藤原進之介です。このページでは東京理科大学2018年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学 2018年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】
① 判別式と「実数 t が存在する」条件
(1) 放物線が x 軸と交わらない条件
y = x² + 2(t−3)x + 1 は下に凸なので、x 軸と共有点を持たない条件は判別式 < 0。
D₁/4 = (t−3)² − 1 < 0 → 2 < t < 4 ……①′
(2) 正の整数 (a, b) の組
条件②も同様に判別式で言い換えます。
D₂/4 = (t−a)² − (4−b²) < 0 → (t−a)² < 4−b² ……②′
ここからが本問の核心です。「①′かつ②′を満たす実数 t が存在する」を、区間の言葉に翻訳します。
まず②′に実数解が存在するには右辺が正、すなわち 4−b² > 0 より −2 < b < 2。b は正の整数なので b = 1 に限られます。
b = 1 のとき②′は (t−a)² < 3、つまり a−√3 < t < a+√3。
これと 2 < t < 4 が共通部分を持つ条件は
a−√3 < 4 かつ 2 < a+√3 → 2−√3 < a < 4+√3
1 < √3 < 2 より、正の整数 a は 1〜5。
「実数 t が存在する」→「2つの区間が共通部分を持つ」への言い換えが要。2区間が交わる条件は「一方の左端 < 他方の右端」を両向きに書くだけで済みます。
② 放物線・法線と面積比
C : y = x² − 1/2 上の点 P(p, p²−1/2) における法線 ℓ が C と再び交わる点を Q とします。
(1) △OPQ の面積 S₁
y′ = 2x より P での接線の傾きは 2p、法線の傾きは −1/(2p)。
解と係数の関係を使うのが効率的です。C と ℓ の交点の x 座標 p, q は
x² + x/(2p) − p² − 1/2 = 0 の2解なので p+q = −1/(2p)、pq = −p²−1/2
したがって q = −p − 1/(2p)。三角形の面積公式に代入して整理すると
(2) S₂ = 12S₁ となる p
線分 PQ と C で囲まれた面積は6分の1公式が使えます。
S₂ = (1/6)(q−p)³ = (1/6)(−2p − 1/(2p))³
S₂ = 12S₁ を整理すると、共通因数 (−2p − 1/(2p)) が現れ(これは p < 0 より正)
(−8p)(4p − 1/(2p)) = 0 → 4p = 1/(2p) → p² = 1/8
(3) S₃ = 4S₁ となる p
△PQR を平行移動して考えると、同様に S₃ = −(p/4)(−2p−1/(2p))²。S₃ = 4S₁ から
6p = 1/(2p) → p² = 1/12
(2)(3) とも、共通因数を括り出してから「その因数は正だから消せる」と論証するのが定石。いきなり展開すると6次式になり手が止まります。
③ 基本対称式による置き換え
x² + xy + y² = 9 を満たす実数 x, y について考えます。
(1) x+y のとりうる範囲
u = x+y、v = xy とおくと、条件は u² − v = 9。
ここで見落としやすいのが「実数 x, y が存在する条件」です。x, y は t² − ut + v = 0 の2解なので、判別式 u² − 4v ≧ 0 が必要。
v = u²−9 を代入すると
u² − 4(u²−9) ≧ 0 → u² ≦ 12
(2) 与式のとりうる値の範囲
x²y + xy² − x² − 2xy − y² + x + y を対称式で書き直すと
= xy(x+y) − (x+y)² + (x+y) = uv − u² + u
v = u²−9 を代入して1変数に落とすと
f(u) = u³ − u² − 8u (−2√3 ≦ u ≦ 2√3)
f′(u) = 3u² − 2u − 8 = (3u+4)(u−2) なので増減表は次のとおり。
| u | −2√3 | … | −4/3 | … | 2 | … | 2√3 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f′ | + | 0 | − | 0 | + | ||
| f | −12−8√3 | ↗ | 176/27 | ↘ | −12 | ↗ | −12+8√3 |
4つの値を比較します。1 < √3 < 2 に注意すると、最小は端点の −12−8√3、最大は極大値の 176/27(−12+8√3 ≒ 1.86 より大きい)。
極値と端点の4つすべてを計算して比較すること。極大値が最大とは限らず、端点が上回る場合もあります。ここでは √3 の概算(≒1.73)で大小を判定します。
この年度の総評と対策
3題を貫くのは「存在条件を、扱える不等式に翻訳する」という主題です。
- ① 「実数 t が存在」→ 2区間の共通部分の条件へ
- ② 「面積が○倍」→ 共通因数を括り、符号を論証して消去
- ③ 「実数 x, y が存在」→ 判別式 u²−4v ≧ 0 を忘れない
とくに③は、対称式に置き換えた瞬間に「u, v が勝手に動ける」と錯覚しがちです。置き換えたら、元の変数が実数である条件を必ず付ける——東京理科大学が繰り返し問う論点で、ここを落とすと範囲が広くなりすぎて誤答します。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
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