大学受験

東京理科大学 2004年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは東京理科大学2004年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

問題

解答

東京理科大学2004年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。

[2] 動点の速度ベクトルと、渦巻き曲線の極限

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

t ≧ 0 として、点 P(cos t², sin t²) が単位円上を動きます。P の速度ベクトルを v とし、OQ = OP + v で定まる点 Q を考えます。

(1) 点 Q の座標

P の座標を t で微分します。合成関数の微分より

d/dt (cos t²) = −sin t² · 2t = −2t sin t² / d/dt (sin t²) = cos t² · 2t = 2t cos t²

したがって v = (−2t sin t², 2t cos t²)。OQ = OP + v より

Q(cos t² − 2t sin t², sin t² + 2t cos t²)

(2) Q の軌跡は自分自身と交わらないことの証明

原点からの距離の2乗を計算します。s = t² とおくと

OQ² = (cos s − 2t sin s)² + (sin s + 2t cos s)²

= cos²s − 4t sin s cos s + 4t² sin²s + sin²s + 4t sin s cos s + 4t² cos²s

交差項 ∓4t sin s cos s がちょうど打ち消し合い、残りは

= (cos²s + sin²s) + 4t²(sin²s + cos²s) = 1 + 4t²

これは t ≧ 0 で狭義単調増加。つまり、異なる t に対して Q は必ず異なる距離にあるので、同じ点に2度来ることはありません。

したがって Q の軌跡は自分自身と交わらない(証明終)

「軌跡が自己交差しない」を示すのに、単調に増加する量を1つ見つければ十分という発想です。ここでは原点からの距離がその役割を果たしました。座標そのものを比べるより圧倒的に簡単です。

(3)(a) Q が x 軸上に来る t の間隔

Q の y 座標が 0 になる t を小さい順に t₁ < t₂ < … とします。条件は

sin tn² + 2tn cos tn² = 0 ⇔ tan tn² = −2tn

sn = tn² とおくと tn = √sn なので

tan sn = −2√sn

これは y = tan s と y = −2√s の交点を求めることに相当します。y = tan s は周期 π で、s が大きくなるにつれて y = −2√s はゆるやかに下がっていくため、交点は各周期に1つずつ現れます。

Q が x 軸上に来る点を「1つおき」にとることで sn が定まり(0 = s₀ < s₁ < s₂ < …)、間隔は tan の周期の2倍に近づきます。

答 limn→∞(tn+1² − tn²) = limn→∞(sn+1 − sn) = 2π

(3)(b) tn/√n と √n(tn+1 − tn) の極限

s が大きくなると −2√s は急激に負の大きな値になるので、交点は各周期の漸近線の直前に近づきます。図より

limn→∞(sn − 2nπ) = −π/2

両辺を n で割ると、左辺の括弧内は有限値に収束するので

limn→∞ sn/n = 2π すなわち limn→∞ tn²/n = 2π

tn > 0 なので

limn→∞ tn/√n = √(2π)

次に √n(tn+1 − tn) を求めます。差を和で割る形(有理化)に持ち込むのが要点です。

tn+1 − tn = (tn+1² − tn²)/(tn+1 + tn)

両辺に √n を掛けると

√n(tn+1 − tn) = (tn+1² − tn²) / {tn+1/√n + tn/√n}

分母を扱うために、tn+1/√n = √{(n+1)/n} × tn+1/√(n+1) と書き換えます。n → ∞ で √{(n+1)/n} → 1、tn+1/√(n+1) → √(2π) なので、分母は √(2π) + √(2π) = 2√(2π)。

分子は (a) より 2π に収束するので

lim √n(tn+1 − tn) = 2π/(2√(2π)) = √(2π)/2 = √(2π)/2

√(2π)/2 = √(2π/4) = √(π/2) と整理できます。

答 limn→∞ √n(tn+1 − tn) = √(π/2)

この年の学習ポイント

(2) の「打ち消し合い」と (3)(b) の「有理化」が、この問題を通す2つの鍵です。

特に (3)(b) の a − b = (a² − b²)/(a + b) という変形は、数列の極限で差が0に近づくものの、√n を掛けると有限に残るという状況で必ず使います。「差が扱いにくいときは、2乗の差に直して和で割る」と覚えてください。

また、tn² − tn² の間隔が 2π に近づく — つまり tn は √n のオーダーで増える — という構造をつかめれば、(b) の2つの極限は自然に見えてきます。

東京理科大学2004年度は学部・日程ごとに複数の問題が出題されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。

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