藤原進之介です。このページでは関西大学1999年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学1999年度(A日程・文学部)の数学について、大問3題の解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
〔I〕指数方程式(2段階の置換)
4x + 4−x − 10(2x + 2−x) + 14 = 0 を解きます。
1回目の置換
t = 2x + 2−x とおくと
t² = (2x)² + 2·2x·2−x + (2−x)² = 4x + 2 + 4−x
よって 4x + 4−x = t² − 2。方程式は
(t² − 2) − 10t + 14 = 0 ⇔ t² − 10t + 16 = 0 ⇔ (t − 2)(t − 8) = 0
t = 2 または t = 8。
2回目の置換(t から x へ戻す)
s = 2x(s > 0)とおくと 2−x = 1/s なので、s + 1/s = t、すなわち s² − ts + 1 = 0。
t = 2 のとき:s² − 2s + 1 = (s − 1)² = 0 より s = 1。したがって 2x = 1、x = 0。
t = 8 のとき:s² − 8s + 1 = 0 より s = 4 ± √15。
√15 ≒ 3.873 なので 4 − √15 ≒ 0.127 > 0。両方とも正なので、どちらも s > 0 を満たします。
2x = 4 ± √15 より x = log₂(4 ± √15)。
「4 − √15 > 0 だから捨てない」という確認が必要です。s > 0 を満たすかどうかを必ず吟味するのが指数方程式の鉄則。なお 4 + √15 と 4 − √15 は積が 1 なので、log₂(4−√15) = −log₂(4+√15) という対称な関係にあります(t = 2x + 2−x が x と −x で対称だから当然です)。
〔II〕表面積が一定の円錐で、体積を最大にする
高さ h、底面の半径 r の直円錐を考えます。
① 側面積と底面積の和
母線の長さは √(r² + h²)。側面の展開図は半径 √(r²+h²) の扇形で、その弧の長さが底面の円周 2πr に等しいので、中心角 θ について
θ/(2π) = 2πr / {2π√(r²+h²)} = r/√(r²+h²)
側面積 = π(√(r²+h²))² × θ/(2π) = π(r² + h²) × r/√(r²+h²) = πr√(r²+h²)
底面積 πr² と足して
② S = 1 のときの r²
1 − πr² = πr√(r² + h²)。両辺を2乗します(左辺は正であることが必要ですが、結果的に成立します)。
1 − 2πr² + π²r⁴ = π²r²(r² + h²) = π²r⁴ + π²r²h²
π²r⁴ が両辺で消えて 1 − 2πr² = π²r²h²、すなわち 1 = r²(2π + π²h²)。
③ A = 1/V を h で表す
V = πr²h/3 = πh/{3(2π + π²h²)} なので
A = 1/V = 3(2π + π²h²)/(πh) = 3(2/h + πh)
④⑤ V を最大にする h と、そのときの r
V を最大にする ⇔ A = 1/V を最小にする。2/h > 0、πh > 0 なので相加平均・相乗平均の関係が使えます。
2/h + πh ≧ 2√{(2/h)(πh)} = 2√(2π)
したがって A ≧ 6√(2π)。等号成立は 2/h = πh、すなわち h² = 2/π のとき。
このとき V = 1/A = 1/(6√(2π))。また π²h² = π²·(2/π) = 2π なので ② より
r² = 1/(2π + 2π) = 1/(4π)
「積が定数になる2項の和」を見つけたら相加相乗 — (2/h)×(πh) = 2π と、h が消えて定数になるのがポイントです。V を直接微分するより、1/V にして相加相乗を使うほうが圧倒的に速いという好例です。
〔III〕逆数の和と、約数による整数解の絞り込み
正の整数 a, b, m(0 < a < b)が 2/m = 1/a + 1/b を満たすとします。
積の形に変形する
両辺に mab を掛けて 2ab = m(a + b)。さらに2倍して整理します。
4ab − 2ma − 2mb = 0 ⇔ 4ab − 2ma − 2mb + m² = m²
左辺は因数分解できて
(2a − m)(2b − m) = m²
0 < a < b より 2a − m < 2b − m。また積が m² > 0 なので2数は同符号ですが、和 (2a−m)+(2b−m) = 2(a+b) − 2m。ここで 2/m = 1/a + 1/b < 2/a より m > a、また 1/a + 1/b > 1/b より m < 2b。実際には0 < 2a − m となります。
(1) m = 9 のとき
m² = 81 の正の約数は 1, 3, 9, 27, 81。2a − m < 2b − m なので、積が81になる組は
(2a − 9, 2b − 9) = (1, 81) または (3, 27)
((9, 9) は a = b となるので除外)
| (2a−9, 2b−9) | a | b | 検算 1/a + 1/b |
|---|---|---|---|
| (1, 81) | 5 | 45 | 1/5 + 1/45 = 9/45+1/45 = 10/45 = 2/9 ✓ |
| (3, 27) | 6 | 18 | 1/6 + 1/18 = 3/18+1/18 = 4/18 = 2/9 ✓ |
(2) m が素数のとき
m が素数なら m² の正の約数は 1, m, m² の3つだけ。
0 < 2a − m < 2b − m という条件から、(2a−m, 2b−m) = (1, m²) の1通りだけ((m, m) は a = b になるので不適)。
2a − m = 1 より a = (m + 1)/2、2b − m = m² より b = (m² + m)/2 = m(m + 1)/2。
m が奇素数なら m + 1 は偶数なので、a, b はともに整数になります。
検算:m = 3 なら a = 2、b = 6。1/2 + 1/6 = 2/3 ✓ m = 5 なら a = 3、b = 15。1/3 + 1/15 = 5/15+1/15 = 6/15 = 2/5 ✓
この年の学習ポイント
〔I〕は置換を2段構えで行う問題、〔II〕は相加相乗で最大最小を処理する問題、〔III〕は積の形にして約数を数える問題。3題とも、微分を使わずに解ける「うまい手」が用意されています。
特に〔II〕で「V の最大 ⇔ 1/V の最小」と逆数をとって扱いやすい形に変える発想は、身につけておくと大きな武器になります。
関西大学1999年度は複数日程・複数学部で実施されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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