藤原進之介です。このページでは東京理科大学2006年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学2006年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
[3] 3次関数の面積が整数になる条件(整数と積分の融合)
P(x) = x³ + ax² + bx + c について考えます。0 < m < n を整数とします。
(1) a, b, c を m, n で表す
P(x) を x² + 1 と x² − 1 で割った形に整理します。
P(x) = (x² + 1)(x + a) + (b − 1)x + (c − a)
P(x) = (x² − 1)(x + a) + (b + 1)x + (c + a)
与えられた条件から次の関係式が得られます。
c − a = m + n / c + a = −(m + n) / b = mn
第1式と第2式を足すと 2c = 0、c = 0。引くと −2a = 2(m+n)、a = −(m + n)。
(2) P(x) = 0 の解
P(x) = x³ − (m + n)x² + mnx = x{x² − (m + n)x + mn} = x(x − m)(x − n)
(3) 面積 S, T を m, n で表す
0 < m < n なので、0 < x < m では P(x) > 0、m < x < n では P(x) < 0。したがって
S = ∫₀mP(x)dx、T = −∫mnP(x)dx
P(x) = x³ − (m+n)x² + mnx を積分して整理すると
検算:m = 1, n = 2 のとき S = 1·3/12 = 1/4。直接 ∫₀¹(x³ − 3x² + 2x)dx = 1/4 − 1 + 1 = 1/4 ✓ T = 3·1/12 = 1/4。直接計算しても 1/4 ✓
(4) S, T がともに整数となる条件
まず m が偶数であることを示します。
2n は偶数なので、2n − m と m は偶奇が一致します。もし m が奇数なら m³(2n − m) は奇数どうしの積で奇数。奇数を12で割っても整数にならないので、S が整数になりません。よって m は偶数。
次に n が偶数であることを示します。
m が偶数なので m + n と n − m はどちらも n と偶奇が一致します。もし n が奇数なら (m+n)(n−m)³ は奇数となり、T が整数になりません。よって n も偶数。
そこで m = 2k、n = 2l(0 < k < l、k, l は整数)とおいて代入すると
S = (4/3)k³(2l − k) = (4/3)k³{2(l + k) − 3k} / T = (4/3)(k + l)(l − k)³ = (4/3)(k + l){(l + k) − 2k}³
k + l が3の倍数のとき:2(l+k) − 3k は3の倍数なので S は整数。T も (k+l) が3の倍数なので整数。
k + l が3の倍数でないとき:S が整数になるには k が3の倍数である必要がありますが、そのとき (l + k) − 2k = l − k は3の倍数にならず、T が整数になりません。
(5) S + T ≦ 240 を満たす (m, n)
(4) より k + l = 3s(s は自然数)とおけます。l = 3s − k を代入すると
S + T = 4k³(2s − k) + 4s(3s − 2k)³ …(*)
まず k の範囲を絞ります。k < l ⇔ k < 3s − k ⇔ 2k < 3s、つまり (3s − 2k)³ > 0。したがって (*) の第2項を落として
S + T > 4k³(2s − k) > 4k³{(4/3)k − k} = (4/3)k⁴
(2s > (4/3)k を使いました。)S + T ≦ 240 より (4/3)k⁴ < 240、k⁴ < 180 なので k ≦ 3。
次に s について単調性を見ます。(*) の右辺を s の関数 f(s) とすると
f'(s) = 8(3s − 2k)²(6s − k) + 8k³
s > (2/3)k のとき 6s − k > 3k > 0 なので f'(s) > 0、すなわち f は単調増加。したがって s は小さいほうから順に調べれば十分です。
| k | 調べる s | S + T | 判定 | (m, n) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | s = 1 | 8 | 適する | (2, 4) |
| 1 | s = 2 | 524 | 240 超で不適 | — |
| 2 | s = 2 | 128 | 適する | (4, 8) |
| 2 | s = 3 | 1628 | 不適 | — |
| 3 | s = 3 | 648 | 不適(以降も増加) | — |
検算:(m,n) = (2,4) のとき S = 8(8−2)/12 = 4、T = 6·8/12 = 4、S+T = 8 ✓
(m,n) = (4,8) のとき S = 64(16−4)/12 = 64、T = 12·64/12 = 64、S+T = 128 ✓
この年の学習ポイント
積分で求めた面積が整数になる条件を問う、整数論と微積分の融合問題です。難関大でよく出る形式で、次の3段階を踏みます。
(あ) 面積を文字で表す(積分)/(い) 分母を払うための条件を偶奇・倍数で議論する(整数論)/(う) 不等式で候補を有限個に絞り、単調性で確定させる(評価)。
特に (5) の「不等式で大まかに絞ってから、単調性で s を1つずつ調べる」という進め方は、候補が無限にある問題を有限に落とす標準テクニックです。いきなり全部を調べようとせず、まず範囲を潰すことを意識してください。
東京理科大学2006年度は学部・日程ごとに複数の問題が出題されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。

