかを確かめると安全です。

【よくあるミス】外分の分母を にしてしまうこと。外分では引き算です。また の条件を見落として Q が線分 OB 上にあると誤認すること。

〔Ⅱ〕③④ 交点 R の位置ベクトル

【問題(再掲)】

線分 PQ と辺 AB の交点 R について、 の③④を求めよ。

【型】交点は「一方の直線上」と表し、「もう一方の直線上=係数の和が1」で決める

【なぜこうするか】
R は直線 PQ 上なので、実数 を使って

と書けます。一方 R は直線 AB 上。ここで使うのが最重要事実——点が直線 AB 上にある の係数の和が 。なぜなら と書けることと同値だからです。
つまり未知数 を1本の方程式で決められるということ。連立を組む必要はありません。

解答。係数の和が1より

左辺を展開すると なので

このとき だから

よって[③]、[④]

検算。係数の和を確かめます。

✓( がきれいに消えるのが設計の美しいところ)。数式処理でも 、係数の和 を確認 ✓。また とすると で、和は1 ✓。

【定石】「直線 AB 上」=「 の係数の和が1」。これは交点問題の最強の武器で、未知数1つ・方程式1本で片付きます。もう1つのルートは「R を AB 上に と置いて PQ 上の条件を書く」で、こちらでも同じ答えに着きます。

【よくあるミス】「係数の和が1」を線分 OA・OB 上の点にも適用してしまうこと。この条件は直線 AB 上を表します。また が1次独立であることを断らずに係数比較するのは、記述式なら減点対象です(本問は空所補充なので不要)。

〔Ⅱ〕⑤  となる整数条件

【問題(再掲)】

となる のなかで、 が2以上の整数の逆数、 が整数となるものをすべて求めよ。

【型】比の条件を式にして整理 → 「(整数)×(整数)=定数」の形にして約数で絞る

【なぜこうするか】
③④より の形で 。そして

なので。よって が条件です。
ここから整数問題に持ち込みます。 は2以上の整数)を代入して について解き、「 が整数」を約数の条件に翻訳する——これが関西大でよく出るパターンです。

解答。 より 。すなわち

ここで は2以上の整数)とおくと

は正の整数だから の正の約数、すなわち

が整数になるのは )と )のみ。

  • より
  • より

いずれも をみたす。よって

検算(総当たり)。 ✓。 ✓。
さらに 25万通りを総当たりして になる組を探すと、2組だけでした ✓(漏れがないことの確認)。

【定石】「整数×整数=定数」の形にしたら約数を全部書き出す。今回は で、 の正の約数 を順に試すだけ。 が3で割った余りの条件()を満たすかで半分が落ちるのもポイントです。

【よくあるミス】 と逆に取ること( としてしまう)。 と書き直して が「A からの割合」だと確認するのが確実です。また の負の約数まで拾って の解を混ぜてしまうミス( の条件で除外)。

〔Ⅲ〕【記述式】部分分数分解と打ち消しの和

分野:数列(数学B) 難易度:標準〜やや難 目標時間:20分

【問題】

次の問いに答えよ。

(1) を求めよ。

(2) を求めよ。

(3) とおく。このとき、すべての自然数 に対して となるような自然数 のうち、最大のものを求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3)

〔Ⅲ〕(1)  の和

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】 で差の形にして打ち消す

【なぜこうするか】
とすると 。部分分数分解の基本形は

なので、係数は (差が3だから)。ここで肝心なのは にしたものが になっていることです。実際 。だから次の項の前半と今の項の後半が打ち消し合う——これが telescoping の仕組みです。
係数 を忘れないために、分解したら必ず で検算する習慣をつけましょう。

解答。

よって

中間項がすべて消えて

検算(分数のまま直接計算)。 で分解を確認:左辺 、右辺 ✓。
100項を分数のまま足し上げた実測値も でした ✓(数式処理による総和も同じ)。 で、 より少し小さいという直感とも合います。

【定石】分母が「等差数列の2項の積」なら、係数は公差の逆数(本問なら )で差に分解。和は最初の項の前半と最後の項の後半だけが残ります。答えの形が 一般化できることも確認しておくと、 と即答できます。

【よくあるミス】係数 を落として と答えること。また末項を ではなく と書いてしまうミス。 に代入して確認しましょう。

〔Ⅲ〕(2) 差の形がそのまま与えられた和

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】(完全に打ち消す)

【なぜこうするか】
とおくと、後ろの項はちょうど です( にすると )。つまり和は

という最もきれいな telescoping。分解の工夫すら不要で、「差の形になっていることに気づくだけ」で終わります。
そして重要なのは、これが(3) のための誘導だということ。(3) の は、この差のちょうど 倍なのです。

解答。 とおくと与式は 。よって

検算(実測との突き合わせ)。:与式 、公式 ✓。
分数のまま直接計算した実測値と公式を並べると、すべて一致 ✓。数式処理による閉じた式 も、展開すると同じ式になります ✓。

【定石】 の形を見たら即座に 。逆に「和を求めよ」と言われたら の形を作れないかを探すのが基本方針です。

【よくあるミス】 を引いてしまうこと(正しくは )。 のときの後半の項は です。 を代入すれば一瞬で確認できます。

〔Ⅲ〕(3)  となる最大の自然数

【問題(再掲)】

とする。すべての自然数 に対して となる自然数 のうち最大のものを求めよ。

【型】4連続積は「3連続積の差」の 倍/上限は の極限、最大の は「1つ上が崩れる」ことまで示す

【なぜこうするか】
まず (2) を使えるように分解します。

つまり求める項は (2) の中身のちょうど 。だから は (2) の結果を3で割るだけ。これが (2) を先に置いた意図です。
次に の決定。単調増加で上限が に近づくが達しない)。したがって

  • :すべての が成立(差の項が正だから厳密な不等号
  • なので、 を大きくすれば追い越されて破綻

「最大の 」を答えるには、 が成り立つことと が成り立たないことの両方を示す必要があります。記述式なので反例を具体的に挙げるのが確実です。

解答。まず

よって (2) より

第2項は正なので、すべての自然数 に対して

したがって は条件をみたす。次に が条件をみたさないことを示す。 のとき

一方 だから 。よって は不適。
では となりすべて不適なので、求める最大の自然数は

検算(分数のまま実測)。 を分数のまま直接計算すると で、いずれも公式 完全一致 ✓。
また から まで調べると、 では反例が0個 では 以降のすべて(2997個)が反例 では 以降が反例、という結果でした ✓。境界がちょうど にあることも確認できます( が破れるのが )。

【定石】 は「 連続積の差」の 。今回は 倍。無限和の値は「最初の項」で決まるので、 と一撃で出ます。「最大の 」型は必ず の反例まで書くこと。

【よくあるミス】 を示しただけで「」と結論すること。これでは がダメな理由が言えていません(上限が だから直感的には明らかですが、記述では反例を挙げるのが安全)。もう一つは 倍を忘れて上限を とし、 と答えるミス。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 原点を通る直線は (距離公式の分母が1になる)
  • の値域は (動く範囲が1周期あるか確認)
  • 内分は 、外分は分母が引き算/極限で妥当性を確認
  • 「直線 AB 上」=「 の係数の和が1」(未知数1つで交点が決まる)
  • なら
  • 整数条件は「整数×整数=定数」に整理して約数で絞る
  • (係数は公差の逆数)
  • 「最大の 」は の成立と の反例の両方を示す

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※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕〔Ⅲ〕〔Ⅳ〕(3) は数式処理による導関数・定積分・極限の再計算、〔Ⅱ〕は から までの確率を分数のまま全計算、〔Ⅲ〕は半径を200項まで逐次生成した面積和の実測、〔Ⅳ〕(4) は 刻みで格子探索して、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(この冊子・数学III範囲)の傾向
  • 大問4題。〔Ⅰ〕〔Ⅲ〕が記述式、〔Ⅱ〕〔Ⅳ〕が空所補充。数学IIIまで含む理系向けの構成です。
  • 分野は の凹凸と面積の極限・玉の色の確率と不等式・角に内接する円の無限列・複素数/ベクトル/ の微分/奇関数条件
  • 〔Ⅰ〕の というヒントは を高校範囲で示すため」に置かれています。この不等式で挟み込むのが出題者の想定ルートです。
  • 〔Ⅲ〕は「角に内接する円の半径は中心までの距離 という一点で全部決まります。隣り合う2円の外接条件から距離が等比数列になり、面積は公比の2乗の等比級数になる、という美しい流れ。
  • 〔Ⅳ〕(4) は「奇関数=原点対称」。元の曲線が を中心に点対称だと見抜ければ、平行移動でその中心を原点に運ぶだけ——計算ゼロで が出ます。

〔Ⅰ〕【記述式】 の凹凸と、面積の極限

分野:微分積分(数学III) 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

関数 を考える。次の問いに答えよ。ただし、 に対して、 が成り立つことを用いてよい。

(1) の第1次導関数と第2次導関数を求めよ。

(2) 曲線 の凹凸を調べ、変曲点の 座標を求めよ。また、この関数のグラフの概形を図示せよ。

(3) とする。曲線 軸および直線 とで囲まれる図形の面積を とするとき、 を求めよ。

【解答】

(1)
(2) 変曲点の 座標は で下に凸、 で上に凸
(3)

〔Ⅰ〕(1) 第1次導関数と第2次導関数

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】「多項式 指数」の微分は積の微分。 を必ずくくり出す

【なぜこうするか】
符号と係数 が出るのがこの型の唯一の注意点です。積の微分をしたあと は絶対にくくり出す——なぜなら なので、符号は括弧の中身だけで決まるとわかり、増減・凹凸の判定が一瞬になるからです。
2回微分するときも同じ方針。多項式 の形に保つと、次の微分でも同じ手順が使えます。

解答。

さらに を微分して

検算。数式処理で微分すると で完全一致 ✓。
また は極小点。実際 )、(極大点)となり、グラフの形と整合します ✓。

【定石】 の微分は 。この公式で覚えると積の微分を書かずに済みます。今回は なので 機械的に出ます。

【よくあるミス】 として を落とすこと。また を求めるとき の多項式部分だけを微分して の微分を忘れること。 の係数が )になるのは指数の微分が2回効いた証拠です。

〔Ⅰ〕(2) 凹凸と変曲点、グラフの概形

【問題(再掲)】

曲線 の凹凸を調べ、変曲点の 座標を求めよ。またグラフの概形を図示せよ。

【型】凹凸は の符号。 なので「括弧の中の2次式」の符号だけを見る

【なぜこうするか】
だから、符号は だけで決まります。これは下に凸の放物線なので2解の外側で正、内側で負
グラフの概形を描くには4点セットを揃えます。

  • 増減 より で減少、 で増加、 で減少。極小 、極大
  • 凹凸:上で求めた通り
  • :ヒントの より 。つまり 軸が漸近線
  • なので

ここでヒストの使い方が明確になります。 を高校範囲で示すには、 で上から挟むのが正攻法です。

解答。 より 、すなわち

だから の符号は と一致し

  • および 下に凸
  • 上に凸

符号が変わるので、変曲点の 座標は

増減・凹凸をまとめると次の通り()。

増減減 → 極小 → 増増 → 極大 → 減
凹凸下に凸変曲点上に凸変曲点下に凸

概形は次のようになります。 に発散しながら下に凸で急降下し、 軸に触れて(極小値 )、 で上に凸に変わり、 で極大値 をとり、 で再び下に凸に変わって、 軸に上から漸近しながら に近づく——「原点で接して1つの山を作り、右へなだらかに消えていく」形です。原点は 軸に接する()ことを図に明示しましょう。

検算。数式処理で を解くと (数値 )で一致 ✓。
凹凸の向きも確認します。 で下に凸 ✓(原点で 軸に接するので下に凸でなければならない)。 で上に凸 ✓(極大点なので上に凸)。 で下に凸 ✓。

【定石】 が「正の関数 2次式」なら、凹凸は2次式の符号だけ。変曲点は かつ符号が変わる点( だけでは不十分)。極大点では必ず上に凸、 軸に接する極小点では必ず下に凸——この整合性チェックで符号ミスが防げます

【よくあるミス】変曲点を「 の点」とだけ答えて符号変化の確認を書かないこと。また の挙動を「 だから発散」と誤ること。指数の減少は多項式の増加より強いので に収束します(それを高校範囲で言うためのヒントが与えられている)。

〔Ⅰ〕(3) 面積の極限

【問題(再掲)】

とし、曲線 軸、直線 で囲まれる図形の面積を とする。 を求めよ。

【型】「多項式 」の積分は部分積分を次数分だけ繰り返す

【なぜこうするか】
なので、囲まれる図形は の部分。よって

部分積分を と次数を下げる向きで2回行います。 の原始関数は なので、毎回 が出ることに注意。
極限では がすべて に行くことを示す必要があり、ここでヒントの が効きます。

同様に はさみうちの原理で全部 です。

解答。部分積分を2回行います。

したがって

より

なので、はさみうちの原理よりこれらはすべて 。よって

検算(数式処理による再計算)。 を数式処理で計算すると 。これを整理すると 完全一致(差を取ると恒等的に )✓。極限も数式処理で ✓。
数値でも確認: なら なら と、たしかに へ収束 ✓。

【定石】(大学の公式ですが検算に便利)。今回は 一瞬で答えが確認できます。記述では部分積分をきちんと書き、極限ははさみうちで締めること。

【よくあるミス】根拠なしに書くこと。問題文がヒントをくれているのは「ここを示せ」という指示です。また積分区間の下端を 軸との交点で迷うこと—— のみなので下端は です。

〔Ⅱ〕赤玉・白玉から2個/確率が 以上になる条件

分野:場合の数・確率 難易度:標準 目標時間:15分

【問題】

を3以上の自然数とし、 を1以上 以下の自然数とする。いま、赤玉 個、白玉 個が入った袋の中から2個の玉を同時に取り出す試行を考える。次の[ ]をうめよ。ただし、[①]〜[④]、[⑦]は数値で、[⑤]、[⑥]は のうち、一方または両方を用いた式でうめよ。

(1) とするとき、取り出した玉が2個とも白玉である確率は[①]である。取り出した玉のうち、少なくとも1個は赤玉である確率は[②]である。

(2) とするとき、取り出した玉が2個とも白玉である確率は[③]である。取り出した玉のうち、1個だけが赤玉である確率は[④]である。

(3) を4以上の自然数とする。取り出した玉が2個とも白玉である確率は である。また、取り出した玉のうち、少なくとも1個は赤玉である確率が 以上となるための条件は、[⑤][⑥]である。

(4) とする。取り出した玉のうち、少なくとも1個は赤玉である確率が 以上であるときの の最小値は[⑦]である。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅱ〕(1)  の場合

【問題(再掲)】

赤玉1個・白玉2個から2個同時に取り出すとき、2個とも白玉である確率[①]と、少なくとも1個は赤玉である確率[②]を求めよ。

【型】「少なくとも1個は◯」は余事象(=「1個も◯でない」)

【なぜこうするか】
「少なくとも1個は赤」の反対は「赤が0個」=「2個とも白」。つまり①がそのまま②の材料になります。だから問題は①→②の順に並んでいるのです。「少なくとも」を見たら余事象——反射で動けるようにしておきましょう。
後の一般式のテストケースでもあります。ここで具体値を出しておけば、(3) の式が正しいかを検算できます。

解答。全体は 通り。2個とも白は白玉2個を選ぶ 通りだから

少なくとも1個が赤である確率は余事象より

検算(全列挙)。玉を赤 、白 とすると2個の組は の3通り。両白は1通りで ✓、赤を含むのは2通りで ✓。

【定石】「少なくとも1個」=(1個もない確率)。同時に取り出すので組合せ が分母。この2つで確率の問題の大半は片付きます。

【よくあるミス】「少なくとも1個は赤」を「赤1個と白1個」と読み違えること(それはちょうど1個で、(2) の④です)。「少なくとも」は「以上」なので赤2個の場合も含みます。

〔Ⅱ〕(2)  の場合

【問題(再掲)】

赤玉2個・白玉3個から2個同時に取り出すとき、2個とも白玉である確率[③]と、1個だけが赤玉である確率[④]を求めよ。

【型】「ちょうど 個」は (超幾何分布)

【なぜこうするか】
「赤からちょうど 個、白から残り」という選び方は赤の選び方と白の選び方の積。これが超幾何分布の考え方です。

は赤玉がちょうど 個である確率)

③は 、④は 3つの確率()の和が1になることが最強の検算になります。

解答。全体は 通り。
2個とも白は 通りだから

1個だけが赤は 通りだから

検算(3つの和が1)。赤2個は 通りで 。よって

✓。分数のまま計算したプログラムでも と一致しました ✓。

【定石】超幾何分布 。検算は を全部足して1になるか」。3つ以上の色があるときは注目しない色をまとめると2色に帰着できます。

【よくあるミス】④で の代わりに だけを数えて とすること。もう1個の白の選び方も掛ける必要があります。約分忘れ( のまま)も減点対象になり得ます。

〔Ⅱ〕(3) ⑤⑥ 一般の での式と条件

【問題(再掲)】

2個とも白玉である確率が となる⑤を求め、少なくとも1個は赤玉である確率が 以上となる条件[⑤][⑥]の⑥を求めよ。

【型】 を代入すれば が約分で消える

【なぜこうするか】
白玉は 個なので

分母分子の が打ち消えるので、問題文の「」という形にぴったり収まります。
次に条件。「少なくとも1個は赤」の確率が 以上 余事象「2個とも白」が 以下

なので不等号の向きは変わりません。そして左辺は⑤そのもの——だから問題文が「[⑤][⑥]」という形で聞いているわけです。⑤を使い回させる出題の親切さを読み取りましょう。

解答。

検算((1)(2) の具体値と突き合わせ)。 で①と一致 ✓。 で③と一致 ✓。さらに では実測 、式でも ✓、 では実測 、式でも ✓。

【定石】 が消える)。不等式に直すときは両辺に掛ける量の符号を確認。ここは なので安全です。

【よくあるミス】「 以上」を余事象に移すとき不等号の向きを変え忘れること( になります)。また⑥を と書いて で割るのを忘れるミス。

〔Ⅱ〕(4) ⑦  のときの の最小値

【問題(再掲)】

とする。少なくとも1個は赤玉である確率が 以上であるときの の最小値を求めよ。

【型】(3) の条件式に代入 → 「連続2整数の積」の不等式を整数で解く

【なぜこうするか】
(3) の条件に を入れます。

ここで と置くと左辺が という「連続2整数の積」になり、 を1つずつ試すだけで済みます。 について増加なので境界を1つ見つければ終わり
なので 、すなわち から

解答。 とおくと条件は より 。よって すなわち の範囲でこれをみたす最小の

検算( から まで分数で全計算)。「少なくとも1個は赤」の確率を分数のまま並べると

となり、 を初めて超えるのが ✓。同時に と、条件式の境界も で切り替わることを確認しました ✓。

【定石】「連続2整数の積 」は の近くを試す なので が当たり——平方根の目安で一発です。答えたあとは境界の1つ手前()が本当にダメかを必ず確認しましょう。

【よくあるミス】 の対応で不等号の向きを間違えること( の減少関数なので反転します)。また「最小値」を問われているのに など の値を答えるミス。

〔Ⅲ〕【記述式】角に内接する円の無限列と面積の総和

分野:図形と計量/数列・無限級数(数学III) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

とする。ただし である。円 は半直線 OA、OB に接し、さらに中心と点 O との距離を1とする。次に、円 を、OA、OB および円 に接するように O 側に定める。同様に、円 を、OA、OB および円 に接するように O 側に定める。以下、この操作を繰り返して、円 を順に定めていく。また、 とおく。次の問いに答えよ。

(1) の半径と円 の半径を、それぞれ を用いて表せ。

(2) 自然数 に対して、円 の半径を を用いて表せ。

(3) の面積を としたとき、無限級数 の和を を用いて表せ。

(4) (3) で求めた無限級数の和を とおくとき、 を求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3)  (4)

〔Ⅲ〕(1)  の半径

【問題(再掲)】

(中心と O の距離が1)と円 の半径を で表せ。

【型】角に内接する円は「中心が二等分線上」+「半径 (O からの距離)

【なぜこうするか】
2本の半直線に接する円の中心は角の二等分線上にあります。中心を P、O からの距離を 、半径を とすると、中心から OB へ下ろした垂線の足を H として は直角三角形で 。よって

これがこの問題の全てです。 なので
外接し、O 側にあります。中心はどちらも二等分線上なので中心間距離 、外接だから中心間距離 。つまり

「2つの円が外接 中心間距離=半径の和」を、二等分線上という一直線の話に落とし込むのがポイント。

解答。 の中心を 、半径を とすると
より

は外接し、 より O 側にあるから

よって

検算(数値による作図の再現)。 とすると 。理論値は
漸化式 で半径を逐次生成すると となり一致 ✓。また より なので 、つまり円はきちんと小さくなっていくことも確認できます ✓。

【定石】角に内接する円は「半径 (O からの距離)。逆に 。円の連鎖の問題では「中心間距離を2通りに表す」(座標の差と、半径の和)のが常道です。

【よくあるミス】 を使ってしまうこと。二等分線を使うので角は です。また外接条件を (内接の式)と書くミス。O 側に別の円を置くのだから外接です。

〔Ⅲ〕(2)  の半径

【問題(再掲)】

自然数 に対して円 の半径を で表せ。

【型】同じ操作の繰り返し=等比数列(比が に依らないことを示す)

【なぜこうするか】
(1) の議論は」に限らず「」でもそのまま成立します。

整理すると

つまり 公比 の等比数列。比が に依らないことが「同じ操作の繰り返し」の数学的な意味です。あとは から一般項が出ます。

解答。 は外接し が O 側にあるから

より 。よって

検算。 ✓。 で (1) と一致 ✓。
)で公比は 。逐次生成した と、式 が一致 ✓。

【定石】「同じ操作を繰り返す」問題は、 番目と 番目の関係式を立てて等比(または漸化式)に持ち込む。(1) を一般の そのまま書き換えるだけで済むように、(1) の議論を の記号で書いておくのが賢い進め方です。

【よくあるミス】 の指数を にしてしまうこと(正しくは )。 を代入して になるかで必ず確認しましょう。

〔Ⅲ〕(3) 面積の無限級数

【問題(再掲)】

の面積を とするとき、 で表せ。

【型】半径が公比 の等比なら面積は公比 の等比。和は「初項

【なぜこうするか】
面積は半径の2乗に比例するので

これは初項 、公比 の等比数列 より公比は の間なので収束します。
和の計算で決め手になるのが分母の整理です。

(和と差の積)を使うと一撃。ここがきれいに になるおかげで、 が1つ約分されて答えが の1次× という形になります。

解答。

より なので 。よって収束して

検算(200項の実測)。)で 200項まで足し上げた実測値は 。理論値 10桁一致 ✓。数式処理でも差が恒等的に ✓。
妥当性も確認:最大の円 の面積は なので、総和 はその 倍。公比が なので 倍——整合しています ✓。

【定石】相似な図形が公比 で並ぶとき、長さは 、面積は 、体積は の等比。無限等比級数は を明記してから 。分母の整理では を覚えておくと速いです。

【よくあるミス】公比を のまま(2乗し忘れ)使うこと。面積の等比の公比は半径の公比の2乗です。また収束条件 の確認を書かないのは記述式では減点対象。

〔Ⅲ〕(4) 

【問題(再掲)】

)のとき を求めよ。

【型】 を使えるように「角度と分母を揃える」

【なぜこうするか】
なので 。したがって の部分はそのまま極限を取れる にも にもならない)。問題は の部分だけです。
公式 を使うには分母を に揃える必要があるので、 を外に出します。

この の取り出し」を忘れると答えが2倍になります。極限の問題で最も多い失点です。

解答。

のとき より 、また 。よって

検算(数値の収束)。数式処理による極限も ✓。数値でも

と、単調に近づいています ✓。

【定石】。分母と の中身を一致させてから公式を使う。極限の計算では「収束する部分」と「 の部分」を分離してから処理するのが安全です。

【よくあるミス】 として答えを にすること。 の係数を忘れています。また を見落として をそのまま残してしまうミス。

〔Ⅳ〕小問集合(複素数の3乗根/角の二等分線とベクトル/ の微分/奇関数条件)

分野:複素数平面/ベクトル/微分/関数の対称性 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

次の[ ]をうめよ。

(1) 方程式 のすべての解を とするとき、[①]である。

(2) 座標平面に がある。線分 AB の延長線上に点 D を、OB が の二等分線となるようにとる。また、 とする。このとき、 を用いて表すと、[②][③] である。

(3) 関数 を微分すると、 となる。また、 の最小値は である。

(4) 曲線 のグラフを、 軸方向に 軸方向に だけ平行移動した曲線を とする。このとき、すべての実数 に対して が成り立つとき、[⑥]、[⑦]である。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅳ〕(1)  の3解が作る三角形の周

【問題(再掲)】

のすべての解を とするとき を求めよ。

【型】 の解は「半径 の円周を 等分」=正 角形

【なぜこうするか】
求める式は3解が作る三角形の周の長さです。 の解は

つまり半径2の円周上を3等分した点——正三角形です。だから3辺の長さは全部同じで、1辺を求めて3倍すればよい。
半径 の円に内接する正三角形の1辺は (中心角 の弦なので )。よって1辺 、周は 解を具体的に書き出さなくても答えが出るのがこの型の強みです。

解答。 より で、偏角は 。すなわち

これらは半径2の円を3等分するので正三角形をなし、1辺の長さは 。よって

検算(3辺を個別に計算)。数式処理で解を求めると 。各辺は

で、3辺すべて 、和は ✓。

【定石】 の解は正 角形の頂点。半径 の円に内接する正 角形の1辺は 。正三角形なら 、正方形なら 、正六角形なら 「周の長さ」型は1辺を求めて

【よくあるミス】 だけを答えて(実数解1つで満足して)虚数解を見落とすこと。3次方程式には複素数の範囲で3個の解があります。また1辺を と(直径と混同して)してしまうミス。

〔Ⅳ〕(2) 角の二等分線と

【問題(再掲)】

。線分 AB の延長線上の点 D を OB が の二等分線となるようにとる。 を求めよ。

【型】角度と長さが具体的なら「座標を置く」のが最速

【なぜこうするか】
ベクトルの一般論(二等分線の公式)でも解けますが、角度も長さも具体的に与えられているので座標に落とすのが圧倒的に速い。OA を 軸正の向きにとると

ここでA と B の 座標が両方 という設定の妙に気づきます。つまり直線 AB は という縦線。だから D も の形。
OB が の二等分線 。よって から 数値がきれいに設計されていることが分かります。

解答。 とおける( ✓、 ✓)。
直線 AB は 。OB が の二等分線だから で、D は 上にあるので

とおくと

成分より すなわち 成分より すなわち 。よって

検算。係数の和が なのでD は直線 AB 上 ✓(これが最重要チェック)。さらに なのでB より外側=AB の延長線上 ✓。
角度も数式処理で確認: となり、OB がたしかに を二等分しています ✓。

【定石】角度と長さが具体的に与えられたベクトル問題は座標に落とす。そして「直線 AB 上」=「係数の和が1」で検算する。二等分線は「角度が2倍」と読み替えるのが素直です。

【よくあるミス】D を線分 AB 上にとって と思い込むこと。「延長線上」なので係数の一方は負になります。また の向きに置いてしまい、 を作れなくなるミス。

〔Ⅳ〕(3)  の微分と最小値

【問題(再掲)】

について の④と、 の最小値 の⑤を求めよ。

【型】「指数に変数がある」関数は対数をとって微分(対数微分法)

【なぜこうするか】
底も指数も変数なので、 も使えません。こういうときは両辺の対数をとる

両辺を で微分すると左辺は (合成関数の微分)、右辺は積の微分。

よって となるので、問題文の形にぴったり合います。
最小値は 、つまり から。 なので符号は だけで決まるのが便利です。

解答。 の両辺を微分して

よって[④]
だから の符号は と一致し、、すなわち なのでここで最小

よって[⑤]

検算(数式処理)。 を数式処理で計算すると で完全一致 ✓。 の解は 、そのときの値は と一致 ✓。
数値でも 。前後の では では どちらも大きいので、たしかに が最小 ✓。

【定石】「(変数)の(変数)乗」の微分は対数微分法。手順は「①対数をとる ②微分して を作る ③ を掛け戻す」。最小値は の符号を決める因子だけを見る(指数関数の部分は常に正)。

【よくあるミス】 のように指数法則の公式を無理に当てること。指数が変数なので使えません。また⑤を の値)と答えるミス——問われているのは最小値の指数です。

〔Ⅳ〕(4) 平行移動して奇関数にする

【問題(再掲)】

軸方向に 軸方向に 平行移動した が、すべての実数 をみたすとき を求めよ。

【型】」=原点対称。元の曲線の対称中心を原点に運ぶ平行移動を探す

【なぜこうするか】
条件は が奇関数、つまりグラフが原点に関して点対称ということ。平行移動しても「点対称であること」は保たれ、対称の中心も同じだけ動くだけです。
ということは、元の曲線の対称中心がどこかを見つけ、それを原点に運べばよい
元の式を で書き換えます。

ここで 奇関数)。つまり元の曲線は 、すなわち を中心に点対称
これを原点に運ぶには 方向に 方向に 動かせばよいので 計算らしい計算をせずに答えが出ます

解答。 とおく。 とすると

は奇関数なので、 に関して点対称
が原点対称になるには、対称中心 が平行移動で原点に移ればよいので

よって

実際このとき

で、 ✓。

検算(格子探索)。 から まで 刻みで動かし、 を24万分割して を測ると、 になるのは のただ1組でした ✓( では では では と、いずれも から離れます)。
また と一致することも数値で確認(最大誤差 )✓。

【定石】 が奇関数なら、グラフは点 に関して点対称。逆に「奇関数にする平行移動」を問われたら対称中心を探して原点に運ぶ。3次関数 変曲点に関して点対称なのも同じ原理です。

【よくあるミス】 を展開して絶対値の場合分けを全部やろうとして力尽きること。対称中心を見抜けば計算はほぼ不要です。また平行移動の符号—— 軸方向に 動かすと式は になる——を逆にして と答えるミス。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • の微分は /指数はくくり出して符号を単純化
  • 凹凸は の符号。正の因子は無視して2次式だけを見る
  • (検算用)/極限ははさみうちで締める
  • 「少なくとも1個」は余事象超幾何分布は を全部足して1で検算
  • /連続2整数の積の不等式は の近くを試す
  • 角に内接する円は「半径 (O からの距離)
  • 外接条件は「中心間距離=半径の和」/同じ操作の繰り返しは等比数列
  • 長さが公比 なら面積は
  • の解は正 角形/1辺は
  • 底も指数も変数なら対数微分法奇関数条件は対称中心を原点に運ぶ

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※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕は座標を設定した直接計算、〔Ⅱ〕は を200万分割した数値の最大最小の探索、〔Ⅲ〕は1から99までの要素をすべて列挙した総当たりで、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問3題。〔Ⅰ〕が記述式、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕が空所補充という構成です。
  • 分野は円に内接する長方形とベクトル・ の置き換えと3次関数の最大最小・集合の要素の個数と和
  • 〔Ⅰ〕の急所は「OB が円の直径」と気づくこと。長方形の対角線は外接円の直径なので 、半径 。すると (3) は(半円の弧に立つ角)から と一撃で出ます。
  • 〔Ⅱ〕は対称式の定番置き換え とすると 。長い式ですが の項がきれいに打ち消える設計になっており、 と驚くほど簡単になります。
  • 〔Ⅲ〕は包除原理(個数も和も同じ式で処理できる)。最後の⑦だけ毛色が違い、「差が2の2数がともに3または5の倍数」を合同式で分類する整数問題です。

〔Ⅰ〕【記述式】円に内接する長方形とベクトル

分野:平面ベクトル/円の性質 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

円に内接する長方形 OABC において、辺 AB を に内分する点を D とし、直線 OD と円の交点のうち、O でないものを E とする。 とし、 とするとき、次の問いに答えよ。

(1) ベクトル を用いて表せ。

(2) の値を求めよ。

(3) ベクトル を用いて表せ。

【解答】

(1)  (2)  (3)

〔Ⅰ〕(1)  で表す

【問題(再掲)】

辺 AB を に内分する点 D について、 で表せ。

【型】長方形(平行四辺形)では 。まず「辺のベクトルを で言い換える」

【なぜこうするか】
長方形 OABC は の順に辺をたどるので、OA と CB、AB と OC がそれぞれ平行で同じ長さ。よって

これが分かれば D は「A から 方向へ 進んだ点」。 に内分なので です。

なお (長方形なので )、 は (2)(3) で使うのでここで確認しておくと後が速いです。

解答。長方形 OABC より 。D は AB を に内分するので

検算(座標による確認)。 とおくと (長方形)✓。
D は AB を に内分するので 。一方 ✓ 一致。

【定石】長方形・平行四辺形 OABC では 。頂点の順序()からどの辺どうしが平行かを最初に確定させること。

【よくあるミス】(=)と混同すること。B は の位置なので です。また と読み替えるミス(正しくは )。

〔Ⅰ〕(2) 

【問題(再掲)】

の値を求めよ。

【型】2ベクトルのなす角は 。垂直条件 で内積計算が一気に軽くなる

【なぜこうするか】
。内積を展開すると

ここで なので真ん中の2項が消えるのがありがたい。長方形の直交性がそのまま計算量の削減になります。
長さも同様に ピタゴラスの形になります。

解答。 より

よって

検算(座標)。 より内積 ✓、 ✓、 ✓。
で、 程度。図で見ると OD と OB は近い向きなので が1に近いのは妥当 ✓。

【定石】直交する基底()なら内積の展開で交差項が消える。長さも「各係数の2乗 各ベクトルの長さの2乗の和の平方根」の形。分母の有理化)も忘れずに。

【よくあるミス】 のように係数を2乗し忘れること。 です。また の値が1を超えたら計算ミスなので、必ず を確認しましょう。

〔Ⅰ〕(3)  で表す

【問題(再掲)】

直線 OD と円の交点のうち O でないものを E とする。 で表せ。

【型】長方形の対角線は外接円の直径 → 直径に対する円周角は

【なぜこうするか】
E は直線 OD 上なので と書けます。あとは を1つ決めるだけ。
ここで気づきたいのは「OB は円の直径」ということ。長方形の対角線の交点が外接円の中心だからです(、中心は対角線の中点、半径 )。
すると E は円周上の点なので(直径に対する円周角)。つまり は E で直角。よって

だったので

(2) で求めた がここで効く——だから (2) が (3) の前に置かれているのです。誘導の意図がはっきり読み取れます。

解答。長方形の対角線 OB は外接円の直径(、半径 )。E は円周上にあり O とは異なるから、直径に対する円周角より
よって直角三角形 OEB において

E は直線 OD 上で O と同じ側にあるから 。したがって

検算(座標で円との交点を直接求める)。円の中心は 、半径 (A、C も円上にあることを確認済み)。直線 OD 上の点を とおいて円の方程式に代入すると

(点 O)と が出て、 ✓。これは と一致 ✓。
さらに を計算すると厳密に となり、 も確認できました ✓。

【定石】長方形の外接円は「対角線が直径」。円周上の点が絡む問題では直径に対する円周角 が最強の道具です。方べきの定理 一定)や円の方程式に代入でも解けますが、直角に気づけば計算量が最小になります。

【よくあるミス】E を「線分 OD の内部」と思って とすること。 なのでE は D の外側(D は円の内部にある)です。図で D が円の内側にあることを確認すれば防げます。

〔Ⅱ〕 の置き換えと3次関数の最大最小

分野:三角関数/微分(数学II) 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

において、関数

を考える。次の[ ]をうめよ。ただし、[②]、[③]以外は数値でうめよ。

とおくと、 のとりうる値の範囲は である。また、 を用いて表すと となる。さらに、 を用いて表すと となる。

したがって、 で最小値をとり、 で最大値[⑥]をとる。よって、 の最大値を与える の値は[⑦]となる。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅱ〕①  の範囲

【問題(再掲)】

のとき のとりうる値の範囲 を求めよ。

【型】(合成)

【なぜこうするか】
置き換えをしたら必ず新しい変数の範囲を調べるのが鉄則です。範囲を間違えると最大最小が全部ずれます。
合成すると

なので 長さ の区間(1周期分)を動きます。よって から まですべての値をとり

両端に到達できることがポイント。特に が到達可能だから⑤⑥が成立します。

解答。 で、 より は1周期分を動くので

検算。(最大到達)✓。(最小到達)✓。
数値でも を200万分割したときの の範囲は で一致 ✓。

【定石】 なら振幅 、位相 置き換えたら新変数の範囲を必ず調べる——これは置き換え問題の絶対のルールです。

【よくあるミス】 とすること。振幅は です。また の範囲が1周期に足りない問題では端点の値も調べる必要がありますが、本問はちょうど1周期なので全域をとります。

〔Ⅱ〕②  で表す

【問題(再掲)】

のとき で表せ。

【型】(2乗して を使う)

【なぜこうするか】
を2乗すると

が自動で出てくるのがこの型の美点。よって

これで「和」と「積」の両方が で書けたことになり、対称式はすべて の式になる——それが③の下準備です。

解答。

検算。。式では ✓。。式では ✓。

【定石】 なら (符号は の定義に合わせる)。対称式は「和」と「積」で書けるという代数の一般原理が、三角関数でもそのまま働きます。

【よくあるミス】 と符号を逆にすること。 のとき (実際 )と具体値で確認できます。

〔Ⅱ〕③  で表す

【問題(再掲)】

を用いて表せ。

【型】)。あとは代入して整理

【なぜこうするか】
3乗の和は基本対称式で書く公式を使います。 とすると

これを代入すると、面白いことが起きます。

がちょうど打ち消える! これは という係数と第2項 が、消し合うように設計されているということです。長い問題文にひるまず代入すれば、驚くほど簡単な式になります。
残りは を入れて

定数項の も消えます。ここまで消えるのは偶然ではなく出題者の設計です。

解答。 とおくと 。よって

検算(200万分割の数値による恒等性確認)。 を200万分割し、元の長い式の値と )の値の差を測ると、最大差 (浮動小数点誤差のみ)で一致 ✓。
具体値でも確認: のとき元の式は ✓。

【定石】。対称式は基本対称式 で書き直す。長い式が出たら「打ち消し」を期待して代入してみること——入試問題では消えるように作られていることが多いです。

【よくあるミス】 を掛け忘れること。次数を数えれば(左辺3次、右辺も3次でなければならない)気づけます。また を代入したあと定数項 を処理し忘れるミス。

〔Ⅱ〕④ 最小値を与える

【問題(再掲)】

)が最小になる を求めよ。

【型】微分して増減表。ただし「定義域の中にある臨界点だけ」を採用する

【なぜこうするか】
微分すると

臨界点は 。ところが定義域は )なので は範囲外範囲外の臨界点は捨てる——ここを見落とすと増減表が3区間になって混乱します。
定義域内では 。つまり で減少から増加に変わる=最小。しかも は定義域の内部()なので、これが最小点です。

解答。 の範囲外なので、範囲内の臨界点は のみ。
だから で最小。

(このときの最小値は 。)

検算(数値探索)。 を200万分割した の最小値は で、 と一致 ✓。そのときの ✓( で達成、実際 )。

【定石】置き換え後の関数の最大最小は「新変数の定義域」の中だけで考える。臨界点が定義域外なら捨てる。 の大小を即座に判断できるようにしておくこと。

【よくあるミス】 を最大・最小の候補に入れてしまうこと。 なので にはなり得ません。置き換えの範囲を忘れる典型的な失点です。

〔Ⅱ〕⑤⑥ 最大値を与える と最大値

【問題(再掲)】

が最大になる と、その最大値[⑥]を求めよ。

【型】「区間内に最小しかない」なら最大は両端点の比較

【なぜこうするか】
④で見た通り、定義域 上で まで減少、その後増加。つまり谷が1つだけの形です。この場合最大は必ず端点——両端を計算して大きい方を選びます。

なので の方が大きい。左端が最大です。
計算のコツは を落ち着いて使うこと。

解答。 での値を比べます。 より

だから

検算(数値)。
200万分割した の最大値は で一致 ✓。そのときの ✓。

【定石】3次関数を有限区間で考えるとき、最大最小の候補は「区間内の極値」と「両端点」だけ。増減が「減→増」の1谷型なら最大は端点、最小は極小と決まります。

【よくあるミス】(範囲外の極大点)での値を最大値としてしまうこと。また のまま扱って整理を誤ること。 と簡単にしてから足し引きしましょう。

〔Ⅱ〕⑦ 最大値を与える

【問題(再掲)】

の最大値を与える の値を求めよ()。

【型】置き換えを戻す: すなわち

【なぜこうするか】
⑤で が答えでしたが、問われているのは元の変数 。置き換え問題は必ず戻すところまでが1セットです。

になるのは角が )のときだけ。 は解が1つに絞れるのが助かる点です(一般の値なら2つ出ます)。

の範囲に入っているので、これが答え。

解答。 より より で、この範囲で になるのは のみ。よって

検算。 では なので ✓。
200万分割の数値探索でも、最大を与える と一致 ✓。

【定石】置き換えたら最後に戻す解が1つ または )。 が最小になるのは(第3象限の 方向)と覚えておくと速いです。

【よくあるミス】 の値()をそのまま⑦の答えにすること。問われているのは です。また を採用して とし、 の範囲外の答えを書いてしまうミス。

〔Ⅲ〕3の倍数・5の倍数の集合/個数と和、そして差が2の組

分野:集合と論理/整数の性質/数列 難易度:標準〜やや難 目標時間:20分

【問題】

集合

の範囲の の倍数全体、 は同じ範囲の の倍数全体

(同様に の倍数全体)とする。次の[ ]を数値でうめよ。

は1以上99以下の[①]の倍数全体の集合である。 の要素の個数を とおくと、 である。 の要素を小さい順に とおくと、 である。

の要素の個数を とおくと、 である。 の要素を小さい順に とおくと、 である。また、 の部分集合で、2個の要素からなるものは全部で[⑥]個あり、そのうち、整数 を用いて と表されるものは全部で[⑦]個ある。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅲ〕①  は何の倍数か

【問題(再掲)】

は1以上99以下の[①]の倍数全体の集合である。①を求めよ。

【型】 の倍数かつ の倍数」=「最小公倍数の倍数」

【なぜこうするか】
3の倍数でも5の倍数でもある数は3と5の最小公倍数の倍数。3と5は互いに素なので
ここで大事なのは「最小公倍数」であって「積」ではないという点。たとえば「4の倍数かつ6の倍数」なら ではなく です。今回は互いに素なので積と一致しているだけです。

解答。3と5は互いに素なので 。よって

検算(全列挙)。1から99までで3の倍数かつ5の倍数を実際に列挙すると の6個で、すべて15の倍数 ✓。

【定石】「かつ」は最小公倍数、「または」は包除原理 から までの の倍数の個数は

【よくあるミス】互いに素でない場合に「積」を答えること(4と6なら12であって24ではない)。本問は3と5なので偶然一致します。

〔Ⅲ〕②③  の要素の個数と和

【問題(再掲)】

(1以上99以下の3の倍数)の要素の個数 と、その総和 を求めよ。

【型】倍数の個数は 、和は「 から までの和)」

【なぜこうするか】
初項3・公差3の等差数列。個数は
和は等差数列の和の公式でもよいのですが、共通因数3をくくり出すのが最速です。

と暗算しやすい形になるのがポイント。この「くくり出し」は⑤でも使います。

解答。 より

検算(総当たり)。1から99までの3の倍数を実際に列挙して個数を数えると ✓、総和は ✓。
等差数列の和の公式でも ✓(2通りで一致)。

【定石】倍数の和は「公差でくくって から までの和」。等差数列の和「項数 (初項 末項)」との2通りで検算する習慣を。

【よくあるミス】個数を ではなく を数える)とすること。範囲は なので は含みません。

〔Ⅲ〕④  の要素の個数

【問題(再掲)】

の要素の個数 を求めよ。

【型】包除原理

【なぜこうするか】
を単純に足すと15の倍数を2回数えてしまうので、1回分引きます。これが包除原理。

)、)と、割り切れないところで床関数が効くので注意します。

解答。

よって[④]

検算(総当たり)。1から99までで3の倍数または5の倍数を全列挙して数えると 個 ✓。

【定石】「または」は足して重なりを引く。3集合なら 床関数の計算は「割って余りを捨てる」を丁寧に。

【よくあるミス】 とすること()。また を引き忘れて と答えるミス。

〔Ⅲ〕⑤  の要素の和

【問題(再掲)】

の要素の総和 を求めよ。

【型】和にも包除原理がそのまま使える

【なぜこうするか】
個数と同じ理屈で、和も「足して重なりを引く」で計算できます。

なぜなら15の倍数は の和と の和の両方に入っているので、ちょうど1回分だけ余計だからです。個数の話がそのまま「重み付きの個数=和」に一般化される、という見方をしておくと応用が効きます。
各項は②と同じ「くくり出し」で。

解答。

よって[⑤]

検算(総当たり)。3の倍数または5の倍数を1から99まで全列挙して和を取ると ✓。

【定石】包除原理は「個数」だけでなく「和」「積の個数」など加法的な量すべてに使える。倍数の和は公差でくくって

【よくあるミス】 の項数を として とすること。 以下の5の倍数は まで=19項です。

〔Ⅲ〕⑥⑦ 2元部分集合の個数と 型の個数

【問題(再掲)】

の2個の要素からなる部分集合は全部で[⑥]個あり、そのうち整数 を用いて と表されるものは[⑦]個ある。⑥⑦を求めよ。

【型】2元部分集合は 。「差が2の組」は合同式で場合分け

【なぜこうするか】
⑥は素直に
⑦が本問の山場です。ともに の要素、つまりともに「3の倍数または5の倍数」である場合を数えます。ここで4通りに場合分けすると見通しが立ちます。

  • 両方3の倍数… 差が2なので不可能(差は3の倍数でなければならない)
  • 両方5の倍数… 同様に不可能
  • が3の倍数、 が5の倍数 かつ
  • が5の倍数、 が3の倍数 かつ

最初の2つが即座に消えるのが気持ちいいところ。残りは中国剰余定理( で1つに決まる)で処理します。

解答。⑥は より

⑦を数えます。 がともに3の倍数、またはともに5の倍数になることは差が2なので不可能。よって次の2通り。

(i) が3の倍数、 が5の倍数のとき より かつ より

の7個。

(ii) が5の倍数、 が3の倍数のとき より 。同様に

の6個。

で不適。)これらは重複しないので

検算(全列挙)。 の46個の要素をすべて調べ、 がともに含まれる組を列挙すると

13組 ✓。うち「3の倍数→5の倍数」型が の7組、「5の倍数→3の倍数」型が の6組で、場合分けの内訳も完全一致 ✓。

【定石】 がともに条件をみたす」型は、まず「両方同じ倍数」が の関係で不可能かを確認してから交差の場合を数える。連立合同式は で1つの剰余類にまとまる(中国剰余定理)。 個ごとに周期的なので、 余り から個数の見積もりもできます。

【よくあるミス】(ii) で を数えてしまうこと( が範囲外)。上限は ではなく で判定します。また⑥で 順列で数えるミス——部分集合なので順序は無関係です。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 長方形 OABC では
  • 直交基底なら内積の交差項が消える/長さはピタゴラスの形
  • 長方形の対角線は外接円の直径 → 直径に対する円周角は
  • /置き換えたら範囲を必ず調べる
  • /対称式は基本対称式で書ける
  • /長い式は打ち消しを期待して代入
  • 臨界点が定義域外なら捨てる/1谷型なら最大は端点
  • 「かつ」は最小公倍数、「または」は包除原理(和にも使える)
  • 倍数の和は公差でくくって
  • がともに条件」型は合同式で分類し にまとめる

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※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕は を400万分割した数値の最大最小の探索、〔Ⅱ〕は(610桁)を多倍長整数で実際に計算、〔Ⅲ〕は216通りすべての総当たり、〔Ⅳ〕は の全格子点の総当たりで、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問4題。〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕が記述式、〔Ⅲ〕〔Ⅳ〕が空所補充という構成です。
  • 分野は絶対値つき三角関数の最大最小・桁数と最高位/合同式・対数と確率の融合・整数条件つき線形計画法
  • 〔Ⅰ〕は前の冊子と同じ の置き換えですが、絶対値がつくので で場合分けが必要。しかも なので の範囲は ではなく という非対称な区間になります。ここが最大の罠。
  • 〔Ⅱ〕(2) は という書き方が答えを教えてくれています なので 、周期10。 を10で割った余りが5なので
  • 〔Ⅲ〕は が「 を共通の底にした対数」であることを使い、指数の大小に翻訳すると、ただの整数の数え上げになります。
  • 〔Ⅳ〕は整数条件つきの線形計画法。連続なら最適値 ですが整数では 、しかも解が3組ある——「格子点は頂点の近くを調べる」のが定石です。

〔Ⅰ〕【記述式】絶対値つき三角関数の最大・最小

分野:三角関数/微分(数学II) 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

関数

がある。 とおくとき、次の問いに答えよ。

(1) で表せ。

(2) のとりうる値の範囲を求めよ。

(3) の最大値と最小値を求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3) 最大値 のとき)、最小値 すなわち のとき)

〔Ⅰ〕(1)  で表す

【問題(再掲)】

とおくとき、 で表せ。

【型】 の2枚看板

【なぜこうするか】
を2乗すると なので 。これで「和」と「積」が両方 で書けたので、対称式はすべて の式になります。

絶対値の項はそのまま 絶対値は無理に外さないのがここでのコツです——外すのは (3) で場合分けするときで、いまは の式にすることが目的だからです。

解答。 より 。よって

したがって

検算(400万分割の数値による恒等性確認)。 を400万分割し、元の式 の差を測ると、最大差 (浮動小数点誤差のみ)で一致 ✓。
具体値でも: のとき 、元の式は 表示は ✓。 のとき 、元の式は 表示は ✓。数式処理でも と一致 ✓。

【定石】 の置き換えは「積が 」がセット。3乗の和は 絶対値は の絶対値としてそのまま残す——場合分けは範囲が確定してからで十分です。

【よくあるミス】絶対値を勝手に外すこと。 では が負になる区間()があるので外せません。また を落とすミス。

〔Ⅰ〕(2)  のとりうる値の範囲

【問題(再掲)】

のとき のとりうる値の範囲を求めよ。

【型】合成して 。角の動く範囲が1周期に足りないので端点を必ず調べる

【なぜこうするか】
で、 より

この区間の長さは で、1周期 の半分しかありません。だから「 から まで全部とる」とは言えない——ここが本問最大の落とし穴です。
区間 の値を追うと

  • から始まり
  • 最大 をとり
  • そこから減少して 最小

つまり の値域は を掛けて

ではなく が下限。この非対称性が (3) の答えを決めます。

解答。 で、 より 。この範囲で で最大値 で最小値 をとるので

よって

検算(数値)。 を400万分割した の範囲は で、理論値 と一致 ✓。
両端の到達も確認:(最大)✓、(最小)✓。

【定石】合成したら「角の動く範囲」を書き出し、その中で の最大最小を調べる。1周期分あれば 振幅ですが、足りないときは端点と 型の点を比較。区間が非対称なら値域も非対称になります。

【よくあるミス】反射的に と書くこと。 ではない)なので には届きません(それには が必要)。この1点で (3) の最小値が か別の値かが変わります。

〔Ⅰ〕(3)  の最大値と最小値

【問題(再掲)】

)の最大値と最小値を求めよ。

【型】絶対値は で場合分け。それぞれ3次関数として増減を調べる

【なぜこうするか】
絶対値を外すと2つの3次関数に分かれます。

それぞれ微分します。

前者は で符号が変わり(極大)、後者は の範囲で常に正なので では単調増加
つまり から増加して になり、 で山を作って、 まで下がるという形。候補は の3点だけです。

解答。(i) のとき で、ここで正から負に変わるので極大。

また

(ii) のとき では だから で単調増加。よってこの範囲の最小は

以上より、候補の値は だから

最大値 のとき)、最小値 すなわち のとき)

検算(400万分割の数値探索)。元の式で直接 の最大最小を求めると、最大 、そのとき )✓、最小 (そのとき )✓。
右端の値も確認: となり、最小値 より大きいので最小ではない ✓。

【定石】絶対値つきの関数は「絶対値の中身の符号」で場合分けし、それぞれ独立に増減を調べる。最大最小の候補は「各区間の極値」と「区間の端点」と「場合分けの境界()」のすべて。忘れやすいのは境界です。

【よくあるミス】 の範囲を と誤り、 を最小値としてしまうこと。(2) の答えが (3) を支配しています。また を有理化せずに答えるのも減点されることがあります()。

〔Ⅱ〕【記述式】 の桁数・最高位と、 で割った余り

分野:対数/整数の性質 難易度:標準 目標時間:15分

【問題】

次の問いに答えよ。

(1) は10進法で何桁の整数か。また、最高位の数字は何か。ただし、 は用いてよい。

(2) で割った余りを求めよ。

【解答】

(1) 桁、最高位の数字は  (2) 余りは

〔Ⅱ〕(1) 桁数と最高位の数字

【問題(再掲)】

は10進法で何桁か。また最高位の数字は何か( を用いてよい)。

【型】 は整数、)なら「桁数は 」「最高位は の整数部分」

【なぜこうするか】
。つまり 倍以上 倍未満——これがそのまま「 桁」を意味します。
そして最高位の数字 、対数をとれば

だから と比較すればよい。問題文が をわざわざ与えているのは「答えが3だから」という強いヒントです。

解答。

よって 、すなわち なので桁数は
小数部分は より

したがって で、最高位の数字は

検算(多倍長整数で実際に計算)。 を多倍長整数として実際に計算すると、桁数は 、先頭10桁は でした ✓(最高位は )。
より正確な を使うと で、小数部分 は依然 の間にあり、結論は変わりません ✓( が先頭の に対応)。

【定石】桁数は「 の整数部分 」、最高位は「小数部分を と比較」。使う値は 、そこから すべて導けるので、この2つだけ覚えれば足ります。

【よくあるミス】桁数を と答えること(整数部分に するのを忘れる)。また最高位を求めるとき小数部分ではなく全体 を使ってしまうミス。 は必ず です。

〔Ⅱ〕(2)  で割った余り

【問題(再掲)】

で割った余りを求めよ。

【型】 から周期を作る(

【なぜこうするか】
問題文が と書いてくれているのがそのまま解法の指示です。移項すれば

2乗すれば 。つまり は10ごとに繰り返す
あとは指数 を10で割った余りを見るだけ。 なので

指数を「周期で割った余り」に落とすのが合同式の最重要テクニックです。

解答。 より だから

なので、求める余りは

検算(多倍長整数で直接計算)。 を実際に計算すると ✓。
周期も確認: ✓。 なので ✓。
(別の見方: が奇数——こちらの方が一手短いです。)

【定石】 となる最小の を見つけて指数を周期で割る 型の法では が使えます。問題文の「」のような書き方は解法のヒント——素直に乗りましょう。

【よくあるミス】 から としてしまうこと( です)。また の余りを と混同)としてしまうミス。 です。

〔Ⅲ〕さいころ3回と対数の大小(

分野:確率/対数関数 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

さいころを3回投げて、出た目に1を加えた値を順に として、 を考える。次の[ ]をうめよ。

(1) となる確率は[①]である。

(2) となる確率は[②]である。

(3) となる確率は[③]である。

(4) となる確率は[④]である。

(5) となる確率は[⑤]である。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤:

〔Ⅲ〕(1)(2) 

【問題(再掲)】

から の値をとる)について、 となる確率[①]と となる確率[②]を求めよ。

【型】底が共通なら「対数の大小=真数の大小」(底が1より大きいので不等号の向きは同じ)

【なぜこうするか】
まず設定を確認します。さいころの目に1を加えるので——これが「底が2以上」を保証し、単調増加であることを意味します。1を加えるのは (底が1)を避けるためでもあります。
底が同じ なので

が何であっても結論が変わらないのがポイント。だから確率は の36通りだけで決まります。

  • :6通り →
  • 通り(対称性)。よって 通り →

」と「」が対称なので、全体から を除いて半分にする——この数え方が速いです。

解答。 より は単調増加。よって
通りで、 は6通りだから

また は対称で各 通りだから

検算(216通りの総当たり)。 通りすべてを調べると、36通り)✓、126通り)✓。
と、いずれも の6通り分の倍数になっており、「 に依らない」ことが数値でも確認できます ✓。

【定石】底が1より大きい対数は「真数の大小」と一致(底が1未満なら逆転)。 の対称性を使うと、 と一発で出ます()。

【よくあるミス】さいころの目そのまま( から )で考えて の場合を含めてしまうこと。「出た目に1を加えた値」なので から です。また と答える(等号のケースを半分に含め忘れる)ミス。

〔Ⅲ〕(3) 

【問題(再掲)】

となる確率を求めよ。

【型】(底の変換で が消える)

【なぜこうするか】
と共通の底(たとえば自然対数)に書き直すと、割り算で が消えます

また かつ なので 0除算の心配がない)。よって

なので不等号の向きはそのまま。)あとは を数えるだけ。 なら なので は全部OK——制限がかかるのは のときだけです。

解答。 であり( なので割ってよい)、 より

  • なので 3通り
  • なので 6通りすべて 通り)

よって 通りで

検算(総当たり)。216通り中 198通りが条件をみたし ✓( に依らないことも確認)。

【定石】(底の変換公式の割り算形)。対数の不等式は「底が1より大きいなら真数の不等式」に翻訳。 のように制限が効くのが小さい値だけという構造に気づけば数え上げは一瞬です。

【よくあるミス】 と変形するのは正しいのですが、そこから に至らず が残ると思い込んで手が止まること。 と、この道でも同じ結論です。

〔Ⅲ〕(4) 

【問題(再掲)】

となる確率を求めよ。

【型】 と1文字におけば の2次方程式

【なぜこうするか】
互いに逆数なので、 とおくと

よって または 。(3) で見たように なので

をみたす組は から の中では だけ なら )。ここが数え上げの山場です。

解答。 とおくと

よって または

  • 、すなわち 6通り
  • 、すなわち 1通り では で不適)

両者は重複しない( を要するが )ので 通り。したがって

検算(総当たり)。216通り中 42通りが条件をみたし ✓。条件をみたす を列挙すると

7組で、内訳( が6組、 の1組)も完全一致 ✓。

【定石】 が同時に出たら「逆数の関係」で1文字におく 型は2次方程式に。解が2つ出たらそれぞれを真数の条件に翻訳し、範囲内の組を数えます。

【よくあるミス】(逆)と読むこと。 なので の方が大きい)です。また を見落として と答えるミス。

〔Ⅲ〕(5) 

【問題(再掲)】

となる確率を求めよ。

【型】(対数の和は積)→ の数え上げ

【なぜこうするか】
底が共通なので和は真数の積になります。

よって 、つまり

ここで初めて が答えに関わってくるのが (5) の特徴です((1)〜(4) は に依らなかった)。だから216通り全体で数える必要があります。
ごとに「 をみたす の個数」を数えるのが確実。 なら の最大は なので全36組、逆に なら 1組だけ——両端が分かると見通しが立ちます。

解答。 だから

ごとに をみたす の個数を数えます()。

をみたす
241
396
41617
52526
63633
74936

たとえば のときは で、 なら より6通り、 なら より4通り()、 なら より3通り、 なら または で計 … と数えると合計17通りになります。
合計は 通り。全体は 通りなので

検算(216通りの総当たり)。すべての を調べると条件をみたすのは 119通り、確率 ✓。 ごとの内訳も と表の値に完全一致 ✓。
両端の妥当性: では をみたすのは だけ ✓、 では が常に成立(最大 )で36通り ✓。
なお で、 は互いに素なのでこれ以上約分できません ✓。

【定石】。対数の和・差・定数倍はすべて真数の積・商・累乗に翻訳できるので、「対数の条件」は必ず「真数の条件」に落として整数問題にする。数え上げは片方の文字(ここでは )で場合分けして表にするのが最も間違いにくい方法です。

【よくあるミス】(和のまま)としてしまうこと。対数の和は真数の積です。また のとき で「全部OK」と思うミス—— なら なので3組()が除かれ33通りです。

〔Ⅳ〕整数条件つきの線形計画法(3つの時間制約)

分野:領域と最大最小/整数の性質 難易度:やや難 目標時間:20分

【問題】

ある運送会社では、2種類の荷物 X、Y が3人の作業員 A、B、C によって処理されていた。今年から A は検品のみに、B は伝票処理のみに、C は配達のみに専念する形へと変更し、かつ、これらの業務にかける時間はそれぞれ A が1日5時間以内、B が1日8時間以内、C が1日7時間以内と制限された。検品・伝票処理・配達はそれぞれ順序を問わない独立の作業とし、各荷物の処理にはすべての作業を必要とする。荷物 X については、1つあたり検品に10分、伝票処理に30分、配達に30分かかる。荷物 Y については、1つあたり検品に20分、伝票処理に20分、配達に10分かかる。

1日で処理する荷物 X、Y の個数を最大にすることを考える。次の[ ]をうめよ。

荷物 X の個数を 、荷物 Y の個数を として、各担当の時間制限を の不等式で表すと、A に関する条件式は[①]、B に関する条件式は[②]、C に関する条件式は[③] である。 はどちらも整数であることから、1日で処理できる荷物の個数 の最大値は[④]であり、そのときの の組合せは全部で[⑤]通りある。その中で が最大なのは [⑥]のときであり、 が最大なのは [⑦]のときである。

【解答】

①: ②: ③: ④: ⑤: ⑥: ⑦:

〔Ⅳ〕①②③ 時間制限を不等式にする

【問題(再掲)】

A(検品:X に10分、Y に20分、1日5時間以内)、B(伝票:X に30分、Y に20分、8時間以内)、C(配達:X に30分、Y に10分、7時間以内)の条件式[①]、[②]、[③] を求めよ。

【型】右辺が「時間」なので左辺も時間に揃える(分を60で割る)

【なぜこうするか】
作業時間はで与えられ、制限は時間で与えられています。単位を揃えるのが最初の仕事です。問題文が「[①]」と右辺を (時間)にしているので、左辺は時間で表さなければなりません。
A の検品にかかる総時間は 時間。約分して

同様に B は 、C は
このあと計算するときは両辺に6を掛けて分数を払うのが実用的です。

解答。

(両辺を6倍すると となり、以降はこの形を使います。)

検算。単位の妥当性を確認します。A の制限 時間 分に対し 、6で割った と同値 ✓。B は 時間 分で ✓。C は 時間 分で ✓。
たとえば なら A は 分、B は 分(ちょうど上限)、C は 分 ✓。

【定石】文章題は最初に単位を統一する。「分」と「時間」が混ざったら右辺(制限)の単位に合わせるのが問題文の指示に沿う書き方。計算段階では分母を払って整数係数にします。

【よくあるミス】 のように単位を無視すること。また約分を忘れて のまま答えるのは(間違いではありませんが) と既約にしておく方が安全です。X と Y の所要時間を入れ違えて読むミスも多いので、表に整理してから式を立てましょう。

〔Ⅳ〕④⑤  の最大値と、そのときの組合せの個数

【問題(再掲)】

が0以上の整数のとき、 の下で の最大値[④]と、そのときの の組合せの個数[⑤]を求めよ。

【型】まず実数として頂点で最大化 → 整数条件があるので「頂点の近くの格子点」を調べる

【なぜこうするか】
という直線を、領域と共有点をもったまま右上へ平行移動していくのが線形計画法の基本。実数なら最大は領域の頂点で起こります。
どの2直線の交点かを見極めます。 の傾きは で、制約の傾きは を挟むのは 、つまり

の交点

が最大点。引き算すれば 。よって実数の最大は
ところが は整数なので 。ここで が本当に達成できるか」を確かめる必要がある——できなければ18に落ちます。実際に の格子点を調べると3組見つかります。

解答。 を最大にする点を探します。 の交点は、引き算して 、すなわち で、このとき
よって整数解では となる格子点を調べると

A:B:C:
×
×

したがって は達成可能で

検算(全格子点の総当たり)。 のすべての格子点で3つの制約を判定し、 の最大を求めると 、達成する組は の3組だけでした ✓。
また となる格子点は1つも制約をみたしません(総当たりで空集合を確認)✓ — 実数の上限 と整合しています。

【定石】線形計画法は「目的関数の傾きを挟む2本の制約の交点」が最適点。整数条件があるときは実数の最適値の整数部分から順に「達成可能か」を確かめる(達成できないこともあるので必ず検証)。境界の格子点はすべての制約に代入して○×表を作るのが確実です。

【よくあるミス】実数の最適値 を切り捨てて「」と答えるだけで、達成可能性を確認しないこと。切り捨てた値が達成できない問題も存在します。また⑤で だけを数えて「1通り」とするミス—— の直線上を左右に探す必要があります。

〔Ⅳ〕⑥⑦  が最大・ が最大の組

【問題(再掲)】

となる3組のうち、 が最大なのは が最大なのは である。⑥⑦を求めよ。

【型】④⑤で列挙した3組を見比べるだけ。「どの制約が先に効くか」を確認すると理解が深まる

【なぜこうするか】
すでに 3組すべてが手元にあるので、 を見比べれば即答です。
ただ、なぜここで止まるのかを確認しておくと理解が定着します。

  • をこれ以上増やす()とB(伝票処理)が 分でオーバー。実際 では B がちょうど 分=上限ぴったりで、B がボトルネックになっています。
  • をこれ以上増やす()とA(検品)が 分でオーバー では A がちょうど 分=上限ぴったりで、A がボトルネックです。

つまり両端の解はそれぞれ別の制約で止められている——線形計画法の「頂点で複数の制約が効く」という構造が、整数解の両端に現れているわけです。C(配達)は3組すべてで余裕があり、ボトルネックになっていない点も面白いところです。

解答。3組 のうち

検算(総当たり)。全格子点の総当たりでも、 を達成する3組のうち 最大は 最大は ✓。
時間の使用量を見ると では B が 分でぴったり上限 では A が 分でぴったり上限となっており、それぞれ別の作業員がボトルネックになっていることが確認できます ✓。C は最大でも 分で常に余裕があります ✓。

【定石】複数の最適解があるときは「どの制約が等号で成立しているか」を見ると構造が分かる。等号で成立している制約がボトルネックで、そこを緩めれば最適値が改善します(現実の業務改善でもこの見方をします)。

【よくあるミス】⑥⑦を「領域の頂点の座標」で答えること。問われているのは が最大となる整数解の中での最大・最小なので、④⑤で列挙した3組の中から選びます。また 最大と 最大を逆に書くミス。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • なら
  • 合成後は「角の動く範囲」を書き出す/1周期未満なら値域は非対称になる
  • 絶対値は中身の符号で場合分け/候補は極値・端点・場合分けの境界
  • 桁数は の整数部分 、最高位は小数部分を と比較
  • が法なら → 指数を周期で割った余りに落とす
  • 底が1より大きい対数の大小は真数の大小
  • → 対数の条件は真数の整数条件に翻訳
  • が同時に出たら1文字におく(2次方程式になる)
  • 単位を統一してから不等式を立てる(分と時間の混在に注意)
  • 整数条件つき線形計画法は「実数の最適値の近くの格子点を全部試す」

この解説を書いている講師に、直接習うことができます。

初回体験授業(3,000円・税込)を申し込む / 無料相談はこちら

※ 問題文は関西大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。この冊子は大学による解答が公表されていないため、〔Ⅰ〕は領域内の4億点による の到達範囲の実測、〔Ⅱ〕は漸化式から第14項までを分数のまま生成し不等式を まで検証、〔Ⅲ〕は1から100までの全列挙、〔Ⅳ〕は数式処理による対称式の再計算と解の直接代入で、それぞれ答えが一致することを確認しています。

2025年度 関西大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問4題。〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕が記述式、〔Ⅲ〕〔Ⅳ〕が空所補充という構成です。
  • 分野は「共有点が0個または1個」を判別式で領域に翻訳・積型と和型の漸化式/区間の共通部分・整数の個数と和・3次方程式の対称式(ニュートンの公式)
  • 〔Ⅰ〕の急所は「共有点が0または1」=「判別式 という翻訳。2つの放物線それぞれで不等式を作ると、 平面で上に凸な放物線と下に凸な放物線に挟まれた領域が現れます。面積は 型の公式で一撃。
  • 〔Ⅱ〕(1) は が「階段状に約分される積」になる型。書き並べると ほとんど打ち消えて は階差型で と驚くほどきれい。
  • 〔Ⅱ〕(2) は「区間が共通部分をもつ」=「一方の左端が他方の右端以下」という言い換え。 がともに増加なので条件は 、すなわち——多項式と指数の比較で、数学的帰納法の出番です。
  • 〔Ⅳ〕はニュートンの公式( の漸化式) を3つ足せば が出て、同じ要領で まで進めます。

〔Ⅰ〕【記述式】「共有点が0または1」を判別式で領域に翻訳する

分野:図形と方程式/2次関数 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

平面内の直線 が2つの放物線

のいずれとも共有点の個数が0または1となるような を座標とする点 のなす集合を とする。

(1) の面積を求めよ。

(2) を動くとき、 のとりうる値の範囲を決定せよ。

【解答】

(1)  (2)

〔Ⅰ〕(1)  の面積

【問題(再掲)】

直線 が2つの放物線 のいずれとも共有点の個数が0または1となる の集合 の面積を求めよ。

【型】「共有点が0個または1個」=「連立した2次方程式の判別式

【なぜこうするか】
直線と放物線を連立すると2次方程式になり、共有点の個数はその実数解の個数。したがって

  • 2個
  • 1個(接する)
  • 0個

つまり「0または1」=「とひとまとめにできます。「以下」でつながるのが本問の設計の要です。
放物線1と連立すると

放物線2と連立すると

こうして 平面で下に凸の放物線 の上側、かつ上に凸の放物線 の下側というレンズ型の領域になります。面積は上下の差を積分するだけ。

解答。直線 の連立から

共有点が0個または1個 判別式 より

同様に との連立から

が両立する の範囲は

すなわち 。よって面積は

被積分関数は なので、公式 を使って

検算(数式処理)。判別式を数式処理で計算すると、放物線1では 、放物線2では で、上の不等式と一致 ✓。
差の因数分解は 、境界の交点は ✓。定積分を数式処理で計算すると ✓。
妥当性:領域の横幅は 、高さの最大は のとき なので、面積は より小さいはず。 は妥当 ✓(放物線型なので 倍の に一致)。

【定石】「共有点が 個以下」型の条件は判別式の不等式に翻訳し、係数を座標と見て領域を描く。2次曲線で挟まれた面積は(係数が なら 倍)。この公式を使えば展開も代入も不要です。

【よくあるミス】「共有点が0または1」を または 場合分けして別々に処理しようとすること。 とまとめるのが正解。また放物線2の連立で の係数が であることを見落として判別式を としてしまうミス( なので )。

〔Ⅰ〕(2)  のとりうる値の範囲

【問題(再掲)】

を動くとき、 のとりうる値の範囲を決定せよ。

【型】 とおき、各 について の動く区間 の動く区間を求め、 を動かして合併する

【なぜこうするか】
放物線 を上下に平行移動したときの切片にあたります。「この放物線が と共有点をもつ の範囲」を求める、というのが図形的な意味。
ただ本問はもっと素直に処理できます の範囲で固定すると、

を動くので、

を動きます(両端から を引くだけ)。あとは を動かしたときの の最小値と の最大値を求めれば、合併が になります(区間が連続的に動くので隙間はできません)。
の最小」と「 の最大」を別々に求めてよい——これがこの型の急所です。

解答。 を固定すると (1) より 。よって

を動く。 の最小値 で正( なら )だから は増加。よって最小は

の最大値 と平方完成でき、 の内部なので

はともに連続で だから、区間 について合併すると隙間なくつながり

検算(領域内の4億点による実測)。 から まで20万分割し、各 について の中で2001分割して を計算しました(計約4億点)。結果、範囲は で理論値と一致 ✓。
両端の達成点も確認: のとき(このとき の左端の1点 )、、すなわち上側境界上の点 ✓。
数式処理でも での最小は の最大は と確認 ✓。

【定石】領域上で の範囲を求めるときは「一方の変数を固定して他方を動かす」の2段階 の1次式(今回は について1次)なら最大最小は の端で起こるので、境界の式に代入して1変数の問題に落とせます。連続なら合併は1つの区間になることも押さえておくこと。

【よくあるミス】 の最大最小を「 の同じ での値」で考えてしまうこと。最小は の最小()、最大は の最大()で、達成する が違います。また の頂点 が区間 に入っているかの確認を飛ばすミス(入っていなければ端点の値になります)。

〔Ⅱ〕【記述式】積型・和型の漸化式と、区間の共通部分

分野:数列/数学的帰納法 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

を自然数として、数列

で定める。次の問いに答えよ。

(1) 一般項 の式で表せ。

(2) とするとき、すべての自然数 に対して は空集合ではないことを示せ。

【解答】

(1)  (2) (すなわち )を数学的帰納法で示せばよい。このとき

〔Ⅱ〕(1) 一般項

【問題(再掲)】

の一般項を求めよ。

【型】比が与えられた漸化式は「掛け合わせて約分」、差が与えられた漸化式は「階差の和」

【なぜこうするか】
比が で変わるので等比数列ではありません。こういうときは から まで掛け合わせるのが定石。

ここで分子の と分母の が2つずれで打ち消える——残るのは分子の最後2つ と分母の最初2つ だけ。

一方 階差数列が与えられた形 と等比数列の和になります。
公比2の等比和は「最後の項の2倍 最初の項」)なので 驚くほどきれいな形になります。

解答。 の両辺を について掛け合わせると(

より でも で成立)。
次に より、 のとき

でも で成立。)よって

検算(漸化式から第14項までを分数のまま生成)。漸化式を直接回して得た値は

で、 の値と第14項まで完全一致 ✓(プログラムで全項照合)。

【定石】 の形なら が一定。本問は