藤原進之介です。このページでは関西大学2023年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
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関西大学 2023年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】
〔Ⅰ〕放物線と直線の距離
m を正の定数、直線 ℓ : y = mx − 1、曲線 C : y = x² を考えます。
① 共有点を持たない条件
連立して mx − 1 = x²、すなわち x² − mx + 1 = 0。共有点を持たないのは実数解を持たないときなので判別式 D < 0。
D = m² − 4 < 0 より m² < 4。m > 0 の条件と合わせて
②③④ 点と直線の距離、その最小値
ℓ を mx − y − 1 = 0 と整理し、点 P(t, t²) との距離に公式を当てます。
d = |mt − t² − 1| / √(m²+1) = |t² − mt + 1| / √(m²+1)
ここで①の条件が効きます。D < 0 なので t² − mt + 1 は任意の t でつねに正。したがって絶対値をそのまま外せます。分子を平方完成すると
t² − mt + 1 = (t − m/2)² + (4−m²)/4
分母は t によらない定数なので、t = m/2 で最小。
⑤ 接線の傾き
y = x² を微分して y′ = 2x。x = m/2 における傾きは 2·(m/2) = m。
最小距離を与える点での接線の傾きが、直線 ℓ の傾き m と一致します。「距離が最小になるのは接線が平行になるとき」という幾何的な事実が、計算からも確認できる作りです。
〔Ⅱ〕複素数の条件式と領域の面積
z = x + yi とおき、条件式 z² + pz̄ + q = 0 を扱います。
①② 実部と虚部への分解
z² + pz̄ + q = (x+yi)² + p(x−yi) + q を展開して整理すると
実部 = x² − y² + px + q / 虚部 = y(2x − p)
複素数の等式1本は、実部と虚部の等式2本と同値です。この分解が本問の出発点で、以降はすべて実数の議論になります。
③④⑤ p=2, q=1 の場合
虚部 = 0 より y = 0 または x = 1 と分岐します。
- y = 0 のとき:x² + 2x + 1 = 0 → x = −1
- x = 1 のとき:−y² + 4 = 0 → y = ±2
よって解は z = −1, 1±2i の3個。実数解は −1 の1個です。
⑥ 異なる4個の解を持つ (p, q) の領域の面積
一般の p, q でも同じ分岐をたどります。各分岐が2個ずつ解を持てば合計4個です。
- y = 0 の側:x² + px + q = 0 が異なる2実数解 → p² − 4q > 0 → q < p²/4
- x = p/2 の側:y² = (3/4)p² + q が異なる2解 → q > −(3/4)p²
2 < p < 4 のもとで −(3/4)p² < q < p²/4。この領域の面積は
∫24 {p²/4 − (−(3/4)p²)} dp = ∫24 p² dp = [p³/3]24 = (64−8)/3
2本の境界曲線の差が p²/4 + 3p²/4 = p² ちょうどになり、積分が一気に簡単になります。係数がこう設計されているところが本問の妙です。
〔Ⅲ〕空間ベクトルと垂線の長さ
|a→| = √13、|c→| = 1、∠OCA = 90° の設定です。
(1) 内積 a→·c→
∠OCA = 90° より、直角三角形 OCA で cos∠AOC = OC/OA = 1/√13。よって
a→·c→ = √13 · 1 · (1/√13) = 1
(2) CD→ の成分表示
D は直線 OB 上なので OD→ = k(a→+c→) とおけます。CD ⊥ OB より OB→·CD→ = 0。
(a→+c→)·{k(a→+c→) − c→} = 0
k(|a→|² + 2a→·c→ + |c→|²) − a→·c→ − |c→|² = 0
k(13 + 2 + 1) − 1 − 1 = 0 より 16k = 2、k = 1/8。
(3) 線分 CD の長さ
|CD→|² を展開します。
|CD→|² = (1/64)(|a→|² − 14a→·c→ + 49|c→|²) = (1/64)(13 − 14 + 49) = 48/64 = 3/4
垂線の足を求める問題は、「直線上の点として文字でおく → 垂直条件を内積=0で立てる → 文字を決定」の3手順が定型です。空間でも平面でも手順は変わりません。
この年度の総評と対策
3題に共通するのは「条件を、計算できる形に言い換える」力です。
- 〔Ⅰ〕共有点なし → 判別式 D < 0 → 絶対値が外せることまで繋げる
- 〔Ⅱ〕複素数の等式1本 → 実部・虚部の2本へ分解 → 領域 → 面積
- 〔Ⅲ〕垂直 → 内積 = 0 → 未知数 k の決定
とくに〔Ⅰ〕は、①で求めた D < 0 が②で絶対値を外す根拠になるという設問間の連動が見どころです。前問の結果を次に使う設計は関西大学で頻出なので、各設問を独立に解かず「何のために求めさせたか」を意識すると解答速度が上がります。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
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