藤原進之介です。このページでは東京理科大学2010年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学2010年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
[1](1) 曲線と円の共有点が3個になる条件
曲線 C : y² = x²(x + 1) と、点 (−1, 0) を通り中心が x 軸上にある円 D を考えます。D の中心を (a, 0)、半径を r とします。
中心の位置
D が (−1, 0) を通り、中心が (a, 0) なので、a − (−1) = r、すなわち
a = −1 + r
D の方程式は (x − r + 1)² + y² = r²、つまり y² = r² − (x − r + 1)²。
共有点の方程式
C の式 y² = x²(x + 1) と連立します。
r² − (x − r + 1)² = x²(x + 1)
左辺は2乗の差なので因数分解できます。
r² − (x − r + 1)² = {r − (x − r + 1)}{r + (x − r + 1)} = (2r − x − 1)(x + 1)
したがって
(2r − x − 1)(x + 1) = x²(x + 1) ⇔ (x + 1){(2r − x − 1) − x²} = 0
⇔ (x + 1)(x² + x − 2r + 1) = 0
x = −1 は必ず解(=点 (−1, 0) を共有する)なので、残りの2次方程式が担当します。
共有点が3個になる条件
C は y² = x²(x+1) なので、x を1つ決めると y は ±√ で原則2個(y = 0 のときだけ1個)。図から、共有点が3個になるのは 2次方程式 x² + x − 2r + 1 = 0 が x = −1, 0 以外に重解を1つもつときです。
判別式 = 1² − 4(−2r + 1) = 8r − 3 = 0 ⇔ r = 3/8
(このとき x = −1/2 で、x = −1, 0 とは異なるので条件を満たします。)
左辺 r² − (x−r+1)² を展開してから整理するのではなく、A² − B² = (A+B)(A−B) の形で因数分解するのが決め手です。展開すると3次式になり、(x+1) をくくり出すのに割り算が必要になります。
[1](2)(a) 判別式が「上に凸」になる型
実数 x, y が x² − 2(y + 3)x + 2y² + 18 = 0 を満たすとき、x, y を求めます。
x についての2次方程式とみて、実数解をもつ条件から
D/4 = (y + 3)² − (2y² + 18) = y² + 6y + 9 − 2y² − 18 = −y² + 6y − 9 = −(y − 3)²
D/4 ≧ 0 が必要ですが、−(y−3)² ≦ 0 なので、両立するのは D = 0 かつ y = 3 のときだけです。
y = 3 を元の式に戻すと
x² − 12x + 18 + 18 = 0 ⇔ x² − 12x + 36 = 0 ⇔ (x − 6)² = 0
判別式が「つねに0以下」になったら、等号成立の1点だけが答えです。この構造は、2変数の等式から値を確定させる問題の定番になっています。
[1](2)(b) 積の形にして整数解を絞る
整数 k, l が kl + k − 2l − 9 = 0 を満たすときの (k, l) を求めます。
因数分解する
l でくくると k(l + 1) − 2l − 9 = 0。−2l − 9 = −2(l + 1) − 7 なので
k(l + 1) − 2(l + 1) = 7 ⇔ (k − 2)(l + 1) = 7
7 は素数なので、整数の積で 7 になる組は4通り。
| (k−2, l+1) | (k, l) |
|---|---|
| (7, 1) | (9, 0) |
| (1, 7) | (3, 6) |
| (−1, −7) | (1, −8) |
| (−7, −1) | (−5, −2) |
「(k−2)(l+1) = 7」に持ち込むとき、定数項を合わせる調整(−2l−9 = −2(l+1) −7)を忘れないでください。負の約数も忘れずに数えるのが整数問題の鉄則です。
k = m + 2n、l = 2m − n のときの整数 (m, n)
この連立を m, n について解きます。
k + 2l = (m + 2n) + 2(2m − n) = 5m ⇒ m = (k + 2l)/5
2k − l = 2(m + 2n) − (2m − n) = 5n ⇒ n = (2k − l)/5
m, n が整数になるのは、k + 2l と 2k − l がともに5の倍数のときです。
| (k, l) | m = (k+2l)/5 | n = (2k−l)/5 | 判定 |
|---|---|---|---|
| (9, 0) | 9/5 | 18/5 | 整数でない |
| (3, 6) | 15/5 = 3 | 0/5 = 0 | 適する |
| (1, −8) | −15/5 = −3 | 10/5 = 2 | 適する |
| (−5, −2) | −9/5 | −8/5 | 整数でない |
この年の学習ポイント
(1) の因数分解、(2)(a) の判別式の符号、(2)(b) の積の形への変形 — いずれも「展開せずに構造を利用する」ことで劇的に楽になる設問でした。
特に (2)(b) は、整数問題の基本手順(積の形にする → 約数を列挙する → 条件を確認する)がそのまま出ています。最後に「m, n も整数」という追加条件で候補が半分に絞られる点まで含めて、丁寧に確認する練習になります。
東京理科大学2010年度は学部・日程ごとに複数の問題が出題されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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