藤原進之介です。このページでは東京理科大学2014年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学2014年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
[1](1) カードの取り出しと確率
1から8までの番号が1枚ずつ書かれた8枚のカードから、同時に2枚を取り出します。取り出し方は ₈C₂ = 28通りです。
(a) 2枚の番号の和の期待値
1枚だけ取り出したときの番号の期待値は
(1 + 2 + … + 8)/8 = 36/8 = 9/2
期待値の線形性より、2枚の和の期待値は 2 × 9/2。
2枚が独立でなくても(同時に取り出しても)、和の期待値は期待値の和になります。これは期待値の線形性が独立性を必要としないためで、非常に強力な性質です。
(b) 2枚の番号の和が8以上となる確率
和が8以上を直接数えるより、余事象(和が8未満、つまり7以下)のほうが少なくて済みます。
| 小さいほう | 組 | 個数 |
|---|---|---|
| 1 | (1,2)(1,3)(1,4)(1,5)(1,6) | 5 |
| 2 | (2,3)(2,4)(2,5) | 3 |
| 3 | (3,4) | 1 |
計9通りなので
(c) 2枚の番号の積が4の倍数となる確率
これも余事象を使います。積が4の倍数にならないのは、2枚に含まれる素因数2が1個以下のときです。
8枚のうち、奇数は 1, 3, 5, 7 の4枚、2で1回だけ割れる数は 2, 6 の2枚、4で割れる数は 4, 8 の2枚。
[1] 2枚とも奇数:₄C₂ = 6 通り
[2] 奇数1枚と、2または6を1枚:₄C₁ × ₂C₁ = 8 通り
合計 14 通りなので
倍数の判定は素因数の個数で考えます。「積が4の倍数」= 2枚合わせて素因数2を2個以上もつ。この言い換えができれば、数え上げる対象が明確になります。
[1](2) 恒等式の係数比較
(x² + ax + b)(x + α) = x³ + cx² + 39x + 56 …①
(x² + ax + b)(x + β) = x³ + dx² + 31x + 42 …②
が x についての恒等式であるとき、a, b, c, d, α, β を求めます。
(a) α/β を求める
左辺を展開すると
① x³ + (a + α)x² + (b + αa)x + αb / ② x³ + (a + β)x² + (b + βa)x + βb
1次の係数を比較して
b + αa = 39、b + βa = 31 …③
定数項を比較して
αb = 56、βb = 42 …④
④の辺々を割ると b が消えます。
(b) a, b, c, d, α, β をすべて求める
α/β = 4/3 より 3α = 4β。③の2式を辺々引くと (α − β)a = 8。
α = (4/3)β を代入すると (β/3)a = 8、すなわち aβ = 24。③の第2式 b + βa = 31 より b = 31 − 24 = 7。
④に b = 7 を代入して α = 8、β = 6。aβ = 24 より a = 4。
最後に2次の係数を比較します。a + α = c、a + β = d なので
検算:(x² + 4x + 7)(x + 8) = x³ + 12x² + 39x + 56 ✓ (x² + 4x + 7)(x + 6) = x³ + 10x² + 31x + 42 ✓
共通因数 x² + ax + b をもつ2つの3次式、という構造に気づけば、2式の差をとって未知数を減らす方針が立ちます。
[1](3)(a) 絶対値を含む三角方程式
f(x) = |cos x| − cos x とし、0 < x ≦ 5π/2 で f(x) = 1 となる x を求めます。
この関数は、cos x の符号で表情が変わります。
cos x ≧ 0 のとき:f(x) = cos x − cos x = 0(つねに0なので f(x) = 1 にはなりません)
cos x ≦ 0 のとき:f(x) = −cos x − cos x = −2cos x
したがって解が出るのは cos x ≦ 0 の区間だけです。
[1] 0 < x ≦ π/2:cos x ≧ 0 なので解なし。
[2] π/2 < x ≦ 3π/2:cos x ≦ 0。−2cos x = 1 ⇔ cos x = −1/2 より
x = 2π/3, 4π/3
[3] 3π/2 < x ≦ 5π/2:この区間は [−π/2, π/2] を 2π だけ平行移動したものにあたるので、全体で cos x ≧ 0。したがって f(x) = 0 となり、解はありません。
f(x) = |cos x| − cos x は「cos x が負のときだけ立ち上がる」関数で、グラフを描くと山が周期的に並ぶ形になります。f(x) ≧ 0 がつねに成り立ち、cos x ≧ 0 の区間では恒等的に 0 という性質を先に押さえると、解の存在範囲が一気に絞れます。
この年の学習ポイント
(1) の (b)(c) はどちらも余事象が主役でした。「8以上」より「7以下」、「4の倍数」より「4の倍数でない」のほうが数える対象が少ない — この見極めが速さを決めます。
(2) は恒等式の係数比較ですが、6個の未知数を一度に解こうとせず、定数項の比で b を消すという一手が突破口でした。連立方程式では「何を先に消すか」の選択が計算量を左右します。
東京理科大学2014年度は学部・日程ごとに複数の問題が出題されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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