藤原進之介です。このページでは関西学院大学2021年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西学院大学2021年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
〔1〕(1) 文字係数の2次関数の最大値
f(x) = −px² + 2px − 2p² − p + 9 の、0 ≦ x ≦ 1 における最大値を M とします。
ア p = −1 のときの M
p = −1 を代入すると f(x) = x² − 2x + 8 = (x − 1)² + 7。下に凸で軸は x = 1 なので、区間 [0, 1] では左端が最大です。
イウ p の符号で場合分けする
まず平方完成します。
f(x) = −p(x² − 2x) − 2p² − p + 9 = −p(x − 1)² − 2p² + 9
軸は p によらず x = 1 で、区間の右端に一致しています。あとは凸の向きだけが問題です。
p < 0 のとき:−p > 0 なので下に凸。区間 [0,1] では軸から最も遠い左端が最大。
M = f(0) = −2p² − p + 9
p > 0 のとき:上に凸。頂点(=軸 x = 1)が最大。
M = f(1) = −2p² + 9
p = 0 のときは f(x) = 9(定数)で M = 9。これは −2p² + 9 に p = 0 を代入した値と一致するので、p ≧ 0 でまとめて M = −2p² + 9 と書けます。
エ M のとりうる範囲
p < 0 のとき:−2p² − p + 9 = −2(p + 1/4)² + 73/8。頂点 p = −1/4 は p < 0 に含まれるので、この範囲での M の最大は 73/8。
p ≧ 0 のとき:−2p² + 9 は減少関数なので M ≦ 9。
73/8 = 9.125 > 9 なので、全体では
軸が区間の端に固定されているおかげで、場合分けが「凸の向き」だけで済みます。平方完成して軸を先に見ることで、場合分けの数が最小になります。
〔1〕(2) 反復試行と、確率が最大になる回数
2つのさいころを同時に投げ、出た目の和が7なら勝ちとします。
1回のゲームで勝つ確率
目の組は 6² = 36 通り。和が7になるのは (1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1) の6通りなので、確率は 6/36 = 1/6。
オ 5回中2回勝つ確率
反復試行の公式より
₅C₂ (1/6)²(5/6)³ = 10 × 125/6⁵ = 1250/7776
カ pk/pk−1 の計算
20回中 k 回勝つ確率は pk = ₂₀Ck(1/6)k(5/6)20−k = ₂₀Ck·520−k/6²⁰。
比をとると、6²⁰ が約分され、階乗も大部分が消えます。
pk/pk−1 = (1/5) × {20!/(k!(20−k)!)} × {(k−1)!(21−k)!/20!} = (1/5) × (21−k)/k
キ pk が最大となる k
比が1より大きいか小さいかで、増加・減少が判定できます。
(21 − k)/(5k) > 1 ⇔ 21 − k > 5k(k > 0 より)⇔ k < 7/2
つまり k = 1, 2, 3 では pk > pk−1(増加)、k = 4 以降では pk < pk−1(減少)。
p₀ < p₁ < p₂ < p₃ > p₄ > … > p₂₀ となるので
確率の最大値を求めるとき、差ではなく比をとるのが定石です。二項係数と累乗は割り算のほうが圧倒的にきれいに約分されます。期待値 20 × 1/6 ≒ 3.33 に近い整数が答えになるのも自然です。
〔2〕(1) 整式の割り算と、余りの利用
x⁴ + ax + a + b を x² + x + 2 で割った余りが 2x + 1 であるとします。
アイ a, b を決める
商は x² の係数が1の2次式なので x² + cx + d とおけます。
x⁴ + ax + a + b = (x² + x + 2)(x² + cx + d) + 2x + 1
右辺を展開して係数を比較します。
| 次数 | 左辺 | 右辺 |
|---|---|---|
| x³ | 0 | c + 1 |
| x² | 0 | c + d + 2 |
| x | a | 2c + d + 2 |
| 定数 | a + b | 2d + 1 |
1行目より c = −1、2行目より d = −1。3行目より a = −2 − 1 + 2 = −1。4行目より a + b = −1 なので b = 0。
ウ P(x) = (x⁴ + ax + a + b)³ を x² + x + 2 で割った余り
x⁴ − x − 1 = (x² + x + 2)(x² − x − 1) + (2x + 1) なので
P(x) = {(x² + x + 2)(x² − x − 1) + (2x + 1)}³
展開すると、(2x+1)³ 以外のすべての項に (x² + x + 2) の因数が含まれます。したがって、余りは (2x + 1)³ を x² + x + 2 で割った余りに一致します。
(2x + 1)³ = 8x³ + 12x² + 6x + 1 を割ると、8x³ + 12x² + 6x + 1 = (x² + x + 2)(8x + 4) − 14x − 7。
3乗を展開してから割るのではなく、「割った形」に直してから3乗するのが要点です。(A + R)³ の展開で A を含む項はすべて A で割り切れるので、R³ だけを見ればよくなります。
エ P((−1 + √7 i)/2) の値
x² + x + 2 = 0 の解は x = (−1 ± √7 i)/2。したがって (−1 + √7 i)/2 を代入すると、割り算の商の部分が 0 になり、余りの値だけが残ります。
−14 × (−1 + √7 i)/2 − 7 = −7(−1 + √7 i) − 7 = 7 − 7√7 i − 7
〔2〕(2) 空間ベクトルと三角形の面積
OA, OB を空間ベクトルとし、点 P を OP = s·OA + t·OB(三角形OABの内部)と表します。条件は OP ⊥ AP かつ |OP| = 1 です。
成分計算により OP = (2t, s + 2t, s)、AP = OP − OA = (2t, s + 2t − 1, s − 1) となります。
オカ s, t を求める
OP・AP = 0 より
4t² + (s + 2t)(s + 2t − 1) + s(s − 1) = 0 ⇔ 2s² + 4st + 8t² − 2s − 2t = 0 …①
|OP|² = 1 より
4t² + (s + 2t)² + s² = 1 ⇔ 2s² + 4st + 8t² = 1 …②
② − ① で2次の項がすべて消えます(ここが仕掛けです)。
2s + 2t = 1 ⇔ s = 1/2 − t
②に代入して整理すると t² = 1/12、t = ±√3/6。点Pは三角形OABの内部にあるので 0 < s < 1、0 < t < 1。したがって
t = √3/6、s = 1/2 − √3/6 = (3 − √3)/6
キ 三角形OPBの面積
このとき OP = (√3/3, (3+√3)/6, (3−√3)/6)、OB = (2, 2, 0) なので
|OP| = 1、|OB| = 2√2、OP・OB = √3 + 1
cos∠POB = (√3 + 1)/(2√2)。sin∠POB > 0 より
sin∠POB = √{1 − (√3+1)²/8} = √{(8 − 4 − 2√3)/8} = √{(4 − 2√3)/8} = (√3 − 1)/(2√2)
(4 − 2√3 = (√3 − 1)² と二重根号がはずれます。)
面積 = (1/2)|OP||OB|sin∠POB = (1/2)·1·2√2·(√3−1)/(2√2)
① と ② の差をとって2次の項をまとめて消すのが最大の工夫です。連立方程式を見たら、まず「引いたら次数が下がらないか」を確認してください。
この年の学習ポイント
〔2〕(1) の「割った形に直してから累乗する」と、〔2〕(2) の「2式の差で高次項を消す」は、どちらも展開する前に構造を利用するという同じ思想です。力ずくの計算に入る前に、式の形をもう一度眺める習慣が計算量を劇的に減らします。
関西学院大学2021年度は複数日程が実施されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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