藤原進之介です。このページでは東京理科大学2019年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学 2019年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】
① 放物線に接する2つの円
y = x² 上の点 P(p, p²) で放物線に接し、それぞれ x 軸・y 軸に接する円 C₁, C₂ を考えます。
(1) 円 C₁ の半径
法線ベクトルを使うのが最短です。y′ = 2x より P での接線方向は (1, 2p)、したがって法線方向は (2p, −1)。
中心 A は P から法線方向に半径 r だけ進んだ点なので
A = (p, p²) + (r/√(4p²+1))·(2p, −1)
C₁ が x 軸に接するので A の y 座標が r に等しい。y 成分だけ取り出すと
r = p² − r/√(4p²+1) → r(1 + 1/√(4p²+1)) = p²
(2) 円 C₂ の中心の y 座標
今度は y 軸に接するので、法線の向きは逆側 (−2p, 1)。中心 B(R, b) について x 成分・y 成分の2式を立て、R を消去します。
(3) 半径が等しくなる p
r = R を整理すると p(√(4p²+1) + 2p) = √(4p²+1) + 1、すなわち
(p−1)√(4p²+1) = 1 − 2p ……①
ここで両辺を安易に2乗してはいけません。符号を先に調べます。p ≧ 1 では左辺 ≧ 0、右辺 < 0 で不成立。0 < p < 1 では左辺 < 0 なので右辺も負、つまり 1−2p < 0 が必要で p > 1/2。さらに ① が成り立つ範囲は 1/√2 < p < 1 と絞られます。
この範囲で2乗すると p(8p²−9p+2) = 0、p ≠ 0 より 8p²−9p+2 = 0。
p = (9±√17)/16 のうち、1/√2 < p < 1 を満たすのは
無理方程式は2乗する前に両辺の符号を確認する。これを飛ばすと (9−√17)/16 も答えに混ざり、失点します。
② 数学的帰納法と数列の評価
an+1 = 4an²/(3an²+1)、0 < a₁ < 1/3 で定まる数列です。
(1) 0 < an < 1/3 の証明
帰納法で示します。鍵は漸化式を単調増加な形に変形することです。
ak+1 = (4/3)(1 − 1/(3ak²+1))
この形なら ak² が増えるほど値が増えると一目で分かります。0 < ak < 1/3 を代入して両端を評価すると
0 = (4/3)(1 − 1/1) < ak+1 < (4/3)(1 − 1/(3·(1/3)²+1)) = 1/3
よって n = k+1 でも成立します。
(2) 単調減少の証明
差を取って通分し、因数分解まで持ち込みます。
4an−1/(3an−1²+1) − 4an/(3an²+1) = 4(an−1−an)(1−3anan−1) / {(3an−1²+1)(3an²+1)}
符号を2つの因子で判定します。an−1 − an は同様の変形で正、また (1) より anan−1 < 1/9 なので
1 − 3anan−1 > 1 − 3·(1/9) = 2/3 > 0
よって全体が正で、単調減少が示されます。
(3) 等比数列による評価
bk = 4ak/(3ak²+1) とおくと ak+1 = bkak。(2) より {bk} は単調減少なので bk < b₁。したがって
ak+1 < b₁ak (k = 1, 2, …)
これを k = 1 から n まで辺々かけると、途中が約分されて
an+1 < {4a₁/(3a₁²+1)}n a₁
「漸化式を ak+1 = bkak の形にして辺々かける」は数列の評価の定番手法です。単調性が効くのはこの掛け算の場面です。
③ 空間ベクトル
a→ + 3b→ − c→ = 0→、|c→| = 1、|a→+b→| = 3|b→|、a→+3b→ ⊥ a→−3b→ が条件です。
(1) 大きさと内積
垂直条件から (a→+3b→)·(a→−3b→) = |a→|² − 9|b→|² = 0、すなわち |a→| = 3|b→|。
次に c→ = a→+3b→ と |c→| = 1 から |a→|² + 6a→·b→ + 9|b→|² = 1。
もう1つの条件 |a→+b→| = 3|b→| から |a→|² + 2a→·b→ − 8|b→|² = 0。
|a→| = 3|b→| を代入して2式を連立すると
6a→·b→ + 18|b→|² = 1 かつ 2a→·b→ + |b→|² = 0
これを解いて |b→|² = 1/15、a→·b→ = −1/30。
(2) |ta→ + (1−t)b→| の最小値
2乗して展開し、t の2次関数に整理します。
|ta→+(1−t)b→|² = (3/5)t² − (1/15)t(1−t) + (1/15)(1−t)² = (1/15)(11t² − 3t + 1)
平方完成すると (1/15){11(t − 3/22)² + 35/44}。t = 3/22 で最小値 7/132。
√(7/132) を有理化すると √231/66 になります。2乗の最小=元の最小(非負なので)という当たり前の橋渡しを飛ばさないこと。
この年度の総評と対策
3題に共通するのは「文字のまま最後まで押し切る」という要求です。
- ① 半径を p の式のまま2つ求め、等号で結んで無理方程式へ。符号の吟味が必須
- ② 漸化式を (4/3)(1 − 1/(3a²+1)) と変形して単調性を見える化
- ③ 3つの条件式を連立し、|b→|² と a→·b→ を2元連立で決定
東京理科大学の数学は、方針が立っても計算を完遂できるかで差がつくのが特徴です。途中で数値代入に逃げず、分数・根号を含んだまま整理し切る訓練が直結します。とくに①(3)の「2乗する前に符号を確認」は、理科大で繰り返し問われる論点です。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。

